【内定者直伝】実況付きで学ぶフェルミ推定

【内定者直伝】面接を再現したフェルミ推定の例題と対策

「日本にあるガソリンスタンドの数はいくつか?」 フェルミ推定というテクニックを用いれば、こんな問題にも答えられるようになります。

このページでは、コンサルの就職試験でほぼ必ず出題される「フェルミ推定」の問題について、例題を使いながら解説をします。有名外資コンサル内定者による、面接本番でのフェルミ推定を再現した例題も用意しました。この記事を読んだ10分後には、フェルミ推定の例題の解き方が身についているため、他の例題を解きたくなっているはずです!!

(なお、この記事は例題を用いてフェルミ推定を解説しているため、じっくりと時間をかけて読んでもらうことを想定しています。フェルミ推定が出来るための訓練方法について「ザックリ」と知りたい!という人は、『フェルミ推定やケース問題が出来るようになる方法は?』という記事を見てください。3分で読める文量で、オススメ本やセミナーなどを紹介しているお手軽な記事です)

 

それでは、フェルミ推定について説明していきましょう。

 

フェルミ推定とは

 

フェルミ推定とは、調査することが難しい量を[例:年間のパンの消費量、日本に存在するネクタイの数]などの数値を、いくつかの手がかりを元に論理的に推測して、短時間で概算することを指します。フェルミ推定という名前は、物理学者のエンリコ・フェルミ氏がこの手の計算が得意であったことに由来します。

フェルミ推定では、基本的に四則演算を行うことが求められます。そのため、難しい数学知識はフェルミ推定においては不要であり、慣れれば小学生でも出来るようになります。とはいえ、フェルミ推定を行うにはいくつかの前提知識も必要になってきます。例えば、先ほど例題で挙げた「日本に存在するネクタイの数」をフェルミ推定で求めるためには、「日本人の人口」「ネクタイとはそもそも何か」「ネクタイをする人はどんな人か」といった基本的な情報が最低限必要になります。フェルミ推定それ自体は簡単な四則演算の組み合わせですが、「どんな数を足したり引いたりしていけば良いのか?」という点については、例題に対する前提知識に影響を受けるでしょう。

 

なぜ必要なのか、求められている能力は何か

コンサルティング業務では、論理的な思考力考え続ける忍耐力クリエイティブさ、コミュニケーション能力、の4つが求められます。フェルミ推定では、一見解決が不可能に見える課題に対して、自分の独自の経験や分析から新しい軸を設定して、相手を納得させる過程を踏んだ推測を考え続ける必要があるので、コンサルタントの適性を測るのにふさわしいのです。

また、ファームにもよりますが、フェルミ推定をする際には面接官の方とのやり取りが起こるので、その際はコミュニケーション能力が問われていることを意識しましょう。出題されたフェルミ推定問題の意図を読み取り、わからないところは質問する、あるいは自分の解答に足りない部分を指摘されたら、それを受け入れて改善する必要があります。

まとめると、コンサルティングファームで求められる論理性思考の忍耐力創造性コミュニケーション能力を意識して、フェルミ推定が課される選考に望みましょう。

 

解法

前章で指摘した意識して欲しい4つのことを頭に入れつつ、選考通過のためフェルミ推定解法の5ステップをお伝えします。

 

1. 問題の論点をつかむ。

まず、ケースの市場規模が、何を軸にして聞いているのか考えることが重要です。(1)人口(2)個人(3)世帯(4)特殊の4つ で分けることが多いです。それでは、それぞれのケースを解説していきます。

(1) 1つ目の人口ケースなら、スーパーの数や小学校の数といった人口当たりでいくつあるかといった問題は、このケースに該当します。

(2) 2つ目の個人ケースは、年間のスカートの売上やスマートフォンの売上などの個人の性別や年齢による問題は、このケースに該当します。

(3) 3つ目の世帯ケースは、電子レンジの数や掃除機の数など1件の家や部屋当たりにいくつかの問題は、このケースに該当します。

(4) 4つ目の特殊ケースは、上記3つ以外のケースを指し、例えばボーイング747の総重量はどのくらいかといった問題は、このケースに該当します。

それでは、練習問題として4つのフェルミ推定の例題を用意するので、それがどの分類に当たるか考えてください。まず答えを見ないで、5分で考えてください。

例題1 「日本では、何本のジーンズが売れているか?」

例題2 「スカイツリーの総工費はいくらか?」

例題3 「日本のコンビニエンスストアはいくつあるか?」

例題4 「日本では、毎年何個の冷蔵庫が売れているか?」

 

 

 

 

 

 

 

