【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「顧客志向(マーケティング)」を具体事例で分析

 

就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『顧客志向(マーケティング)』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

第30夜:異業種参入ながらヒットを連発。徹底した顧客志向マーケティング戦略が強みの「ロート製薬株式会社」が凄い

 

リサさん、化粧品業界に異業種参入するケースについて、どうしても分からないことがあるんです。

最近だと富士フイルム、サントリー、味の素あたりかしら。

まず、化粧品業界の市場規模は成熟しているから、あまり参入にメリットを感じません。


上位4社で約8割を占める市場で、残り2割も新規参入組が占めているわね。


それに、仮に参入にメリットがあったとして、なんで一番シナジーがありそうな製薬会社が大きく攻めて来ないんでしょうか?

それは、薬の技術開発と、化粧品の技術開発の考え方が根本的に異なっているからなの。

法学部の僕が見ると、どちらも試験管振ってれば同じに見えます。

薬の開発者の目的は「この悪い部分を治そう」。必要であれば、多少の副作用は厭わない。一方、化粧品開発者の目的は「健康で美しい肌を維持しよう」。他の健康な部分には絶対に影響しないようにすることが第一。

企業内に蓄積されている技術が、根本的に異なるってことか。

そう。しかも、MRによる医師向け営業がメインである大手製薬会社は、BtoCマーケティングがイマイチ、って問題もある。

そうか、相手にするお客さんが全然違うんだ。

たとえば、昔グラクソ・スミスクラインが作ったニキビ予防のBtoC向けブランド「OXY(オキシー)」があったんだけど上手く行かず、2004年に日本企業に売却してしまった。

主力の医療用医薬品のリソースを削って取り組むほどの収益にはならなかったんですね。

でも、売却後の日本では、「爽快さ」を売りにした男性用化粧品ブランドとしてリブランディングして大成功。

あ、OXYってあのEXLIEがCMに出てるやつか!

今回分析するのは、その買収を成功させたロート製薬。製薬会社でありながら、化粧品事業参入で成功。P&Gのマーケターも転職するほどの、優れたマーケティング力が強みの会社よ。

 

ロート製薬が優良企業である3つの理由

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