強みは製造業だけではない。
日系コンサルティングファームに広がる知られざる可能性

社員インタビュー
株式会社日本能率協会コンサルティング

スピーカー

日本能率協会コンサルティング

井上 文那

Ayana Inoue

横浜国立大学卒。教育人間科学部 人間文化課程。2018年4月に新卒入社。現在は経営コンサルティング事業本部 顧客価値・サービス生産性革新センターで、主に営業・マーケティングに関わるコンサルティングに従事。

鈴木 雄大

Yudai Suzuki

東京大学大学院卒。薬学系研究科薬科学選考(博士課程)。2019年7月に中途入社。前職は大手製薬会社の研究職を、約3カ年経験。現在はR&D コンサルティング事業本部 技術戦略センターに所属し、主に研究・開発に関わるコンサルティングを担う。

水村 千慧

Chisato Mizumura

早稲田大学大学院卒。法学研究科 公法学専攻。2019年4月に新卒入社。前記仮配属は経営コンサルティング事業本部 顧客価値・サービス生産性革新センター。現在はラーニングコンサルティング事業本部 HRM革新センターに後期仮配属。

柳沼 草介

Sousuke Yaginuma

東京大学大学院卒。農学生命科学研究科・環境生物学専攻。2017年4月に新卒入社。現在は生産コンサルティング事業本部 プロダクションデザイン革新センターに所属。また、学生時代から農業への関心が高くアグリ研究会にも所属。

         
  

80年近い歴史を誇る日系コンサルティングファーム、日本能率協会コンサルティング(以下、JMAC)。製造業に強いというイメージがあるが、サービス業や農業など幅広い分野のコンサルティングを手がけている。今回は様々なバックグラウンドを持つ4人の若手社員のインタビューから、”JMAC”に広がる知られざる可能性を紐解く。

 

様々なバックグラウンドからJMACに入社した若手の選択

——まず初めに皆さんが学生時代に取り組まれていたこと、そしてJMACへ入社する意思決定をした経緯や背景について教えてください。

 

 井上 正直、初めはコンサルタント志望ではなかったんです。大学で国際協力を学んでいたので、商社や航空会社の企画職など、海外と関わる職種を中心に就活していたのですが、話を聞いているうちに「自分にはフィットしないかもしれない」と思うようになりました。その最大の理由は、一つのテーマに縛られてしまうことへの懸念でした。商社に入れば海外との取引に関わることができますが、決まった商材だけをやり続けたいわけではないことに気づいたんです。そんな中、JMACの話を聞いて「扱うテーマの幅が広く、関わる人や業界の多様性もあって面白い企業だな」と感じました。私の中では一緒に働く人や人間関係も重視したいポイントだったのですが、ワークショップに参加した際の、優しく、厳しく、真摯に向き合ってくれる社員の姿が印象的で、JMACに入社することを決めました。



 鈴木 JMACには新卒で入社した製薬会社を辞めて中途で入ったのですが、若手だけでなく年次が上の方も同じくらいやる気に満ちている感じがします。皆さん日本のために何かを成し遂げたいとか、お客様のために何かをしたいという想いを持っているので、一緒に働いていて楽しいですし、刺激を受けることが多いです。


大学時代は有機化学分野の研究をしていて、修士・博士を経て製薬業界に入りました。親が薬剤師だったこともあり、新卒では製薬業界に入ることしか考えていませんでした。それなのになぜ製薬会社を辞めてJMACに入ったのかというと、研究する中で「日本の研究は優れているのに、ビジネスに繋がっていない」ということを痛感したからです。そこで転職を考えたのですが、製薬業界×研究に絞ってしまうと選択肢が狭まってしまうので、製薬と研究のどちらに軸足を置きたいのかを考え、研究軸が強いことに気づきました。


そこから様々な企業を調べる中で、JMACが研究開発に強いコンサルティングファームだと知り、転職先の候補にあがってきました。また一つのプロジ ェクトに携わる人数が少ないという点も、若手が裁量を持って取り組めそうだと感じた部分です。すぐにやりたい領域に携わることができ、「ビジネスを通じて日本の産業界の発展に貢献していきたい」という想いを形にできそうだと感じたので、JMACに入社しました。現在はR&Dの部門で、クライアント企業の研究開発部門を支援するコンサルティングを行なっています。


 

