【外銀・外コン志望者必見!】企業分析入門その③ ~B/S編~

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B/S(貸借対照表)とは何か?

まずB/Sの定義は、「企業のある時点での財務状況をあらわす表」です。したがってこれはストック(ある時点でどれだけの量が存在するか)の概念です。財務状況とは、どれだけ財産が有りどれだけ借金があるのかといった情報の総体です。

では財務状況はどのようにして表現されているのでしょうか。ここでも会計用語の定義を見ることから理解を進めましょう。

資産

資産とは、企業が運用することができる財産のすべてです。使いみちによって流動資産固定資産の2つに分類できます。これらの定義と具体例を挙げますので、イメージを掴んでください。

  • 流動資産の定義:決算日から一年以内に、現金化できる資産。
  • 具体例:現金、預金、受け取り手形など
  • 固定資産の定義:一年を超えて保有する資産。物体は有形資産、目に見えない法律上の権利は無形資産。
  • 具体例:有形固定資産→建物、備品、車両運搬具、土地 無形固定資産:営業権、特許権、借地権 など

イメージは掴めたでしょうか。企業が使用できるあらゆる財産が網羅的にここには示されているのです。

ところで、一般に市場において財産はどうやって手に入れるものでしょうか。自分のお金で手に入れるか、他人のお金で手に入れるかのどちらかですよね。当たり前です。これを企業に当てはめてみましょう。企業の持ち主は誰かというと、株主ですね(ほとんどの会社が株式会社です)。したがって、自分のお金=株主の出資したお金であり、これを純資産と言います。ちなみに、昔は資本と呼ばれていましたが、2005年に純資産と改名されました。そして、他人(銀行など)に借りたお金は借金であり、これを負債と言います。このように、資金の調達先は二種類ありますね。以下ではこの2つについて見ていきましょう。

純資産(資本)

前述のように、株主が出資したお金の総額です。すなわち最終的に会社の所有者に権利が帰属するお金のことです。したがって会社が自らの企業活動の結果蓄積された利益はここに足されてゆきます。よって純資産の中身は、最初に出した自分のお金+事業をはじめて自分で稼いだお金、というざっくりとした理解で結構です。

純資産には株主資本とそれ以外があります。株主資本以外には評価・換算差額などがありますが大抵は額が低く重要度が低いので省略します。ほとんど純資産=株主資本と考えてもらって結構です。さらに株主資本は資本金利益剰余金、資本剰余金の3つに部分に分けることができます。資本金は株主が会社設立時または増資(新株発行)の時に出資したお金のことです。もちろん、設立時から企業は事業を行うことでどんどんお金を増やしていきますよね。この増えた部分を剰余金と呼びます。利益剰余金は本業の営業活動の成果であり、資本剰余金は株主資本から利益剰余金を引いた残りです(資本金の仲間だと考えてもらって結構です)。

負債

銀行などから借りたお金が負債です。これは純資産と違い、自分のお金ではないので返済義務があります。負債は流動負債と固定負債の2つに分けることができます。流動負債は1年以内に返すべき負債、それ以上の長期の負債が固定負債と考えてください。流動負債には仕入れ債務、固定負債には社債などがあります。なぜ一年で分けるかというと、会計期間が通常は一年だからです。P/Lとの連動性を意識した分け方なのですね。

 

B/Sはどのように活かせるか?

たとえば負債と純資産に目を向けてみましょう。純資産が多ければ多いほど健全な会社であると判断することができます。なぜなら、自分のお金で運営している会社ほど倒産のリスクが低いなど健全な状態であると判断できるからです。借金まみれの会社に投資したくはないですよね。どれだけを自己資本でまかなえているかを示す指標として自己資本比率というものがあり、頻出です。自己資本比率が40%あれば、当面倒産の心配はいらないといわれています。最低ラインは自己資本比率は30%以上が目安で、50%を超えていればかなり財務的に安全性が高いといえます。とはいえ、業種によってこの基準は変わるのでその都度確認しておきましょう。

では、今度は負債と資産に目を転じてみましょう。先ほど流動負債と固定負債があることを確認しましたね。これによって何が分かるか?実は、企業の資金繰りがうまくいきそうかどうかを予測することができます。上にも書きましたが、流動負債は1年以内に返さねばならないものです。対して、資産にも流動資産と固定資産があり、これらはそれぞれ1年以内に換金できるかどうかで分類されています。たとえば、流動負債がかなり多いのに流動資産が非常に少ないとどうなることが予想されるでしょうか。そうですね、その会計期間では資金が足りないことになってしまいます。不要な固定資産を売却して現金化したり短期の借入金で対応したり増資して資本金を増やしたりして対応する必要が生じますね。いずれにしても短期の負債を返済する為に経営者は資金繰りに走り回らなければなりません。これを見るのが一年の支払能力の指標、流動比率です。流動比率=流動資産÷流動負債×100で算出されます。一般的には150~200%あるのがよいとされていますが、企業の業種によって基準は変わります。

 

いかがでしたか?B/Sについて理解すると企業の成績を見て取ることができますね。是非ケース面接やジョブ選考、または株式投資などさまざまな場面で使うことができるので応用してみてください。次回はC/Fについて見ていきましょう。

※本ページに記載している情報はFactLogicが独自にリサーチ、または各種メディアから収集したものであり、企業が公表している情報ではない場合があります。

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