【18卒向け】就活面接でアベノミクスを語るための基礎知識まとめ

「アベノミクスについてどう思う?」「最近のニュースについてどう思う?」

このように、時事問題に関する質問は、面接で聞かれる可能性が高いです。皆さんは、これらのニュースについて正しい知識を持って自分の意見を述べることができるでしょうか?

時事問題に関する質問は、日ごろからニュースや新聞をチェックして、わからない部分はさらに調べるという姿勢であれば、比較的容易に対策を行うことができると思われます。今回ご紹介する時事問題は「アベノミクス」です。3本の矢は私たちの将来に直接関わる話題ですので、これを機会に理解し、自分なりの意見を持ちましょう。

アベノミクスとは?

2012年12月26日より始まった第二次安倍内閣において、安倍首相が表明した”3本の矢”を柱とする経済政策のこと。政策の最大目標を経済回復と位置づけ、デフレ脱却を達成するために日銀法の改正まで視野に入れたことで国内だけでなく世界からも注目を集めていた。しかし、2016年より急速に進んだ円高や2%の物価目標の未達などを理由に批判も広がりつつあり、消費税の増税時期など活発な議論が繰り広げられている。

引用 : アベノミクスとは

3本の矢とは

(1)大胆な金融政策(金融緩和)、(2)機動的な財政政策、(3)民間投資を喚起する成長戦略の3つの経済政策のこと。

 3本の矢

引用 : 首相官邸-アベノミクス「3本の矢」

(1)大胆な金融政策(金融緩和)

アベノミクスの3本の矢の中で、金融政策(金融緩和)はいちばん注目を集めています。そもそも金融緩和とは一体どういう意味なのでしょうか。金融緩和とは、日本銀行が現金を発行して世の中に出回っているお金の量を増やすことです。

つまり、金利が下がり、住宅ローンや工場を建てるためのお金が借りやすくなります。また、金利が下がると円が売られて円安になります。円安は輸出を増やすので、製品を海外に売る企業がもうかり、株価が上がり、株価が上がると強気になってお金を使う人が増えるということです。

引用 : 「アベノミクス」をわかりやすく説明(金融緩和編)

アベノミクスでは、バブル崩壊以降の20年間における不況の最大要因をデフレと捉え、デフレ脱却を目指すべくインフレターゲットの導入を決定しました。そのために、これまで独立性が重視されてきた日銀に対して、日銀法の改正も視野に入れた上で2%の物価目標を掲げるよう働きかけ、その目標が達成されるまでは無制限の量的緩和策をとることを決定しました。

引用: アベノミクスとは

(2)機動的な財政政策

アベノミクスの2本目の矢とされているのが、機動的な財政政策です。財政政策とは、国が行う経済活動の政策のことです。具体的には次の4つの政策が挙げられます。

・全国の道路、鉄道、堤防、下水道などの公共事業の拡大。

・東日本大震災の復興を加速させるためのインフラ整備、雇用確保。

・研究開発や中小企業などの成長による富の創出。

・暮らしの安全や地域の活性化。

引用 : アベノミクスの機動的な財政政策とは

政府は2013年1月15日、過去2番目の規模となる13兆1千億円の補正予算案を閣議決定しました。内訳は、東日本大震災の復興費を含む”復興・防災対策”に3兆8千億円、通学路の安全対策など”暮らしの安全・地域活性化”に3兆1千億円、さらに再生医療の実用化支援など”成長による富の創出”に3兆1千億円となっています。

引用 : アベノミクスとは

(3)民間投資を喚起する成長戦略

アベノミクスの3本目の矢とされているのが、民間投資を喚起する成長戦略です。「日本再興戦略」として掲げられています。長年の岩盤規制に対する改革をはじめとして、「稼ぐ力」の強化、「世界でトップレベルの雇用環境」の実現を目指す戦略です。

平成28年6月には、周り始めた経済の好循環を持続的な成長路線に結びつけ、「戦後最大の名目GDP600兆円」の実現を目指し、「日本再興戦略2016」を閣議決定されました。今後は、これに基づき、(1)新たな「有望成長市場」の戦略的創出、(2)人口減少に伴う供給制約や人手不足を克服する「生産性革命」、(3)新たな産業構造を支える「人材強化」の3つの課題に向けて、更なる改革が行われています。具体的には、7つのテーマが産業競争力会議で挙げられました。

・産業の新陳代謝の促進

・人材力強化

・立地競争力の強化

・クリーン・経済的なエネルギー需給実現

・健康長寿社会の実現

・農業輸出拡大・競争力強化

・科学技術イノベーション・ITの強化

成長戦略で重要な役割を果たすと考えられているのが、TPPです。円安誘導に続いて貿易品目の関税撤廃が加われば輸出産業にとって追い風になることが期待されます。トランプ大統領がTPP離脱を表明していますが、今後どのような展開になるのでしょうか。

TPPについてまとめた記事あるので気になる過多はこちらを参考にしてみてください。
【3分で分かる経済のキホン】TPPとは?時事問題対策part.1 

引用 : アベノミクスとは
引用: アベノミクス 成長戦略で明るい日本に!

