コンサルファームのケース面接を突破するための4ステップ

コンサルファームのケース面接を突破するための4ステップ

今回は、外資系コンサルティングファームや投資銀行という人気業界で、最も難しいと言われる「ケース面接(インタビュー)」の解き方を、演習を通じて紹介していきます。

ケース面接とは

ケース面接とは、ボストンコンサルティンググループ(BCG)の説明によると、「様々な業界、分野での実際のプロジェクトに基づいた課題分析、課題解決などに関するディスカッション」だといいます。
この選考は、コンサルタントに不可欠な知的好奇心傾聴力論理的思考力、さらにそれらを総合した頭の使い方などの資質を評価することを目的としています。
実際の選考では、「あるコンビニエンスストアの売上を2倍にせよ」や「日本のノーベル賞受賞者の数を上げるには?」など、突拍子もない質問が飛んでくることもありますが、それでも臆せず、面接官の方とやり取りを重ねながら、解決策を考えていきます。

 

ケース面接解法

それでは、早速ケース面接の解法を説明していきます。

多くの場合は、以下の4つの手順で解いていくことが多いです。

1. 確認

このステップでは、ケース面接のお題の、主語や目標、言葉の意味を、面接官に確認する、あるいは自分の中で定義していきます。すぐに解こうとする方が多いですが、この「確認」のプロセスは、この後の指針を決める重要な作業です。ここで確認が浅いと、あとでお題を解いていく中で、問題の範囲が広すぎたり狭すぎたりして、それまでに考えてきた過程を再度ひっくり返して、定義し直すなどのタイムロスが起こる可能性があります。上記の主語・目標・言葉の意味の3つのポイントは必ず確認してください。
それでは、具体的に見ていきましょう。図.2を見てください。

この例は一例に過ぎませんが、これらの検討事項に面接官に確認を取りつつ、自分で定義していけば、ケース面接を解いていく方向性が大方決まります。

 

2. 現状分析

前章で状況の確認をしていますので、ここではその状況を分析していきます。ここでは、フレームワーク等を用いて、状況の構造を明らかにしていきます。
それでは、前章で用いた例を使用して、説明していきます。前章の検討事項については、以下のように定義しました。

主語:業界3位の郊外立地のコンビニエンストア

目標:利益を増やす

言葉の意味:売上高総利益[以下では粗利と表現する]

と定義します。

まず、目標の「粗利の向上」の要因を考えていきます。この図では、粗利や原価、売上、客単価、客数のフレームワークを用いています。このように図示することで、問題解決への選択肢が見えてきます。この時点で、選択肢として購入点数、購入単価、人数、購入頻度、変動費、固定費の6つに絞られました。あとは残りの情報や条件を仮定して、課題を特定していきます。

 

 

3. 課題特定

前提を確認し、現状が図示されたので、どこに大きな課題があるのかを特定していきましょう。いくつかの問題の中から、解決が出来る「可能性」が高く、解決すると「効果」が高い、課題を選択することが基本です。そのため、このプロセスでは、効果と実現可能性[コストやリスク]の2つの基準から判断します。それでは、先述の6つの要因を検討してみましょう。

図.4 各要因の評価表
効果 実現可能性 評価
1商品単価 ◎ △
2購入点数 ○ ○ ☆
3人数 ◎ △ ☆
4頻度 ◎ ○ ☆
5固定費 ○ ×
6変動費 ○ ×

1の商品単価を上げることは、店舗全体の商品構成において、高価格商品の比率を上げて、低価格商品の比率を下げれば可能ですが、一方で廃棄リスクが高まります。また、現在プレミアムブームが流行としてあるとは言え、顧客が高価格商品をコンビニエンストアで頻繁に購買する姿は想像しにくいです。
2の購入点数は、ついで買いや衝動買いを促すような商品配置や棚のデザイン、POP広告など選択肢が幅広いです。また、コスト面でも、施策によって柔軟性があり、各店舗のレベルでも出来る範囲の選択肢も多いため、1つ目の課題と言えます。
3の人数を増やすことが、効果が高いことは異論がないでしょう。しかし、競合環境が厳しいコンビニ業界で3位である点、コンビニ自体が差別化しづらい点から、新しく顧客を引っ張ってくることは難しいでしょう。一方で、個店レベルでも広告チラシの配布や、ディスカウントなどの新規開拓を狙う戦略は打つことが出来ます。もちろん、これらの施策はコストがかかりますが、売上を2倍する目標から見てもある程度選択肢として考慮する必要があると思います。そのため、これを2つ目の課題とします。
4の頻度を上げることは、人数を上げることと変わらず効果が高いです。また、購入点数と同様で様々な選択肢の可能性があると考えます。サービスレベルの向上や、魅力的な売り場づくりを通して、来店頻度を高めることが十分可能です。そこで、これを3つ目の課題とします。
5の変動費と6の固定費は、個店レベルで意思決定できる問題ではないです。しかし、このお題のコンビニエンスストアの本社が主語だった場合、安い原料で商品を製造することによる変動費の削減や、本部機能を事業所に移転することで固定費の削減などの施策は可能です。
上記より、2の購入点数、3の人数、4の頻度が課題とします。