 柳沼 私は元々農業全般に関心があり、農学部で稲の根っこの角度の研究をしていました。学部4年生から大学院卒業まで3年間、研究を通して感じたのは「日本の農業課題に直結する研究テーマが少ない」ということです。もちろん研究視点でアプローチしていくことは大事ですが、ビジネス視点で農業現場の改善・改革を推し進めていくことも必要だと考えるようになり、官公庁の他にも、商社や農業資材メーカー、飲食チェーンの食料調達部門など、農業に関連する企業の選考を幅広く受けていました。


  


   

JMACのことは、たまたま訪れた農業系の展示会で知りました。JMACが小さなブースを出展していて、「現場で地道な改善にも取り組んでいそうなコンサルティングファームだな」とい う印象を受けたのを覚えています。その後選考に進み、JMACのアグリプロジェクトのリーダーを務める方と話した際も「農業生産者に寄り添ったプロジェクトを進めている」ということが伝わってきたので、JMACへの入社を決めました。


 水村 私は学生時代、大学院まで進み国際法を学んでいました。国と国や、国際社会での約束事を学んでいくうちに、世の中にある仕組みを変えることが世の中を良くすることに繋がると感じていました。そうして自分が仕組みを変えていく側に回りたいと思うようになったんです。また、トップダウンで何かを変えていくことは時間がかかり難しいことも多いので、ボトムアップで変化をもたらしていきたいという考えに至り、公務員やNGOではなく民間のコンサルティング会社に行こうと考えました。

 

自らの意志で領域を選び、早くから希望する分野に携わる

――柳沼さんと鈴木さんは、入社前から取り組みたい領域が明確だったと思いますが、早くから希望する領域に携わることができたのでしょうか?

 大谷 「コンサルティング業界はブラック」というイメージは、たしかに長い間定着していたと思いますが、私たちが実際に出会う学生たちから「すごく忙しいんですよね?」といった不安げな質問をされるケースは減ってきています。

  

 柳沼 現在入社3年目ですが、製造業のプロジェクトと農業関連のプロジェクトの両方に携わっています。JMACは伝統的に製造業に強みがあるので、意図して両方のプロジェクトの割合を半々くらいにしてもらっています。製造業と農業は全く異なる分野だと思うかもしれませんが、製造業のコンサルティングで用いられる経営改善の手法をしっかりと学ぶことで、農業にも十分に応用することができ、活かせることは多いです。例えば、農作物を収穫した後の加工や調整作業において、製造業のコンサルティングで行われるレイアウトや作業の分析手法を用いることで、農業現場の生産性を向上させていくことができます。


 鈴木 私は研究開発に関わる部門を志望して中途で入社したので、初めから希望の領域に携わっています。ただ事業部の中でも扱っている案件の種類は豊富なので、自分が「こういうことをやりたい」と言えば、希望が通ることが多いですね。プロジェクトアサインの方法は事業部によって多少異なります。私の事業部では毎月の全体ミーティングの場で若手の活動状況が報告されるので、その時にメンバーを必要としているプロジェクトがあり、自らの業務に余裕があれば自由に手を挙げることができます。また「将来的にどんなことをやりたいのか」「それに対してこれまでの自分の経験でどれくらいカバーできるのか」「不足している経験は何なのか」ということについて、上司と話し合う機会が年に1~2回あります。


    

――水村さんと井上さんは、自分が携わる領域をどのように絞り込んでいったのでしょうか?

 水村 新卒社員は1年目に基礎的な研修を経て、自分が希望する2つの部門を4ヶ月ずつ経験できます。私は世の中の人々が幸せに暮らせる社会を創りたいという想いが強く、人にフォーカスした領域に携わりたいと考えていたので、1つは人事領域を担う部門と決めていました。各部門の話を聞いているうちにどれも魅力的に思えてきて、もう1つを決めるのに悩んだのですが、お客様のお客様に焦点を当てて、施策を実行し、企業課題を解決していくというアプローチに興味を持ち、営業・マーケティングに関するコンサルティングを行う「顧客価値・サービス生産性革新センター」(CSセンター)を選びました。コンサルティングは基本的に、自分たちのお客様のことだけを考える仕事だと思っていたのですが、その先のお客様のことまでを考えて、変えていくことができるのは新鮮でしたね。お客様の業種は幅広く、製造業もあれば、サービス業もあります。中にはロケット開発の会社もあり、驚きましたね。本配属先はこれから決めるタイミングです。



