戦略ファーム内定者直伝、選考通過のためのフェルミ推定対策【例題の実況解説と NGパターン付き】

【内定者直伝】面接を再現したフェルミ推定の例題と対策

このページでは、コンサル就活の選考で必ずと言っていいほど出題される「フェルミ推定」の問題について、戦略ファーム内定者監修のもと解説します。選考を通過するために重要な内容を記載しているので、時間をかけて読んでください。
 

目次

 
企業ごとの対策・選考フローが知りたい方はこちら>コンサルティングファーム選考対策記事まとめ

 

1.フェルミ推定とは

フェルミ推定とは、調査することが難しい数値[例:年間のパンの消費量、日本に存在するネクタイの数]を、いくつかの手がかりを元に論理的に推測して、短時間で概算することを指します。フェルミ推定という名前は、物理学者のエンリコ・フェルミ氏がこの手の計算が得意であったことに由来します。

フェルミ推定では、基本的に四則演算を行うことが求められます。そのため、難しい数学知識はフェルミ推定においては不要であり、慣れれば小学生でもできるようになります。とはいえ、フェルミ推定を行うにはいくつかの前提知識も必要になってきます。たとえば、先ほど例題で挙げた「日本に存在するネクタイの数」をフェルミ推定で求めるためには、「日本人の人口」「ネクタイとはそもそも何か」「ネクタイをする人はどんな人か」といった基本的な情報が最低限必要になります。フェルミ推定それ自体は簡単な四則演算の組み合わせですが、「どんな数を足したり引いたりしていけば良いのか?」という点については、例題に対する前提知識に影響を受けるでしょう。

 

2.コンサル業界におけるフェルミ推定出題例

コンサルティングファームの選考では、フェルミ推定のみで出題されることは少なく、フェルミ推定とケース問題が同時に出題されることがほとんどです。具体的には、あるコーヒーショップの売り上げの推定(フェルミ推定)→コーヒーショップの売り上げ向上施策立案(ケース問題)といった形です。また、出題されるフェルミ推定の問題としては、ミクロ・マクロの売り上げ推定がほとんどです。以下に出題例を記載します。

【出題例】

    ミクロの売り上げ推定

  • あるコーヒーショップの売り上げ推定
  • ホームセンターの売り上げ推定
  • 豊島園の売り上げ推定
    マクロの売り上げ推定

  • マクドナルド全体の売り上げ推定
  • 日本における電子決済の取引額推定
  • 国内旅行の市場規模推定
  • シャーペンの市場規模推定

ケース面接についてはこちら
ケース面接で求められている能力とは
ケース面接を突破するための4ステップ

 

3.面接官の着眼点と評価基準とは

コンサルティング業務では、論理的な思考力、考え続ける忍耐力、クリエイティブさ、コミュニケーション能力、の4つが求められます。フェルミ推定では、一見解決が不可能に見える課題に対して、自分の独自の経験や分析から新しい軸を設定して、相手を納得させる過程を踏んだ推測を考え続ける必要があるので、コンサルタントの適性を測るのにふさわしいのです。

また、ファームにもよりますが、フェルミ推定をする際には面接官の方とのやり取りが起こるので、その際はコミュニケーション能力が問われていることを意識しましょう。出題されたフェルミ推定問題の意図を読み取り、わからないところは質問する、あるいは自分の解答に足りない部分を指摘されたら、それを受け入れて改善する必要があります。

まとめると、コンサルティングファームで求められる論理性、思考の忍耐力、創造性、コミュニケーション能力を面接官は評価しているため、上記の点に気をつけて選考に挑みましょう。

 

4.フェルミ推定の解法5ステップ

前章で指摘した意識して欲しい4つのことを頭に入れつつ、選考通過のためフェルミ推定解法の5ステップをお伝えします。

 

1. 問題の軸をつかむ

まず、出題されたフェルミ推定の問題が、何を軸にして聞いているのか考えることが重要です。(1)人口(2)個人(3)世帯(4)面積(5)需給(6)特殊の6つ で分けることが多いです。それでは、それぞれのケースを解説していきます。

