企業変革を支える
戦略コンサルティングビジネスの魅力
【コンサルタントの道 vol.17】

sponsored by 株式会社ローランド・ベルガー

「変容する事業環境に応じて、コンサルタントの役割やキャリアについてもアップデートが必要」。そう話すのはローランド・ベルガーのプリンシパルであり、デジタル庁でもプロジェクトマネージャを務める横山浩実さんです。横山さんは社会課題解決を通じて世の中をより良くしていきたいという想いを実現するために、様々なファームやソフトウェア企業を経て戦略コンサルティングファームに参画しました。

連載「コンサルタントの道」第17弾では、横山さんがこのような意思決定に至った背景や価値観、戦略コンサルサルティングビジネスの魅力などについてお話を伺いました。

目次

プロフィール
理論や技術より思考力で勝負する。戦略コンサルタントとしての強み
変容する事業環境において求められる高度なスキル
多様性を受け入れ、様々なバックグラウンドを持つ精鋭が集まる組織
3つのコアバリューを軸に、グローバルで発揮する価値
ファームとして重視する、持続可能な社会に向けた価値創造
デジタルを通じた企業変革支援の醍醐味
変化への柔軟性と思考バランスを保ちながら、多様性を意識したキャリアを

プロフィール

横山 浩実さん

株式会社ローランド・ベルガー 
プリンシパル

東京大学大学院工学研究科機械工学専攻修了。シンクタンク、コンサルティングファーム、ソフトウェア会社を経て現職。行政機関や公共機関向けサービス提供事業会社等に対し、デジタル事業戦略、風土・組織改革、標準化を通じたコスト・ビジネスモデル刷新、業務プロセス改革及びシステム導入などのプロジェクト経験を豊富に有する。2022年6月現在、デジタル庁のプロジェクトマネージャとしても勤務しており、我が国の行政サービス等のデジタル化推進の役割も担っている。

理論や技術より思考力で勝負する。戦略コンサルタントとしての強み

 ──初めに横山さんのこれまでのご経歴について教えてください。

私は東京大学大学院工学系研究科を卒業したのち、新卒で日系シンクタンクに入りました。その後、米IT系と米監査法人系のコンサルティングファーム、ソフトウェア企業を経験し、現在はローランド・ベルガーに所属しています。また、兼業として、独立行政法人情報処理振興機構での試験委員、デジタル庁でプロジェクトマネージャも務めており、3足の草鞋を履いて仕事をしております。

ローランド・ベルガーでは経営×デジタルに関する深い知見を活かしながら、先進技術を経営に活用するためのコンサルテーションを提供しています。またデジタル庁では、デジタル×公共業界で20年以上にわたり価値提供してきた経験を活かして、国民向け行政サービスの社会実装に関する仕事をしています。これらに共通するテーマがDXによる社会課題解決であり、民間公共双方向から世の中をよくしていくことに従事していると自負しています。

学生時代は数学や物理が得意だったので、博士課程に進学し研究者になる道も考えましたが、理論や技術そのものよりも思考力で勝負したいという考えが強く、新卒でシンクタンクに入りました。そこから官公庁のコンサルティングを通じた社会改革支援や、デジタルを用いたビジネス変革支援に携わるなど、様々な経験を重ねてきました。

その中で戦略コンサルタントとしての強みである、傾聴力・俯瞰力・判断力の3つを養いました。傾聴力は、状況を読み解き真のペインなどを理解する力。俯瞰力は、個々の詳細な状況を理解しながらも全体像を把握していく力。そして判断力は、選択肢が多数ある中でゴールに向けて取り組むべきことを決める力です。

変容する事業環境において求められる高度なスキル

──戦略ファームや戦略コンサルタントを取り巻く環境の変化をどのように捉えていますか。

現在は目まぐるしく変容する事業環境を先読みし、未来構想やビジョンを提示しながら、ありたい姿を目指す“Future Pull経営”が求められる時代です。わずか数年でそうしたありたい姿に到達するためには、現状のしがらみを捨て去り大きくジャンプアップする必要があるため、戦略コンサルタントにもその実現に向けたアプローチの提供が強く求められます。

例えば、通信領域では携帯電話がコミュニケーションツールからサービスプラットフォームへと変化を遂げました。また移動手段の一つだった自動車も、最近は業界全体でモビリティサービスへの転換に向けて舵を切っています。ヘルスケア領域においても、病気を治すことから予防することに力が注がれるようになりました。

このように様々なビジネスモデルが変化するなかで、戦略コンサルタントに求められるスキルはより高度化しています。これまではカスタマー・コンペティター・カンパニーを分析対象として戦略を立てていくことが基本とされてきましたが、最近はそれに加えて、例えばデジタル・データアナリティクス・エグゼキューションの戦術をどのように提供するかまで求められるようになっています。

戦略を立て戦術を明らかにすることと、その実行方法がより密接に関わるようになってきているので、実際に戦略コンサルティングでどこまで伴走型で支援するかは別として、当然のように戦略コンサルタントにも戦略・戦術に加えてそれを実行する際のエグゼキューションに関する知見が要求されます。