 

4. 解決策提案

最後の「戦略提案」のフェーズでは、特定された課題に対して解決策を提案します。このプロセスでは、2つのステップを踏む必要があります。1つ目は、戦略立案する段階です。前章で特定した課題に対して、最初に確認した情報や自分の知識と経験、さらに面接官とのやり取りを通して、解決策を考案いたします。しかし、自分の考え方を盛り込んでください。これは面接ですので、単に当たり前の答えを導き出すだけではなく、あなたの創造性やアイデアを生み出す能力も見られているからです。もちろん筋が通っていることが大前提ですが、多くの優秀な学生の中で埋もれないためにも、周りと差別化していくことは選考突破の秘訣です。
2つ目は、解決策の評価です。この評価には再度効果と実現可能性の視点から考えていきます。その上で、複数ある解決策の優先順位を付けていきます。
それでは、具体例の続きを考えていきましょう。

購入点数の課題には、各カテゴリーに毎週おすすめ商品の紹介を提案します。意図は、衝動買いの促進です。購買を意図的な購買と衝動的な購買で分解した時、コンビニエンストアはすでにATMやチケット販売、宅急便などそれ自体が目的になるサービスを数多く提供しています。そこで、コンビニエンスストアの商品を知り尽くす現役の店員がおすすめの商品を提案することで、意外性や新しさを提供し衝動的な購買を促します。
人数の課題には、3月4月にディスカウント[商品の割引クーポンの配布]の実施を提案します。なぜなら、この時期は職場や学校の環境も変わるため、ライフスタイルが一番変わる時期だからです。また、一般的にその地域に新しい住人が最も増える時期でもあります。この変わり目の時期に、ディスカウントを通して、来店目的を意図的に生み出して、彼らの生活に食い込める絶好の機会だと思います。
頻度の課題には、常連への商品紹介を提案します。この店舗が特定の顧客に対して、その人の嗜好に合った新商品やオススメ商品を提案することで、この店への愛着を高めて、来店頻度の向上を狙います。意外性や面白さの点ではそうでもないですが、筆者なりの理由づけから、1店舗のレベルで出来る提案を考案しました。

それでは、最後に解決策を評価します。

図.6 解決策評価
効果 実現可能性 優先順位
毎週オススメ商品紹介 ○ ◎ 1
ディスカウント ◎ △ 2
常連への商品紹介 ○ △ 3

毎週オススメ商品の紹介は、店員にオススメ商品を聞き、POP広告を作成して、売り場に装飾を加える程度ですので、コストはそれほどかからないため、〇。一方で、そのような行動を実施しているコンビニはまだ少ないので、一定の効果が見込めるため、〇。
ディスカウントは、一度実施すれば、認知度は大きく上がりますので、効果は◎。しかし、クーポンによって、売上が直接的に減りますので、コストは高いため、△。
常連への商品紹介は、その顧客だけのサービスを提供することで、特別感を演出できるため、一定の頻度の向上が見込めますので、効果は○。一方で、各常連客の情報の把握と共有、さらに提案商品の選定はかなり手間がかかることが見込めますので、コストは△。
総合的に評価した結果、優先順位は毎週オススメ商品の紹介→ディスカウント→常連への商品紹介という順番になります。
今回のケース解法では、実現可能性と効果の2つの視点で解決策を評価しましたが、解決策をもっと詰めていきたいと思う方は「時間」という視点を加えることを勧めます。他の問題では、時間指定(1年で、3年で等)があります。その際に、施策が短期的に効果を挙げられるのか、長期的な効果を挙げられるのかは重要になってくると思います。また、企業の成長がお題なら、短期的な利益と長期的な利益の両方をバランスよく打ち出す必要があります。

 

最後に

冒頭でも述べましたが、ケース面接では経営コンサルタントの資質が問われています。実際のコンサルタントの仕事の大部分は、ケース面接のように、問題を特定し、それに対して、いかに有効な打ち手を考えられるかという点です。
そのために、問題の文脈を理解する、分解する、創造的な解決策を思いつく、評価する、プロセスを繰り返し続ける体力と知力が重要なのです。コンサル業界では、このプロセスを「知的格闘」と言うことがあります。数十分の短い選考の中で、コンサルタントに求められる、知的格闘力を持っていることを、面接官にアピールすることを忘れてはいけません。

※本ページに記載している情報はFactLogicが独自にリサーチ、または各種メディアから収集したものであり、企業が公表している情報ではない場合があります。

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