(1) 1つ目の人口ケースは、スーパーの数や小学校の数といった人口当たりでいくつあるかといった問題です。

(2) 2つ目の個人ケースは、年間のスカートの売上やパソコンの売上などの個人の性質(性別や年齢や職業など)による問題です。

(3) 3つ目の世帯ケースは、電子レンジの数や掃除機の数など1件の家や部屋当たりにいくつかの問題です。

(4)4つ目の面積ケースは、東京都のマンホールの数など面積当たりにいくつあるかといった問題です。

(5)5つ目の需給ケースは、都内を走るタクシーの数や日本の旅館の数など需要と供給が釣り合っているという前提から解ける問題です。

(6) 4つ目の特殊ケースは、上記5つ以外のケースを指し、たとえばボーイング747の総重量はどのくらいかといった問題は、このケースに該当します。

 
それでは、練習問題として4つのフェルミ推定の例題を用意するので、それがどの分類に当たるか考えてください。まず答えを見ないで、5分で考えてください。

例題1 「日本では、何本のジーンズが売れているか?」

例題2 「スカイツリーの総工費はいくらか?」

例題3 「日本のコンビニエンスストアはいくつあるか?」

例題4 「日本では、毎年何個の冷蔵庫が売れているか?」

例題5 「東京都に電柱はいくつあるか?」

例題6 「シカゴにピアノ調律士は何人いるか?」

 
Thinking Time...

 
皆さん、解けましたでしょうか。それでは、早速答え合わせをしましょう。


クリックで答えを表示

 
これら6つの軸の中から、課された問題に対して最も適した軸を考えて選んだ上で回答を進めれば、途中で詰まる可能性も低くなり論理的な回答になるでしょう。

 

2. 公式を作る

この段階では、 後で細かく分解するので、最初はざっくりした形で良いので、これが出れば答えが出る!と思われる式を作ることが重要です。例題1のケースでは年間平均売上枚数×人数、例題4のケースでは年間平均購買数×世帯数を求めれば、答えが出ます。

 

3. 切り口を考える

先ほどざっくりと作った公式を、そのあとの数字を入れる時にその作業が簡単になるように、論点に影響を与える変数を考えて、要素に分解、場合分けをしていきます。

例題1のケース(日本では、何本のジーンズが売れているか?)では[人口×購入頻度]いう式が導き出されました。それでは、この式を場合分けしていきましょう。

ジーンズを履くか履かないかは、年齢や性別が影響を与えると考えます。そうすると、たとえば、0~3歳はまだジーンズを履くような年齢ではないので、4~80歳を対象にして、さらにそれを嗜好や性別でセグメントしていきます。その中でも、男性は、活発な若い時は着やすく丈夫なジーンズが重宝されると考えられるので、女性よりも多く購入すると仮定できます。

このように要素を分解して考えてきましたが、分解して思考をする際にはロジックツリーと呼ばれる思考ツールが便利です。ロジックツリーは、思考を明確にするコンサルタント必須のツールです。後ほど「戦略的にメモする」という項目でも述べますが 、最初はバラバラに出した要素や原因も、最終的にロジックツリーに整理しておくことで、途中で詰まった時や、発表する時、またはそのあとの面接官の方とのやり取りの時に、自分の思考過程を再点検して、迅速に修正することが出来ます。

 

4. 数値を入れる

数値を入れる際には、厳密さは求めすぎず、自分の知識や経験から、大まかな数字を見つけることに注意してください。また、後に計算がしやすいような数字を入れておくことも重要です。

おすすめ>フェルミ推定対策で覚えるべき数値一覧

 

5. 計算

あとは、場合分けごとに、平均購買数×人数で計算していきます。

また、計算のコツとして、細かな数字は四捨五入することで、途中からの計算を省くだけではなく、合計の計算がしやすいようにすることができます。面接官は、正確な数字ではなく、思考過程を評価したいので、適宜計算しやすい数字に設定することで計算の手間を省くことも大事です。

 

