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今回は、現在、野球球団を持つほどの大企業となったディーエヌエー。その創業者である南場氏が、創業時のピンチや失態を赤裸々に書き記した「不格好経営」を紹介します。ロジカルシンキング関連の本ではありませんが、コンサルとして第一線で活躍していた南場氏が実務について語っており、実務との違いが非常にわかりやすいため、果たして本当に自分がコンサルタントになりたいのか、改めて考える上で非常におすすめなので、時間があれば読むことをおすすめします。
”一番の驚きはコンサルと実務では、使う筋肉がまったく異なること”
南場氏は、創業時、マッキンゼーで培ってきたものをすべて外す必要があったと述べているのが印象的で、僕らのイメージから言えば、コンサルティングは事業領域を広く、そして、経営層を見ることで、どこでも汎用性高く、通用する力を見つけられる、そんな風に考えている人が多い。しかし、実態としては、コンサルタントは実務とはまったく異なるということがこの本から読み取れる。
南場氏は、そのことについてこんな風に述べている。
“マッキンゼーで働いていたときの私と、今の私は“別人”なんですよ。マッキンゼーを辞めたあとに、学んだことはたくさんあります。しかも自分の経験や失敗から学んできました。なにが一番違うかというと、アドバイザーとリーダーという立場ですね。アドバイザーというのはどんなときでも当事者ではないので、冷静に客観的にアドバイスができる。
コンサルタントで短所としてよく挙げられる「当事者意識の欠如」について話しています。コンサルは、客観的に冷静なアドバイスを求められるのが仕事であり、企業にとってのブレインとしての役割を求められます。
一方、リーダーは、客観的に物事を見ることができません。ものすごい重責の中で、正しい意思決定をしていかなければいけません。それができないと、ボクサーがリングに立てないようなもの。起業して間もないころ、私はリングに立てない状態でした。当事者になってみるとものすごく怖かったですし、ひとつひとつの出来事に対して、足が震えていたんですよ。
それまでの私はクライアントに偉そなことを言ってきました。「こうするべき」「ああするべき」といった感じで。アドバイザーとリーダーというのは、立っている土俵が違うんですよね。なので、マッキンゼーで学んだことを、生かすことができなかった。まぁ、マッキンゼーで間違いなく培われたものは何かという質問に対しては、<論理的思考><とことん仕事をする>その二点に尽きますね。”
自分がアドバイスの立場からリーダーになった経験をこのようの述べています。コンサルになれたら最強になれるみたいなイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実はコンサルと実業はまったく違うんだという事実を伝えています。
最後に
DeNAなんて、マッキンゼーでパートナーにまで上り詰めていた南場氏が創業したんだから、順風満帆な事業展開に決まっているという予想とは異なり、相当苦しい時期を経て、現在のDeNAの姿があるみたいです。気になる方は、是非一読してください。
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