前回のピラミッド構造の説明でなんとなくロジカルシンキングのイメージは湧いたかもしれません。とはいえ、前回で学んだことは構造の形だけで、まだ不十分です。この構造になってさえいればいいというわけではないのです。では、さらに必要なこととは?まずはピラミッド構造のてっぺんから見ていきましょう。
それって、答えになってる?
ピラミッド構造の頂点に来るのは、あなたが伝えたいたったひとつのメッセージであるはずですよね。ところで、それは本当に相手の求めていることなのでしょうか。この人、自分の知ってることや言いたいことを並べるだけで質問に答えていないなぁと感じたことがあるのではないでしょうか。いくらピラミッド構造になっていても、よくよく考えると的外れであったり不十分であったら、意味がないのです。まず一番てっぺんに来る主要メッセージが問いに答えているのか?これを意識しましょう。
導入部を書いてチェックしよう
では具体的にどうチェックするのでしょうか。ここで大切なのが導入部です。導入部は簡単に言えばいままでのあらすじですね。もちろん書かれていることは読み手も共有していることでなければなりません。導入の時点で疑問を沸かせてしまったらそれに答えなくてはなりませんから、問いをうまく共有できなくなりますよね。言い換えれば導入は状況の整理で、読み手の感情は「あーそうだったそうだった。今こういう状況だったね」と現状の再確認になっていなければなりません。そして、知ってることを思い起こされた読み手が「で、どうするの?」と感じる。これに端的に答えられていれば、ピラミッドのてっぺんに来るメッセージとしては合格です。
サンプルを以下に掲載します。テニスサークルに所属するA君が会議に向けてレジュメを作っています。
昨年度より部員の人数が大幅に増加したため、テニスコートを十分に確保することが難しくなっている。とはいえ、部員の増加は会費を増やすことで備品の刷新や新たなコートの確保に繋がるかもしれない。では、来たる4月に本格化する新歓活動において、我々は新たな部員を積極的に勧誘するべきなのか?
私は、するべきだと考える。理由は4点ある。それは…
部員の増加によるコートの不足、でも部費が増えると色々ウレシイ…というジレンマが状況の整理です。このジレンマに直面したら誰でも、「じゃあ部員を増やせばいいのか増やさなくていいのか、どっちなんだ?」と思いますよね。これが疑問。以上の操作により、参加者の全員が問いを共有できることが何よりも重要になっていることをあらためて確認してください。
最後に、その疑問に対して端的に答えていますよね。端的に答えることも大事です。YESかNOか、A案なのかB案なのか、はっきり述べましょう。これがピラミッドのてっぺんになります。
Q&A形式で降りていく
これまで、ピラミッドのてっぺんに適切なメッセージが来ているかを確認しました。では、てっぺんより下の部分に適切な要素が配置されているかはどうチェックするのでしょうか。これも原則はてっぺんと同じで、問いに答えているかがポイントになります。というのも、てっぺんに来るメッセージ自体、疑問を喚起しますよね。上の例で言えば、部員を増やすべきだ!がてっぺんに来ていますが、それに対して「え、何で?」と思いますよね。それに対してQ&A形式で下段を設置するのです。つまり、それに答える。上の例で言えば、理由を4点挙げていますが、これが二段目ですね。そしてもちろん二段目のそれぞれについても、本当にそうなのか?と疑問を沸かせるならさらに下の段で支えてあげなければなりません。こうして読み手の疑問が尽きるまで下にピラミッドを伸ばしていけばよいのです。
いかがでしたか?前回と合わせて、だいぶピラミッド構造のイメージがついてきたのではないでしょうか。
次回は、自分が何を言いたいかをハッキリ確定できない場合のピラミッド構造の作り方を解説するので、是非参照くださいね。
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