連載「戦略コンサル内定の極意」は、戦略コンサルティングファーム内定者に、その内定を勝ち取った理由を伺うシリーズです。第3回に登場するのは、複数の外資系戦略コンサルティングファームから内定を獲得したCさん。ケース面接だけでなく部活動などの日常生活でも、課題を特定し、仮説を立て緻密に論証を行うCさんの物事への取り組み方からは、コンサルタントに必要な思考方法は何か学ぶことができます。
目次
プロフィール
1. 得意の数学の思考方法を活用できる、コンサルタントの道へ
2. 刺激的な仲間との出会いが、内定獲得に導いた
3. 納得感のある志望理由のコツは、自分なりの仮説?
4. ケース対策に、数多くの問題演習もフレームワークも必要ない?
5. ジョブでは議論の推進力をアピールせよ
6. 内定者には習慣的なクリティカルシンキングがある
7. 重要なのは選考対策を全力でやれるか、そしてそれを面白いと思えるか
プロフィール
内定者Cさん
国立大学院所属。
学部生時代は部活動に打ち込む。”MBB(*1)“含む複数のコンサルティングファームから内定を獲得。
*1 MBB:外資系戦略コンサルティングファームのトップである、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニーの3社の頭文字を取った略称
得意の数学の思考方法を活用できる、コンサルタントの道へ
——まず初めに、コンサルティングファームの志望理由を教えてください。
内定者C(以下C):知り合いの先輩がコンサルティングファームで働いていたので業務内容のイメージがあって、それと自分の部活動での取り組み方から考えて、自分はコンサルタントに向いているのではないかと思ったということが大きなきっかけですね。
その部活動での取り組み方というのは簡単に言うと、数学での思考方法を応用したようなものです。数学では、条件とゴール(求める数値・証明事項)が設定された問題を解くために、条件とゴールの間を埋めるための定理・解法などの様々なツールを学びますよね。大学受験の時、私はそれぞれのツールはどのような場合にどのような結論を導くために使われているのか自分なりに考えて、問題の設定を踏まえて解法を使い分けるフローチャートを作ることで問題を解いてきました。
このように勉強してきた数学を部活動に活かしたんです。まず自分のプレーの理想像と今の状況を明確にして、差分にどのような課題があるかを特定します。そこに色々な練習方法があり、それぞれの練習方法で伸ばせる自分のスキルを考えて、自分の課題を解決するのに最適な練習方法を行うようにしてきました。
また、プレーの最中には常に一瞬の状況判断が求められるのですが、それに対応するために、プレー中の多くの変数を適切に認識・処理してプレーの判断につなげるようなフローチャートを、練習を通して自分で作っていきました。
このように自分の物事に取り組む思考法がコンサルタントに向いていると思ったのに加え、コンサルティングファームが社会課題に取り組んでいることも志望したきっかけでした。自分が興味のある社会課題に取り組む団体を、あるコンサルティングファームが支援していると聞いたんですね。プロボノにも関われるのは、自分にとって魅力的であると感じました。
刺激的な仲間との出会いが、内定獲得に導いた
——複数の会社から内定をもらっていると思うのですが、何が評価されたと思いますか?
C:企業によって評価していただいた点は違うのですが、共通して評価していただけたと思っているのは思考スピードです。企業によって評価が違った部分については、ある会社ではコミュニケーションスタイルが良いと評価していただけた一方で、違う会社ではチームワークの評価が低かったです。
コミュニケーションスタイルを評価していただいた企業では、謙虚でやわらかいコミュニケーションを取れるということを高く評価していただけましたね。その部分が、カルチャーフィットにもつながって、良い印象を与えられたと思います。チームワークをあまり評価してもらえなかった会社では、数字への強さを高く評価していただけました。企業によってかなり差があるみたいですね。
——選考対策について聞きたいのですが、全体を通してどのように対策していましたか?
C:選考対策は友人と(自分を含めた)5人グループで行っていました。友人たちは本当に優秀で、いつも刺激を受けていました。この刺激的な友人の多くとは、自分がメインで活用していた選抜コミュニティであるFactLogic Executive(以下EXE)で出会いました。EXEは選考対策ができることや内定者のメンターがつくことも魅力ですが、他のコミュニティと比べてアットホームなところが魅力的でした。アットホームな環境だからこそ、一緒に練習する仲間と出会えたのだと思います。
納得感のある志望理由のコツは、自分なりの仮説?
——各選考ステップについて詳しく聞きたいのですが、エントリーシートで特に注意したことはありますか?
C:基本的には好きなように書いてましたね。ただ、1つだけ意識していたことがあって、仮説でかまわないから、自分にとってなぜその会社が良いのか自分の言葉でしっかり伝えるようにしていました。一般論として述べるのではなく、自分自身の観点から志望理由を述べることが重要だと考えています。
自分の観点から「自分にとってこの企業が最も望ましいと思っている」と述べようとすると、学生はまだその会社で働いたことはないですから、正しいと確信が持てることはなかなか言えないですよね。ですから、現時点の仮説として考えを伝えれば良いと思います。
一般論よりも仮説であっても自分の考えを伝える方が納得感がありますし、面接官の方も現時点では仮説でしか話せないと分かっていると思います。実際、私は面接で「仮説としてですが」とはっきり言っていましたが、コンサルティングファームでもベンチャー企業でも、それによって評価が下がることはありませんでした。
——筆記試験やWebテストはどういった対策をしましたか?
C:Webテストには様々な形式がありますから、それぞれの形式でどのような問題が出るか把握して、慣れが必要なところは練習をしていました。問題集を軽く見て、解いておいた方が良いと思うところだけちゃんと解くようにしていたというかたちですね。
あとは、先程触れた友人たちが情報通でして、どの会社でどのような問題が出るかは友人に教えてもらっていました。筆記試験やWebテスト対策に割いた時間は全部で15時間くらいだったと思います。
ケース対策に、数多くの問題演習もフレームワークも必要ない?
おすすめ記事
>【戦略コンサル内定の極意vol.1】相手のニーズを捉える抜群の対応力で内定獲得
>【戦略コンサル内定の極意vol.2】夏の失敗から大逆転?MBB内定を勝ち取った努力とは
>ケース問題集 マッキンゼー・アンド・カンパニー編 vol.1
>ケース問題集 ベイン・アンド・カンパニー編 vol.1
>ケース問題集 ボストン コンサルティング グループ編 vol.1
※本ページに記載している情報はFactLogicが独自にリサーチ、または各種メディアから収集したものであり、企業が公表している情報ではない場合があります。