【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「キャッシュ・フロー経営」を具体事例で分析

 

就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『キャッシュ・フロー経営』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

第14夜:厳しい資源安トレンドの中、着実に増益を続ける「双日株式会社」が凄い

 

金融や官公庁志望の人は、総合商社に興味がある人多い気がしない?あれなんでかしらね。

まあ安定してるし大きい仕事できそうだし、わかる気もします。

何言ってるの、今商社は資源安で業績が大変なことになってるのよ!

そんな大げさな……

この、2016年3月期の各社決算を見なさい。


総合商社7社のうち3社が最終赤字って!

大きい仕事に携われるのは間違いないけど、安定してるなんて大きな嘘。頭いい人たちなはずなのになんで気づかないのかしら……

じゃあ、もう商社に入るのは絶対辞めた方がいいんでしょうか?

ねえ、あなたは専門商社と総合商社の違いって分かる?

それくらい分かりますよ! 関わっている業界が一つなのか複数なのか、って違いですよね。

安定性って観点から見ると、どう?

前に教えてもらった「リスク分散」という観点から見ると、専門商社だと業界の盛衰に会社の業界が左右されがちだけど、総合商社なら仮にどこかの業界が沈んでもバランスを保てて安定している気がします。

もう一度、上の図を見てみてどう思う?

……ってあれ? 総合商社なのに何でこんな大赤字出してる所が多いんだろう?!

疑問に思ったら分析しなさい。知識を振りかざしてるだけじゃ意味ないわよ。

う、はい、すみません!

今日は、資源安が続いて最終赤字も出てる厳しい商社業界の中、涼しい顔で不思議と5期連続増益してる双日を見ようかしら。

 

双日が優良企業である3つの理由

  1. 資源安を物ともしない5期連続増益
  2. 特定の事業に依存しないポートフォリオ
  3. 若手が「裁量権を持たざるをえない」最大のチャンス

 

一応言っておくけど、「双日」は「そうじつ」って読むからね。

僕だってそれぐらい読めますよ!

ほんとに? でも結構読めない人いるのよ。特に海外大に進学したあと外コンの日本ブランチに入社したりすると、日本企業の知識が乏しすぎて苦労するのよね。

そ、そうだったんですね……

理系院生でコンサルに入る人も、最初のうちは業界知識や会計知識なんかで苦労するから、早いうちから企業分析して訓練を積んでおきなさい。

 

資源安を物ともしない5期連続増益

 

下にあるのが、双日の当期純利益推移図。


2012年以外は、すごい順調に成長してるように見えます。

この年に税制改革があって、会計上の処理が法律で一部変さらになった影響ね。これはちょっと難しいから、気になるなら後で税制改正や繰延税金資産といった単語で調べてみて。

この成長グラフを見る限りは、商社業界が資源安で大打撃なんて想像できないです。

でも、実際に他社と比較するとよく分かる。これは大手商社の当期純利益の成長率をグラフにしたものなんだけど、資源安の影響が厳しかった直近3年間で、すべて成長率がプラスだったのは黄色部分の双日だけ。

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【今夜のカクテル】ダイキリ
ベースのラムにライムジュース、それからガムシロップをほんの少し入れた、さっぱり爽やかカクテル。バーの雰囲気によってはほんのり青色に透けて見えることがあって、ちょうど双日のロゴみたいな色になる。ガムシロップの代わりにグレナデンシロップを入れると、三菱商事みたいな赤色になる。お店ではピンク・ダイキリ、なんて呼ばれたりするわね。