皆さん、解けましたでしょうか。それでは、早速答え合わせをしましょう。

例題1は、「個人」のケースです。なぜなら、男か女か、年齢はいくつかなどの、個人の情報で分類する必要があるからです。

例題2は、「特殊」のケースです。なぜなら、他の3つでは説明できないケースだからです。これは筆者が実際に出題されたケースで、一瞬頭が真っ白になったことをよく覚えています。しかし、安心してください、このケースの出題頻度は低く、多くの場合はいくつかヒントが与えられます。

例題3は、「人口」のケースです。なぜなら、店舗を出店する際は多くの場合はその地域の人口によって決められるからです。例えば、このケースではそのまま進めれば、例えば、私が住んでいる町は人口2万人で8店舗のコンビニがあります。そうすると、人口2500人当たり1店舗と計算できるため、その数で日本の総人口1億3千万人を割ると、52000店舗と言えます。[実際52650店舗でした]人口のケースは、比較的簡単なので、他のケースと混同しないようにしましょう。

例題4は、「世帯」のケースです。冷蔵庫は、各部屋や家に1台あることが一般的ですので、1つの世帯あたりに1つあることが妥当でしょう。

まずは、これら4つの中から、論点を選んだ上で進めれば、途中で詰まる可能性も低くなるでしょう。

 

2. 公式を作る

この段階では、 後で細かく分解するので、最初はざっくりした形で良いので、これが出れば答えが出る!と思われる式を作ることが重要です。例題1のケースでは年間平均売上枚数×人数、例題4のケースでは年間平均購買数×世帯数を求めれば、答えが出ます。

 

3. 変数を考える

先ほどざっくりと作った公式を、そのあとの数字を入れる時にその作業が簡単になるように、論点に影響を与える変数を考えて、要素に分解、場合分けをしていきます。

例題1のケース(日本では、何本のジーンズが売れているか?)では[人口×購入頻度]いう式が導き出されました。それでは、この式を場合分けしていきましょう。

ジーンズを履くか履かないかは、年齢や性別が影響を与えると考えます。そうすると、例えば、0~3歳はまだジーンズを履くような年齢ではないので、4~80歳を対象にして、さらにそれを嗜好や性別でセグメントしていきます。その中でも、男性は、活発な若い時は着やすく丈夫なジーンズが重宝されると考えられるので、女性よりも多く購入すると仮定できます。

このように要素を分解して考えてきましたが、分解して思考をする際にはロジックツリーと呼ばれる思考ツールが便利です(ロジックツリーについては、『思考のツール、ロジックツリーとはどういうものか』というページが非常にわかりやすいので参考にしてください。) ロジックツリーは、思考を明確にするコンサルタント必須のツールです。後ほど「戦略的にメモする」という項目でも述べますが 、最初はバラバラに出した要素や原因も、最終的にロジックツリーに整理しておくことで、途中で詰まった時や、発表する時、またはそのあとの面接官の方とのやり取りの時に、自分の思考過程を再点検して、迅速に修正することが出来ます。

 

4. 数値を入れる

数値を入れる際には、厳密さは求めすぎず、自分の知識や経験から、大まかな数字を見つけることに注意してください。また、後に計算がしやすいような数字を入れておくことも重要です。

 

5. 計算

あとは、場合分けごとに、平均購買数×人数で計算していきます。

また、計算のコツとして、細かな数字は四捨五入することで、途中からの計算を省くだけではなく、合計の計算がしやすいようにすることができます。面接官は、正確な数字ではなく、思考過程を評価したいので、適宜計算しやすい数字に設定することで計算の手間を省くことも大事です。

 

小技その1:戦略的にメモを取れ。

面接官とのやり取りは、フェルミ推定を行うためのヒントの宝庫なので逐一メモをしましょう。また、メモの時は図や表で、自分の考え方をまとめておけば、後で面接官に計算の過程を説明する際に便利です。

 

小技その2:時間配分を考えろ

最初に、6つのステップごとに、どのくらいフェルミ推定に時間をかけるか計算しておきましょう。演習を通じて、自分が苦手なステップはなるべく時間を多く配分し、一方で得意なステップは時間配分を抑えれば、自分なりのメリハリがある時間配分が出来るため、時間切れを防ぐことが出来ます。

 

面接での実際の流れ…

それでは、実際の面接の流れに沿って、フェルミ推定がどのように実施されるかを、面接官と学生のやり取りを通して、疑似体験してみましょう。

学生「失礼します。」

面接官「どうぞ。」

学生はさっと会釈を終えて、席に座る。

学生「お忙しい中、お疲れ様です。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。」

面接官「こちらこそ、よろしくお願いします。それでは、まず自己紹介してください。」

学生「私は~~大学経済学部の…」

学生は準備していた自己紹介をさっと言い終えて、それについての応答を何分か続けた。

面接官「ありがとうございました。次は、君の地頭の良さを確かめるために、1つ問題を出題するね。このメモ用紙とペンは自由に使っていいよ。」

学生「はい。」

面接官「日本で毎年自動車が何台売れているか、推定してみて。5分あげるね。あと、最後に発表してもらうから、その準備もしといてね。」

※多くの場合、最後に発表することになるので、発表がしやすいようにメモ用紙にロジックツリーでまとめておきましょう。

学生(まず、自動車は個人で購入するよりは、家族で購入する、つまり世帯で購入することが多いな。そうすると、この問題は、世帯ケースだ。次に、公式を考えると、世帯数×購入世帯の割合×購入世帯の年間購買数だろう。よしよし、良い感じだ。)