また戦略コンサルティング自体も、価値創造の方法が変化しつつあります。これまで各社のビジネスは上流から下流まで関連するビジネスの流れを意識して価値を最大化させる垂直統合型を基本としていたのに対し、近年は会社の枠を超えた協力を促しながら変革を進めていく水平協働型へとシフトしています。

そのため、ビジネスバリューチェーンに対しての戦略だけを考えるのではなく、より広いビジネスのエコシステムを対象として、ビジネス全体の参謀のような役割を私たちが担うことも増えています。

多様性を受け入れ、様々なバックグラウンドを持つ精鋭が集まる組織

──横山さんが戦略ファームの中でローランド・ベルガーを選んだ理由を教えてください。

コンサルタントは、論理性や効率性は大事にしながらも、新しいことを学び続けて成長していくことが大事だと考えているので、勤務先が挑戦と失敗をさせてくれる度量があるかどうかは重視したポイントの一つです。例えば、尖ったキャリアを構築するためには、ひとつ上の役割を任せてもらい、プロジェクトを動かしながらLessons Learnedで得意を伸ばしていけることが重要だと思います。

また、これからの社会では多様性がより重要になると考えているので、多様性を一つの価値として捉え、それを有効活用することを志向している環境を選びました。わかりやすい例で言えば、ローランド・ベルガーではヘルスケア領域を手がけるコンサルタントの中に、医師免許を取得して臨床現場で仕事をしていた経験を持つメンバーがいます。

私の場合は、デジタル庁のプロジェクトマネージャとして勤務を継続する前提で、デジタル領域で政策目線も含めて社会課題解決を得意とするスペシャリストとして機能し、また、子育てをしながらもプロフェッショナルとして働けることを重視していたので、ローランド・ベルガーは魅力的な環境でした。

現在、東京オフィスには100名ほどのコンサルタントが在籍していますが、過去も未来も規模を追求するファームではなく、多様なバックグラウンドを持つ精鋭が集まる組織を目指しています。多様性を受け入れそれを活かしたコンサルティングを提供することで、ファーム全体としてより大きな価値創出が可能だと考えています。

3つのコアバリューを軸に、グローバルで発揮する価値

──ローランド・ベルガーの特徴やグローバルでの取り組みについて教えてください。

ローランド・ベルガーは欧州に起源のある戦略ファームです。戦略ファームの多くは米国起源なので、欧州系というのは非常に稀有な存在です。コンサルタントは全世界に2400名おり、東京オフィスは1991年にできました。

当社はコアバリューとして、アントレプレナーシップ・エクセレンス・エンパシーの三つを掲げています。自律的に考え行動し、リスクをとってでも新しい道を切り開くことに挑戦するアントレプレナーシップ。実現可能で持続的な戦略を描き、目に見える成果を残すことを追求するエクセレンス。そして寛容と尊重の精神と情熱を持ち合わせながら、お客様と一緒に世の中を変えていくエンパシー。これら3つのコアバリューが一人ひとりのコンサルタントやファーム全体に根付いていると感じます。

出典:ローランド・ベルガー

またインダストリー×ファンクション×テクノロジーという3つの軸で、それぞれの知見を活かしながらプロジェクトに取り組んでいるファームです。ローランド・ベルガーは自動車などの製造業に強いというイメージがあると思いますが、他にもソフトウェアや金融、消費財、M&Aや中期経営計画などの戦略策定、組織変革、新規事業、最近はデジタルトランスフォーメーションにも力を入れています。

グローバルと緊密に連携しながらプロジェクトを推進しているのも特徴です。東京オフィスだけでも外資系企業や投資ファンドなど海外クライアントの案件は豊富ですし、グローバルでチームを編成して国を跨いで進めるクロスボーダー案件も多数あります。実際に私もグローバルのデジタルとパブリックセクターのチームに参加し、ナレッジ共有やパイプラインの共有をしながらプロジェクトに携わっています。

国内のクライアントからもグローバルで事業展開したいという要望は増えているので、そうした企業を支援するために、シンガポールとタイにアジア・ジャパンデスクを設けています。

ファームとして重視する、持続可能な社会に向けた価値創造

──コンサルティングにおいては、どのようなことを重視しているファームなのでしょうか。

ローランド・ベルガーは持続可能な社会に向けた価値創造に重きを置いているファームです。そのために大事にしているのが、持続的繁栄を自社の存在意義から志向する「未来起点」。自社や自国だけの覇権的横展開ではなく、どのように多様性を受容し協調していくかという「協調・協働」。そして広範囲な利害関係者、つまり「ステークホルダーへの配慮」の3つです。

また戦略・戦術・実行まで一貫した価値創出をおこなうために、価値共創ネットワークというエコシステムを構築し、尖った価値を持つプロ集団との連携を図っています。それにより私たち戦略ファームと価値共創ネットワークに参画している企業の価値を掛け合わせ、ビジネス戦略から実行まで一気通貫で価値創出をしていくことが可能です。

