今回は、米でなぜデザイン関連コンサルの買収が起きているのか、それに関する背景とデザインが今重要視されている理由について説明していきます。
昨今、米で巻き起こるデザイン関連会社の買収の動き
- Accentureによる Fjordの買収
- マッキンゼーによるデザインファームとして最古の歴史を誇るLunarの買収
- 米金融機関キャピタルワンによるAdaptive Pathの買収
- Facebook によるHot studio の買収
- GoogleによるMike&Maaikeの買収
- IBMはIBMIXを作り、1000人以上を抱えている有数のデザインカンパニーでもある。
電通も広告ビジネスだけではなく、コンサルティング事業を始めるなど、今世界でデザインの認識が劇的に変化してきている。このような潮流を生み出したのは、Apple創業者、スティーブジョブスです。彼は、デザインとは、“「どう見えるか」ではなく、「どう機能するか」”と述べているように、今までのデザインの固定観念を打破しました。これは昨今で一番大きな変化です。
コンサル業界では、どう変わっているのか
一例として紹介したいのは、Accentureの買収騒動に関しての両者のコメントです。
Accenture社でディレクターを務めるバイジュー・シャー氏は、
「クライアントがデジタル企業へ転換するプロセスを後押しするためのものであり、古い仕組みの投入だけでは、持続可能な成果を得ることができないことに、クライアントは気付いている。なぜなら、重要なのはユーザーのエンゲージメントに移行しつつあり、ユーザーエクスペリエンス(UX)が中核になってきているからだ」と述べている。
それに対し、Fjord社オロフ・シベルグソンCEOは、
「デザインはデジタルにおける仕事において、非常に中心的な役割を果たすようになってきた。必要なときだけデザインを依頼するのは、もはや長期的にはうまいやり方ではなくなっている」と述べている。
そもそもデザインとは?
従来は、形を定めたり、造形の一種で、制作することがデザインの仕事だった。デザインは日本語では「設計」にもあたり、「形態」や「意匠」と訳されてきたが、それだけに限らず、「計画」も意味します。そして、デザインとは、グラフィックや造形だけでなく、世の中の問題点や課題を明確にして、解決策を導きだすこと。近年では、「デザインシンキング(思考)」とも呼ばれています。では、課題解決のためにどのような手順をへるのかというと、5段階のフェーズがあるといわれています。
デザインの5段階フェーズ
- 問題理解
- 情報収集
- アイデアの拡散と収束
- アイデアの具現化
- 改良
問題解決をするための手段へ
デザインとアートの間には、決定的な違いあります。
Design solves a problem, art is expression”
デザインとは問題解決であり、アートとは自己表現である。つまり、理由を説明出来なければ、それはデザインではないということなのです。この問題こそ、みんながデザインそのものを勘違いしてしまう要因です。つまり、デザインとアートは似て非なるものであると知る必要があります。
最後に
コンサル志望の人にとって、デザインは関連性が何もないと思われがちではあるが、
これからの時代、デザインが持つ価値はさらに重要性を増しています。