学生は、メモ用紙に、「世帯ケース、世帯数×購入世帯の割合×購入世帯の年間購買数」と書き記す。

学生(次は、世帯を分解していこう。たしか、都会の一人暮らしの兄ちゃんは、周りの友達は車を持っていないと言っていたな。一方で、田舎のおばあちゃんの周りは、買い物に車は必須と言っていたな。そうすると、地域で考えるのが良さそうだ。じゃあ、都心と郊外、田舎で分けられるな。)

 

さっと、ロジックツリーをメモ用紙に書き込む。

学生(あとは、数字を考えよう。まず世帯数だ。都心は1人世帯が多いから、総世帯数の50%、あとは田舎と郊外で各25%くらいだな。全世帯数は5000万戸だから、都心は2500万戸、田舎と郊外は各 だな。その中でも、車の所有者の割合は都心<郊外<田舎の順で大きくなるだろうな。都心は生活にいらない、郊外の人は車がなきゃ生活に不便、田舎は車がなきゃ買い物ができないから、購入世帯数は都心10%、郊外70%、田舎90%だな。よしよし、残りの購入世帯の年間購買数は、車の購買は地域問わず同じスパンで購入すると考えて、一律で10年に1回、車を買い替えるとしよう。)

メモ用紙に計算した数字を書き込んでいった。

※数字は急いでいるからと言って焦らず、必ず綺麗に書きおこう。筆者自身、最後に計算するときに、字が汚くて読めなくて、困った経験がある。

面接官「あと2分。」

学生(よし、あとは計算だ。平均購買数は0.1だから、計算すると…)

学生はメモ用紙に図と数字を書き入れて、計算していった。

学生(よし、できた!350万台だ。)

面接官「時間切れです。それでは、発表をよろしくお願いします。」

学生「はい、私はこの問題は…」

今まで考えてきた思考過程を、メモの図を用いて説明した。

面接官「お疲れさま。短い時間でよく出来ていたと思います。自動車業界は、経済的な要因の影響を大きく受けるので、あまり安定しませんが、年間大体260~280万台が相場ですかね。」

学生(よし!大体1.3の範囲内だから、大丈夫だな。)

※1.3倍以内が合格者の通過ラインとも言われている。

面接官「まあ、もう少し時間があったら、購買数の違いとかにも触れられたね。田舎の方は車がなきゃ買い物に行けない、一方で都心の方はなくても平気と言ってたでしょ?そうすると、車を利用する頻度が変わるから、一律に設定した年間平均購買数の0.1も変わってくるよね。また、所得という軸を足しても面白かったかもね。都心や郊外の富裕層と中間層で車の所有台数に違いがでそうだよね。」

学生「たしかに…」

面接官「まあ、全ての要素を短い時間で組み込むのは大変だから、何が一番変化を与える変数なのかをしっかり考えることが重要だよ。次は、頑張ってね!」

学生「はい!ありがとうございました。」

*制限時間によって、どのくらい要素を深ぼるかは考えておくべきです。

 

おまけ:覚えておきたい数値

 

[日本]

人口:12,000万人 平均寿命:80歳 世帯:5,000万戸 国土面積:38万平方キロメートル 給与所得者:4,500万人 平均年:440万円 フリーター人口:200 or 400万人 フリーター平均年:100万円 小学校の数:20,000校 中学校の数:10,000校 高校の数:5,000校専 修学校の数:5,000校 短期大学の数:500校 大学の数:750校 大企業の数:31万社 中企業の数:450万社 小企業の数:5,350万社 市の数:800箇所 町の数:750箇所 村の数:200箇所

 

[世界]

人口:66億人 地球の直径:12,000km 地球の円周:40,000km 地球の表面積:5億キロ平方メートル

 

最後に

フェルミ推定には正解がありません。自分なりの軸でどんどん問題の要素を分解していき、自分なりに数字を割り出すなど、「あなたの思考」で解いていくことが求められています。なぜなら、コンサルタントの仕事はその人の「思考」や「知恵」が武器になるため、面接官も皆さんなりの思考過程を見たいと考えています。

また、フェルミ推定は、コンサルタントで求められる頭の使い方が凝縮されていますので、ぜひとも、日々の生活の中でも訓練することを勧めます。

※本ページに記載している情報はFactLogicが独自にリサーチ、または各種メディアから収集したものであり、企業が公表している情報ではない場合があります。

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