5.選考通過のためのテクニック

思考の”深さ”と”幅広さ”を意識する

これは前章で説明した、「問題の軸をつかむ」と「切り口を考える」際に重要なポイントです。
「問題の軸をつかむ」際には、設定する軸が適切な理由を”深く”考え、論理的に説明できるようにすることが重要です。また、様々な軸をインプットしておき、”幅広く”比較検討することで最も適した軸を見つけることが可能です。
「切り口を考える」際にも、設定した切り口が適しているか”深く”考え、”幅広く”比較検討することで、最適な切り口を見つけ出すことができます。

 

面接官とのコミュニケーションを大切にする

フェルミ推定では、学生のコミュニケーション能力も見られています。ここで重要なコミュニケーション能力として面接官との双方向のやり取りがあります。自身で出した回答に対する面接官の意見を取り入れて、より質の高い回答が完成するように心がけましょう。

 

戦略的にメモを取る

面接官とのやり取りは、フェルミ推定を行うためのヒントの宝庫なので逐一メモをしましょう。また、メモの時は図や表で、自分の考え方をまとめておけば、後で面接官に計算の過程を説明する際に便利です。

 

時間配分を考える

最初に、6つのステップごとに、どのくらいフェルミ推定に時間をかけるか計算しておきましょう。演習を通じて、自分が苦手なステップはなるべく時間を多く配分し、一方で得意なステップは時間配分を抑えれば、自分なりのメリハリがある時間配分ができるため、時間切れを防ぐことが出来ます。

 

6.優秀な学生が陥りがちなNGパターン

フレームワーク病

自身の思考力を使わず(無思考で)、すぐに知っている軸、切り口、フレームワークを使ってしまう失敗例です。
この失敗は「問題の軸をつかむ」「切り口を考える」のステップでおきやすいです。
ぱっと見で知っている軸、切り口、フレームワークを設定してしまうと、論理性に欠ける回答につながるだけではなく、”浅く””狭い”思考だと判断されます。思考の”深さ”と”幅広さ”を意識することで論理性を伴う回答に繋がり、思考力がある人という評価を得やすいため、しっかりと意識しましょう。
 

面接官の意見を聞けない

自分の考えに自信を持つあまり、相手の意見を議論に取り入れることができない失敗例です。
コンサルティングは、チームで課題解決に取り組むことがほとんどです。自分が理解できない考えを無視するのではなく、理解しようとする姿勢と、その意見が良いものであれば議論に取り入れようとすることが大切です。
 

枝葉の議論を意識しすぎてしまう

フェルミ推定(またはケース問題)を完璧にこなそうとするあまりおきてしまう失敗です。議論の枝葉の部分にフォーカスしすぎてしまい、根幹部分に十分な思考をさけないことで、議論の論理性が欠けていたり、そもそも回答までたどり着けないことがあります。フェルミ推定を解くために与えられる時間は少なく、完璧な回答を作る出すことは非常に困難です。そのため、議論の根幹になる部分にフォーカスすることを意識しましょう。回答は算出した数値の桁数がズレていないぐらいで大丈夫です。

 

7.実際の面接フロー

それでは、実際の面接の流れに沿って、フェルミ推定がどのように実施されるかを、面接官と学生のやり取りを通して、疑似体験してみましょう。

学生「失礼します。」

面接官「どうぞ。」

学生はさっと会釈を終えて、席に座る。

学生「お忙しい中、お疲れ様です。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。」

面接官「こちらこそ、よろしくお願いします。それでは、まず自己紹介してください。」

学生「私は~~大学経済学部の…」

学生は準備していた自己紹介をさっと言い終えて、それについての応答を何分か続けた。

面接官「ありがとうございました。次は、君の地頭の良さを確かめるために、1つ問題を出題するね。このメモ用紙とペンは自由に使っていいよ。」

学生「はい。」

面接官「日本で毎年自動車が何台売れているか、推定してみて。5分あげるね。あと、最後に発表してもらうから、その準備もしといてね。」

※多くの場合、最後に発表することになるので、発表がしやすいようにメモ用紙にロジックツリーでまとめておきましょう。

学生(まず、自動車は個人で購入するよりは、家族で購入する、つまり世帯で購入することが多いな。そうすると、この問題は、世帯ケースだ。次に、公式を考えると、世帯数×購入世帯の割合×購入世帯の年間購買数だろう。よしよし、良い感じだ。)