——価値共創ネットワークを活用した、具体的な取り組みについて教えてください。

企業に埋もれている技術を使ってどうすればイノベーションや新規事業を生み出すことができるのかを考える際に、価値共創ネットワークのパートナー企業が保有するイノベーションデータベースを活用して、技術の転換の道筋を探ることがあります。

例えば、電力会社の電柱メンテナンス技術を用いて位置情報サービスを提供したり、精密機器メーカーのデジタルカメラの技術をスポーツの高度画像解析に応用したり、埋もれている技術をジャンプアップさせて新たなビジネスに転換していくアプローチに取り組んでいます。さらにそれをビジネスとして軌道にのせるためには、収益を生み出す仕組み作りも欠かせないので、技術の転換だけではなく事業開発まで支援しています。

デジタルを通じた企業変革支援の醍醐味

——横山さんが長年携わっている、デジタルを通じた企業変革支援についても教えてください。

この10年で世界経済は順調に成長し、マネーサプライは3倍ほどに膨れあがっていますが、行き場のないマネーをどのように活用していくのかという新たな課題も生まれています。

同時にデジタルイノベーションが大きく進展し、生活の中でもデジタルが活用される時代になりました。デジタルイネーブラー(デジタル施策実施の支援者)による新陳代謝が始まっている状況下では、現在デファクトを提供している成熟企業であっても、既存の価値創造の手法を変革し、新しい価値を生み出していかない限り、先行するデジタルディスラプターに飲み込まれてしまいます。企業が過去の延長線上のことしかやらずに自分の殻を破ることができなければ、持続的な成長を遂げることはますます困難になっていくでしょう。

私はこのような“前例踏襲の呪縛”からの変革を必達目標として掲げ、長年デジタルを用いた企業変革支援に取り組んできました。これまで人間の力だけでは認知すらできなかったことや実現できなかったことを可能にするために、経営や新規事業にデジタルを取り込んで変革を促していく仕事です。

近年は経営にもITやデジタルへの深い理解が求められるので、経営トップの良き参謀として、IT部門が事業だけでなく経営全体に積極的に関与していく必要があります。そのために事業ドリブン型のIT部門をつくり、最適なIT投資とアセット蓄積をおこない、さらにITとビジネスを繋ぐ人材育成が必要です。

これから企業を支えるのはデジタルの基盤であり、人や組織がデジタルに沿っていなければ事業は機能しません。だからこそ正しい失敗を繰り返しながら、どのようにトランスフォーメーションを進めていけば最終的には企業変革を実現することができるのかを明らかにすることがとても重要になってきています。

そうして顧客の満足度や売上・収益の向上だけではなく、組織内部の従業員も含めてあらゆるステークホルダーや社会的インパクトの大きさまでを考慮し、戦略を実現していくことこそデジタルを通じた企業変革支援の醍醐味です。

また企業に限らず、デジタル庁で取り組んでいることもまさにデジタルを通じた社会変革です。これまで縦割りだった行政の枠組みを一度壊して、横軸の適切な連携を可能にし変革を促していく役割であり、今後の社会にとって非常に意義のある重要な仕事だと考えています。

変化への柔軟性と思考バランスを保ちながら、多様性を意識したキャリアを

——事業環境や業界の変化に合わせて、学生の皆さんはコンサルタントのキャリアについての考え方をどのようにアップデートしていくべきでしょうか?

私は20代、30代を戦略ファームで過ごしたわけではありませんが、様々なビジネスに伴走してきた経験が現在の戦略コンサルタントの仕事に活きています。

若いうちから行政向けコンサルテーションに従事する中、ガイドラインの整備や制度設計、大規模PMOなど、世の中の仕組みづくりの上流から下流までのビジネスプロセスを経験し、その際には中央省庁や独立行政法人、市区町村など大小様々な規模の仕事に携わりました。また、デジタル関連ではITコンサル、SIer、クラウドベンダー、マーケティング会社、コールセンターなど、上流から下流まで様々な機能や役割を担う人たちと一緒に仕事をし、それが戦略コンサルタントとして戦略・戦術・実行支援を考える際の礎になっています。

これまでのコンサルタントは新卒か中途、もしくはMBA経由でコンサルファームに入り、その後は業界を転々とするというキャリアパスがほとんどでしたが、20年前と現在は全く違います。皆さんはこれから50年近く仕事をすることになるので、何をもってコンサルティングファームに入り、コンサルタントとして生きていくのかが極めて大事になってきます。

私は20代、30代で様々な領域に携わった経験を活かし、今、「社会課題解決を通じて世の中をより良くしていきたい」という想いを実現するために、戦略コンサルティングファームで仕事をしていますが、皆さんには変化への柔軟性と思考バランスを保ちながら、ご自身の独自性や強みを磨くことをおすすめします。そして「どのように多様なスキルを身につけて進化していけるか」を意識してキャリアを歩んでもらいたいと思います。

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