 井上 入社2年目から本配属となります。1年目の1月末に、育成を担うコンサルタントアカデミーの運営責任者と個別面談を行い、最終的には経営会議の場で意思決定がなされます。社内には5つの本部があるのですが、不思議なことに自然と配属希望がバラけるので、9割9分は本人の意向が通ると聞いています。私も1年目に2つの部門を経験し、自らの希望通りに今年度からCSセンターで働いています。お客様のお客様のことを真に考え続け、それを通じて会社を変革していきたいという先輩方の想いに深く共感しましたし、それを実現できるコンサルタントになりたいと思い、CSセンターを選びました。日常の何気ない体験でさえ、一人のお客様としての体験であり、それを仕事に繋げられることに日々面白さを感じています。


 

プロフェッショナルとしての責任感がJMACらしさを育む

——若手社員から見たJMACについて、入社前・入社後の印象を率直にお聞かせください。

 鈴木 正直、新卒の時はJMACのことを知りませんでしたが、製薬業界から転職する際に研究開発に強みを持つコンサルティングファームを調べていくなかで辿り着きました。調べてみてわかりましたが、JMACほど技術を深く知ってコンサルティングをしている企業は他にはないですね。

 

 柳沼 入社前はかなり現場寄りの泥くさいことまで手がけるコンサルティングをしているイメージだったのですが、実際にその通りでしたね。展示会で出会わなければ知る由もない会社でしたが、泥くさくても農業現場の成果につながることをやりたくて選んだ会社なので、出会えて良かったなと思っています。

  

 水村 「生涯コンサルタントをやるぞ!」という気概を持った方が多いですね。中途入社の方も多くいて、皆さん様々な経験やバッ クグラウンドがあり刺激を受けま す。その中でもメーカーからJMACに転職される方の割合が高く、メーカーでの実務経験の中で抱いた問題意識をコンサルティングで変えていきたいという熱い想いはよく耳にしますね。

    

 井上 人柄でいうと、朗らかだけど内には熱い想いを秘めていて、仕事にも指導にも熱心な社員が多いです。上下関係というより は、1コンサルタントとして見られ るので、「そういうのはあまり気にしなくていい」と言われたりするのは意外だったかもしれませんね。

     

 またプロジェクトベースで動き、案件によって働く時間や場所、チームやメンバー、働き方まで変わるので、会社っぽくないところがありま す。一人ひとりがプロフェッショナルとして納期迄にアウトプットするということ以外、あまり制限がなく任されている感じです。この組織風土は昔から変わらないみたいですが、一方で責任感を強く持っていないと上手くいかないと思います。

    

 その分、若手に対してやりたいことを後押ししてくれる環境が備わっています。例えば私が所属するCSセンターでは、研究会のなかで海外の 事例から学ぶ場を設けているので すが、実際にトロントとシアトルまで行き、サービスデザインのカンファレンスに参加する機会をもらいました。新しいことにスピード感をもって挑戦するために、事業部ごとに活性化投資予算というのがあって、そうした取り組みは事業本部長の決裁で進めることができます。

 

JMACの強みを活かし、幅広い領域で価値を提供する

——今後より一層生産性への関心が高まっていくと思いますが、コンサルティングを通じて、世の中にどのような価値提供をしていきたいと考えていますか。

 鈴木 最近は製薬業界においてもベンチャー企業を買収する動きが増えてきているので、研究開発部門は何も生み出さないコストセンターだと捉えられてしまうことがあります。場合によっては部門ごと切り離されてしまう可能性もあるので、業界でそうした危機感は徐々に高まっているのではないでしょうか。そもそも研究開発は、スタートする時点でゴールが決まっているわけではありません。それ自体が問題ではなく、どこがゴールか定まらない状態のまま、研究開発に多額の投資を続けているところに問題があります。ですからそこに私たちのようなコンサルタントが介在し、早い段階で顧客への価値提供を考えながら、研究開発に集中できる環境を整えていければと考えています。JMACが得意とする研究開発に深く入り込んでいくコンサルティングは、そのために必要不可欠です。

    