学生は、メモ用紙に、「世帯ケース、世帯数×購入世帯の割合×購入世帯の年間購買数」と書き記す。

学生(次は、世帯を分解していこう。たしか、都会の一人暮らしの兄ちゃんは、周りの友達は車を持っていないと言っていたな。一方で、田舎のおばあちゃんの周りは、買い物に車は必須と言っていたな。そうすると、地域で考えるのが良さそうだ。じゃあ、都心と郊外、田舎で分けられるな。)

 

さっと、ロジックツリーをメモ用紙に書き込む。

学生(あとは、数字を考えよう。まず世帯数だ。都心は1人世帯が多いから、総世帯数の50%、あとは田舎と郊外で各25%くらいだな。全世帯数は5000万戸だから、都心は2500万戸、田舎と郊外は各1250万戸だな。その中でも、車の所有者の割合は都心<郊外<田舎の順で大きくなるだろうな。都心は生活にいらない、郊外の人は車がなきゃ生活に不便、田舎は車がなきゃ買い物ができないから、購入世帯数は都心10%、郊外70%、田舎90%だな。よしよし、残りの購入世帯の年間購買数は、車の購買は地域問わず同じスパンで購入すると考えて、一律で10年に1回、車を買い替えるとしよう。)

メモ用紙に計算した数字を書き込んでいった。
ロジックツリーメモ

※数字は急いでいるからと言って焦らず、必ず綺麗に書きおこう。筆者自身、最後に計算するときに、字が汚くて読めなくて、困った経験がある。

面接官「あと2分。」

学生(よし、あとは計算だ。平均購買数は0.1だから、計算すると…)

学生はメモ用紙に図と数字を書き入れて、計算していった。

学生(よし、できた!225万台だ。)

面接官「時間切れです。それでは、発表をよろしくお願いします。」

学生「はい、私はこの問題は…」

今まで考えてきた思考過程を、メモの図を用いて説明した。

面接官「お疲れさま。短い時間でよく出来ていたと思います。自動車業界は、経済的な要因の影響を大きく受けるので、あまり安定しませんが、年間大体260~280万台が相場ですかね。」

学生(よし!大体1.3の範囲内だから、大丈夫だな。)

※1.3倍以内が合格者の通過ラインともいわれている。

面接官「まあ、もう少し時間があったら、購買数の違いとかにも触れられたね。田舎の方は車がなきゃ買い物に行けない、一方で都心の方はなくても平気と言ってたでしょ?そうすると、車を利用する頻度が変わるから、一律に設定した年間平均購買数の0.1も変わってくるよね。また、所得という軸を足しても面白かったかもね。都心や郊外の富裕層と中間層で車の所有台数に違いがでそうだよね。」

学生「たしかに…」

面接官「まあ、すべての要素を短い時間で組み込むのは大変だから、何が一番変化を与える変数なのかをしっかり考えることが重要だよ。次は、頑張ってね!」

学生「はい!ありがとうございました。」

*制限時間によって、どのくらい要素を深ぼるかは考えておくべきです。

 

8.まとめ

フェルミ推定には正解がありません。問題に適した軸でどんどん問題の要素を分解していき、自分なりに数字を割り出すなど、「あなたの思考」で解いていくことが求められています。なぜなら、コンサルタントの仕事はその人の「思考」や「知恵」が武器になるため、面接官も皆さんなりの思考過程を見たいと考えています。

また、フェルミ推定は、コンサルタントで求められる頭の使い方が凝縮されていますので、ぜひとも、日々の生活の中でも訓練することを勧めます。

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※本ページに記載している情報はFactLogicが独自にリサーチ、または各種メディアから収集したものであり、企業が公表している情報ではない場合があります。

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