Q. コンサルは成果を出せないとすぐクビになりますか?

A. 現在はそうでもありません

いわゆるUp or Out(昇進出来なくば去れ)という文化があると言われるコンサルティング業界ですが、それはもはや昔の文化だと考えてよいでしょう。数年以内に昇格を果たせない人間は、そのファームから退職しなければならない(=クビ)という文化は、確かに以前のコンサルティング業界にはありました。そういったUp or Outを採用していたのは、コンサルタントの質を高く保つことが目的であり、組織の新陳代謝を激しくして常に質の高いファームであろうとしていたからです。かつては、20人の新入社員は1年後には半分が退職していた…という状況も珍しくありませんでした。

現在ではUp or Outではなく、「Up or Growth」や「Up or Stay」という言葉が用いられるようになり、成果が出せないからといってすぐにクビになるということはほとんど見受けられなくなりました。戦略系コンサルティングファームのアーサー・D・リトルなどは、公式ホームページで「何年以内に昇進しなければならないといったルールは一切ありません。」とまで明言しており、新入社員の若手をじっくりと育てていこうという姿勢が伺えます。また、ファームとしても簡単に社員のクビを切ることができるような状況ではなくなってきているとも思えます。現在はコンサルティングファームが受注している仕事の量が多い時代のため、コンサルティングファームは慢性的な人手不足に陥っています。そのような状況のもとでは、簡単に社員を解雇するわけにはいかないのです。ファームによっては新卒採用を50~100人ほど行うところもあり、コンサルティング業界も人手不足であるというのが現状です。

とはいえ、いくつかのファームではUp or Outを維持しているところもありますし、昔ほどではないにしろ成果を出せない社員に対して退職を勧告するファームも存在します。マッキンゼーやベインなどは今でもUp or Outを採用していると言われ、容赦のない解雇通告が飛んできます。ベテランのコンサルタントからすると、今のコンサルティングファームは優秀でない者でも残れてしまい、物足りなさを感じています。コンサルタントの質が下がってしまうと、人材こそ会社資本であるはずのコンサルティングファームはサービスの質が落ちることになり、周囲からの信頼も失ってしまうでしょう。

まとめると、現在では成果を出さなくともファームに残れます。とはいえ、自分が評価さない所で働いても、ただ自分の若さと未来を消費するだけになるかもしれないので、自主的なUp or Outは考えておくべきかもしれません。
 
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