 柳沼 同じように農業を取り巻く事業環境も大きく変化していますので、事業者は変わらざるをえない状況にあります。最近は農業の 生産性を高めるためのサービスが増えていますが、私たちのようなコンサルタントが間に入りそれらを現場に実装することで、より経営効率をあげていくことが可能です。そうした農業生産者の方に寄り添うコンサルティングを一つひとつ手がけていきたいです。また農業機械のシェアリングなど、新しいビジネスや農業の新たなカタチを模索していきたいという想いもあります。様々なところでチャレンジが増えている領域なので、そうしたチャレンジが成功に繋がるように支援出来る人でありたいですね。


    

 井上 サービス業もまたAI化や自動化が加速し、利便性を重視する方向にシフトしてきている面もあって、リアルな店舗数というのは 減少傾向にあります。その中でも人にしかできないことはこれからも残り続けるでしょう。デジタル化が進めば進むほど、「人と人との繋がりを大事にして、顧客にどのような体験をしてもらうのか」といったリアルな体験が重要になっていくと思います。そういう部分で貢献できるようなコンサルタントになりたいです。

    

 水村 生産性の向上は「10ある業務を9に、9ある業務を8に」というように、少しずつ改善を積み重ねていくイメージがあると思いま す。私はこれから携わる領域を決めていく段階ですが、まずはコンサルタントとしてできる改善を着実に積み上げて、生産性向上に寄与する人材になりたいです。その先に、抜本的な改革を推し進めることで「10を1にする」コンサルティングを手がけていければと思います。


 

コンサルタントとして「何を成し遂げたいか」に向き合う

——最後に、コンサルタントを志す学生に向けてメッセージをお願いします。

 井上 早くから就活を始めるのももちろん良いと思いますが、自分のキャリアの選択肢を狭め過ぎずに、「自分は何が好きなのか」「本当は何をしたいのか」「自分はこういう感じ方をするんだ」ということを理解するのは大事です。人生においてそういうことに向き合う機会はあまり多くありません。もし早い時点でやりたいことを絞り込んでいるのであれば、あえて意識的に色々な経験をして貰いたいですね。その時に経験したことや考えたことは、社会人になってからも意外と聞かれることがありますし、仕事をする中で自分を表現するための話のネタにもなります。

    

 柳沼 今は製造業へのコンサルティングを応用しながら、農業現場の課題解決に取り組んでいますが、今後はより踏み込んで「栽培技 術」や「流通」などにも領域を広げていきたいです。その先に独自の農業分野のコンサルティングモデルを作っていければと考えていますし、まだまだ可能性のある領域は他にもたくさんあるのではないでしょうか。私の場合やりたい分野は決まっていましたが、コンサルティングファームで農業に関わることができるとは知りませんでした。むしろコンサルティングに対して「外部から提言するだけ」「ペーパーを提出して終わり」というような勝手なイメージを抱いていましたが、そんなことはありません。

    

 鈴木 コンサルティングファームに入るなら外資がいいとか、戦略系がいいとか、偏ったイメージで決めるのはもったいないですね。 もう少し俯瞰的に考えて、自分は「何をしたいのか」「どういう人と働きたいのか」「どういう働き方をしたいのか」という点も含めて考えてみるべきです。私が製薬業界から転職した際は、そこを重視していました。その結果、最初は名前も知らなかったJMACで、自分がやりたい領域に携わることができています。


    

 水村 JMACは先輩の面倒見が良く、助けを求めた時には手を差し伸べてくれる会社です。もし携わりたい領域がまだ明確になっていな くても、様々な経験をさせてもらえる環境があるので、入社してから領域を決めていくことができます。とはいえ、どのような局面においても「自分で考えて決めること」は大切です。周りに全く意見を求めないということではありませんが、JMACにいる人は「自分はこういう考え方を持っている」と流されない人ばかりです。自分の信念を持ち、何かを成し遂げたいという想いを強く持ち続けられる人が集まっているので、10年以上に亘り長くコンサルティングを続ける人が多いのだと思います。

  

JMACインタビューコンテンツ

日本のものづくりを支えてきた、80年近くの歴史あるコンサルティングファーム
役職の優劣なく、全員が「生涯現役」「現場主義」
「日本流マネジメント手法」を軸にしたグローバル展開
日系ファームの方が、海外の「現場」でグローバルを学びやすい
「日本を盛り上げる」という志を1つにした「個性派集団」こそがJMAC
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