【外銀・外コン志望者必見!】企業分析入門その⑤ ~3C分析編~

今までの記事で企業の運営の様子や成長率・安定性の指標などを見てきました。

今度は、もう少しマクロな視点で市場・業界に目を向けてみましょう。その手段として、今回はコンサルの主力武器、フレームワークについて解説していきます。ここでは、3C分析を紹介しようと思います。一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

3C分析

3C分析とは、分析するべき対象の頭文字を取った分析手法です。3つの Cとは「Customer」「Competitor」「Company」であり、それぞれ顧客、競合企業、自社分析を行っていくことになります。使われ時としては、戦略を立案する時に使われることが多いです。

3つに分けたはいいが、どのような手順で分析を進めるのか?色々なやり方があるでしょうし固定化するべきでもないと思いますが、一例として筆者が就活で常用してきた以下の手順を挙げます(個人的にこれは中々効きます。みなさんも練習していく中で自分のスタイルを磨いてみてください)。

 

手順1Customerを明確にする

まず顧客層のセグメンテーションを行いましょう。どうセグメンテーションするか?年齢・性別・年収などさまざまな軸が有りますが、一つのコツは「その商品を買うか買わないかを決定しうる要因」で切ることです。まぁこれも当たり前といえば当たり前ですが。たとえば化粧品なら性別で分けるし、おもちゃなら年齢で分けます。この切り方をすると未開拓層が浮き彫りになります。すなわち、新たな売り込み先を見つけることができる可能性があるのです。もちろん未開拓層を狙うのが常に正しいわけではなく、これ以外にセグメンテーションのやりようはいかにでもあるので柔軟に切ってみてください。たとえば母集団を全体ではなく現状売れている複数の層に限定して比較的弱い所を補強するとかさらに分解能を上げていくなどさまざまなアプローチが考えられます。

ともあれ、顧客層を特定したら次はその顧客の求めているものは何かについて明確にしておきましょう。このステップを抜かしてしまう人が多いのですが必須です。もちろん、顕在化された需要だけでなく消費者が気づいてないような潜在的な需要もあるので、そういったものまで含めてもれなく、その顧客層になったつもりでユーザー心理を分析し、何を求めているか明らかにしましょう。

 

手順2 Competitorとそのサービスを考える

狙う顧客層とその需要を特定できたら、その層に現状アプローチしている競合他社について考えてみましょう。たとえばコンビニの経営戦略を考えているとして、顧客層が「授業終わりに宅飲みでもするか~」という需要を抱えた大学生だとしましょう。とすると競合他社は居酒屋やスーパー・酒屋などと考えられます。ちなみに、顧客層が「小腹がすいたな~」という需要を抱えている女子高生なら競合他社はマック・ミスドまたはカフェなどになるでしょう。このように、狙う顧客がどの層かによって競合他社も変わってくるという点には注意しましょう。競合の絞込みについては次回でも詳しく述べています。

次にその競合他社がどのような戦略でどのようなサービスを提供しているかを明らかにし、その強みを分析しましょう。なぜ消費者はそのサービスを選んでいるのか?同じ競合でも、各自提供している価値は異なっているはずです。たとえばスーパーなら安さと品揃え、居酒屋なら団欒できる場所の提供という価値を提供しているでしょう。

 

 

手順3 他社ができないことを実施する(Company)

ここまで分析が進めばだいぶ状況が絞れてきているはずです。後は現状競合が目をつけていない顧客・価値の形態に対して自社の強みを活かしてどのようにアプローチしていくかを考えていきます。ここで自社の強みを活かす視点を忘れないようにしましょう。たとえば分析を進めた結果、低価格でアプローチすることが有力な戦略として浮かび上がってきても、高級ブランドを強みにしている企業に低価格アプローチは難しいでしょう。換言するなら、戦略のインパクトだけでなく実現可能性の視点を忘れないようにしましょう。

とはいえ、もちろん自社の強みにしがみつきすぎるのもいけません。資本金が十分あって、本当に自社の強みを活かした戦略が存在しないもしくは自社の強みとは関係ないが非常にインパクトが高い戦略があるというなら、その戦略を選択すべきです。少ないですがこういうこともあるでしょう。この可能性も常に頭に入れておいてください。

 

このように3C分析は戦略立案の際に思考を整理してくれる有用なツールといえます。こうしてみると非常にシンプルというか、当たり前の作業をやっているだけなのですが、このようにフレームワークとして定式化しておくと思考が整理され便利です。