以上がアベノミクスの概要でした。次に、アベノミクスについての基礎知識を踏まえたうえで、就活生が気になると思われるアベノミクスによって景気が良くなる業界についてもまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

アベノミクスによって影響を受ける業界

大きく分けて3つの業界がアベノミクスによって景気が良くなると考えられます。不動産業界、サービス業界、IT業界です。それぞれの業界について詳しく見ていきましょう。

1. 不動産業界

自民党の政権公約には、「国土強靭化の取り組みを地域経済の中長期的発展の呼び水とするとともに、雇用を創出する」とあり、アベノミクスによって公共工事の増加→雇用の増加が見込まれています。また、政府は緊急経済対策として公共事業に5.2兆円の追加投資をすることを閣議決定し、大成建設、鹿島建設など、スーパーゼネコンへの上昇期待が高まっています。

引用 : アベノミクスに87.3%が期待~3本目の矢・成長戦略に注目(後)

2. サービス業界

デフレに強いと考えられるサービス業界もアベノミクスによって景気が良くなると考えられています。具体的にはユニクロでおなじみのファーストリテイリングやメガネのJINSで有名なジェイアイエヌ、俺の株式会社(俺のイタリアン、俺のフレンチ)です。アベノミクスの金融政策によって、日銀が「インフレターゲット2%」を掲げましたが、簡単には個人の給料が上がらないなかで、上記に挙げた価格がリーズナブルで良いサービスを提供する企業が今後も人々から求められ、人気を獲得していくでしょう。このようなデフレビジネスに強い企業では、現場の仕事も本社系の仕事も採用が伸びていくのではないでしょうか。

引用 : 「アベノミクス」はいつまでも続かない!?転職市場が好調な今こそオススメな業界と企業

3. IT業界

アベノミクスの3本の矢のうち、成長戦略がもっともITに関わりがあります。安倍政権の基本方針としては、産業振興よりも規制改革、つまり補助金を積むよりも規制緩和を行うということです。民主党政権の発足時は、情報通信法に後ろ向きで、規制緩和にも通信放送融合にも電波開放にもソフトパワー発揮にもネガティブで、当初つまずきを見せましたが、自民党政権ではそんなことはなさそうです。

引用:  中村伊知哉のもういっぺんイってみな! (29) アベノミクスはITをどう変える?

 

アベノミクスに対する評価

アベノミクスについて多くの専門家が賛否両論、将来の予測等の意見を述べています。アベノミクスについて調べる際に、意見が多すぎて戸惑った方もいるのではないでしょうか。今回はその中から、アベノミクスに対する評価についてご紹介します。

レオス・キャピタルワークス社長兼CIOの藤野英人氏のご意見です。

3年ほどになるアベノミクスを振り返ると、当初掲げた「三本の矢」のうち、金融緩和効果は刺さりました。この部分はおおいに評価できると考えています。

しかし、残念ながら財政政策は中途半端で、成長戦略は、矢ではなく「針」に過ぎませんでした。刺さった中で大きかったのがインバウンド消費ですが、それでも大きさはせいぜい「吹き矢」程度。全体で見ると成長戦略は大きな成果を上げることができませんでした。

アベノミクスそのものは、政策としては中途半端と言わざるをえません。ただ、アベノミクスにとってラッキーだったのは、景気循環と円安が後押しとなったことです。アベノミクスによる株価上昇は景気循環と円安、そして金融緩和効果で説明できます。

引用 : アベノミクス終焉で日本はかなり厳しくなる

アベノミクスの金融緩和政策に対しては評価しているものの、財政政策、成長戦略については厳しい評価を下しています。以下にご紹介する記事ではアベノミクスがもたらした好影響についてより具体的に述べています。

アベノミクスによって明確に表れた効果は2つ。円安・株高という市場環境の転換と雇用の改善だ。アベノミクスの前後を比較すると、日経平均株価はアベノミクス前の2012年末の1万円付近から2015年末には1万9000円台と、ほぼ倍になった。為替も同様に2012年末の86円台から2015年末には120円台と大幅な円安となっており、アベノミクス(多くは日銀の金融緩和によるものだが)の効果は絶大だったと言えよう。

円安と株高は企業業績に好影響を与えた。円安は輸出企業を中心に業績を嵩上げし、株高は景気回復への期待感を高めた。それは、企業収益(経常利益)や企業倒産件数にも明確に表れている。企業収益は増加の一途を辿り、倒産件数が減少の一途を辿った。

こうした企業の好調さは、雇用の改善に結び付いた。失業率は低下し、有効求人倍率は上昇、景況感の良さに支えられた企業の人手不足が鮮明になった。

引用 : 結局、アベノミクスはあなたの給料を上げたのか?

アベノミクスにより、円高・株高という市場環境の転換と雇用の改善が起こりました。これにより、企業業績に好影響を与え、雇用に改善にも結びつきました。アベノミクスについては、上記のように多くの議論が起こっています。政策前後の経済状況等考えて、自分なりにアベノミクスを客観的に評価してみてください。

今回はアベノミクスについて基礎知識を中心にまとめました。アベノミクスは今も議論が活発になされている話題です。「面接で聞かれて準備不足のため答えられなかった。」ということがないように、ご自身で情報を整理して意見を考えてみてください。周りの友達と時事問題を共有して議論してみるのもいいかもしれませんね。

※本ページに記載している情報はFactLogicが独自にリサーチ、または各種メディアから収集したものであり、企業が公表している情報ではない場合があります。

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