連載「戦略コンサル内定の極意」は、憧れの戦略コンサルティングファーム内定者に、その内定を勝ち取った理由を伺うシリーズです。第2回に登場するBさんは、コンサルの夏インターンにほとんど参加できなかったという悔しさをバネに、人一倍の努力の末に、冬インターンでトップファーム、いわゆる“MBB(*1)”の1社の内定を手に入れました。夏の失敗から大逆転した対策方法やコンサルへの熱い想いに触れてみましょう。
*1 MBB:外資系戦略コンサルティングファームのトップである、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニーの3社の頭文字を取った略称
目次
プロフィール
1. 様々な業界を見たからこそ、コンサルに惹かれた理由とは
2. 成長スピードが高く評価され内定を獲得
3. 選考対策では、他の人からのフィードバックが鍵
4. グループディスカッションは、自分の得意な立ち回りで突破
5. 「1000問以上解いた」人一倍努力したケース面接対策とは
6. ジョブでは、仮説を出すスピードでメンバーを圧倒
7. 「戦コンなんて無理」は努力で変えられる?
プロフィール
内定者Bさん
国立大学所属。コンサルティングファームを初め、大手事業会社など数多くのインターンに参加。夏の失敗を糧に、冬インターンで外資系戦略コンサルティングファームの内定を獲得した。
様々な業界を見たからこそ、コンサルに惹かれた理由とは
——まず初めに、コンサルティングファームの志望理由を教えてください。
内定者B(以下B): もともと父の影響でコンサルには興味があり、さらにインターンを通して自分に合っていると感じたため、就職を決めました。
父の会社に昔コンサルティングファームが入ったことがあり、そのときに父からコンサルタントの働きぶりや、それによって変わる会社について聞いていたんですね。プロフェッショナルとして働く姿やコンサルという仕事の影響力の大きさに憧れを抱いて、自分もコンサルタントになりたいと思うようになりました。
コンサルに強く惹かれてはいましたが、インターンでは知見を広げるためにコンサルだけでなく、大手事業会社やスタートアップなど幅広く参加し、またOB訪問でも官僚の方や日系大手企業の方など多くの社員さんに会いました。それらを通じて、やはり自分はコンサルティングファームがフィットすると感じたんですね。
コンサルタントは、仕事に誇りを持っていて尊敬できる人が多いと感じました。ある事業会社の方は、楽しく生きられたらいいとおっしゃっていて自分は違和感を感じた一方、コンサルティングファームの社員さんは視座が高くて、社会に課題を感じてプロジェクトに取り組んでいらっしゃるように見えたんです。インターンを通じて、コンサルティングファームでさらに働きたくなりましたね。
成長スピードが高く評価され内定を獲得
——外資系戦略コンサルティングファームの内定を獲得されましたが、何が評価されたと思いますか?
B:私自身は”成長スピード”を高く評価されたと感じています。課題解決能力やチームを引っ張る力は基本的な能力として一定程度できたうえで、いかにフィードバックを吸収して素早くアウトプットに反映させるかという”成長スピード”で、自分は他のインターン参加者と差別化できたようです。
具体的には、ジョブでは1日の終わりなどに、チームもしくは個人に対して社員さんからフィードバックがいただけますが、その内容は、今後のチームの議論の方向性についてや自身の強み・弱みについてなど多岐に渡ります。
社員さんが指摘した課題を踏まえて、次に社員さんと議論するまでにいかにワークを進めるか、自身の弱みをいかに克服しチームに貢献するかは成長できる人材か否かを示すと思います。”成長スピード”はコンサルタントにとって重要な能力で、実際に社員さんも「今能力が高い人よりも3年後に能力が高い人を採用したい」とおっしゃっていました。
選考対策では、他の人からのフィードバックが鍵
——選考対策について聞きたいのですが、選考対策は何をやっていましたか?
B:他のコンサル志望の学生と同じく、ケース面接対策やwebテスト対策などをやりました。その中で自分が意識していたのは、誰かと一緒にやることです。日ごろから人からフィードバックをもらえる環境を作るようにしていました。というのも、ケース問題などの選考には答えがないじゃないですか。答えがない中で成長していくには、自分の出したアウトプットに対してフィードバックをもらい、それを活かせるかどうかが重要だと思うんです。ですから、webテスト以外の選考対策は1人ではなく誰かとやるようにしていました。
——エントリーシートで気を付けていたことはありますか?
B:エントリーシート(以下ES)で気を付けていたことは特にないですが、提出前の最終チェックは友人などにお願いして見てもらっていました。あとは、コンサルではESはそれほど重要ではないと言われたりもしますが、それでも自己分析はやっておいた方がいいと思います。選考に受かるためというよりも、将来的なミスマッチを防ぐためにおすすめします。
——自己分析はどのように行いましたか?
B:まず考えたのは、自分はプレイヤー向きなのかアドバイザー向きなのかで、自分はアドバイザー向きだと考えました。過去の経験を振り返ると、自分が0から作るよりもそれをサポートして誰かが成功したときに喜びを感じてきたからですね。
また、コンサルでは多くのプロジェクトに関わり、より多くの人にアプローチできるためインパクトが大きく、より早く成長できるとも考えました。父の影響で経営に興味があったというのもあります。その点から考えると、日系大手は自分にとってはあまり魅力的でなかったですね。
グループディスカッションは、自分の得意な立ち回りで突破
——グループディスカッションについては、何か対策しましたか?
B:グループディスカッション(以下GD)対策としては特にやっておらず、ケース面接対策に時間を割きました。というのも、ケース問題を1人で解けないうちは、GDでも発言できず選考を突破できないと思うからです。ですから、まずはケース対策をしっかりやり、その上で実践を積むことが重要です。
実践をする際は、グループの中で敢えて色々な立ち回りをしてみて、自分が1番得意な立ち回りはどれかを研究しました。例えば、議論を引っ張ていくリーダー的な立ち回りや、多く発言するのではなく議論を要所でまとめたり修正したりする立ち回りなどを試してみました。得意な立ち回りは人それぞれなので、それをしっかり見つけられたのは良かったですね。
——Webテストはどのように対策しましたか?
B:とりあえず実際のテストを1回さらっと解いてみて、すぐに解けるような形式は練習せず、できないところは時間をかけて勉強していました。最初に勉強の濃淡を決めて、必要性が高いところを重点的にやるというかたちです。具体的には、SPI、玉手箱、TGWEB、GMATを1回解いてみて、TGWEBの計数とGMATが苦手だと分かったので、本を1冊買ってしっかり勉強しました。
「1000問以上解いた」人一倍努力したケース面接対策とは
——ケース面接はどのように対策しましたか?
B:これは1番労力をかけました。時系列を追って話しますね。