ビジネスと社会貢献が比例する
次世代に問われるコンサルタントの真価【コンサルタントの道vol.15】

sponsored by ボストン コンサルティング グループ

ボストン コンサルティング グループのManaging Director & Partner(以下、MDP)であり、社会貢献グループの日本リーダーとして活躍する折茂美保さん。MBA取得や3度の出産を経て、現在はコンサルティングを通じてクライアントや社会への価値提供に邁進しています。

今回の連載「コンサルタントの道」第15弾では、そんな折茂さんがどのようなキャリアを歩み、社会や企業に対してどのように“Unlock the Potential”を実現しようとしてきたのか、などについてお話を伺いました。

目次

プロフィール
新卒でBCGに入り、MBA取得や出産を経てMDPになるまで
日本の産業を支える人材を育て、社会や企業のPotentialをUnlockする意義
BCGが取り組む、インパクト最大化のための価値提供
チームでの成果にこだわるBCGのコンサルティングスタイル
次世代を担うコンサルタントに求められる素養とは?

プロフィール

折茂 美保 さん

Managing Director & Partner
社会貢献グループ日本リーダー

2005年にBCGに入社。BCG社会貢献グループの日本リーダー。パブリックセクターグループ、ハイテク・メディア・通信グループ、およびコーポレートファイナンス&ストラテジーグループのコアメンバー。中央官庁や自治体向けの中期戦略の立案や実行支援の経験が豊富。また、通信、小売、消費財など幅広い業界の企業に対し、新規事業戦略の策定、新規事業立ち上げ支援、アライアンス、マーケティング戦略、人事・組織・業務改革などのプロジェクトも手掛ける。

新卒でBCGに入り、MBA取得や出産を経てMDPになるまで

 ──まずはじめに、折茂さんがコンサルタントとしてどのような17年間を過ごしてきたのかお聞かせください。

私は2005年にBCGに入社し、最初の4年間はTMT(Technology, Media, Telecom)の中でも特にTelecom領域に軸足を置き、消費財や金融などのコンサルティングにも携わりながら様々な経験を積みました。

その後MBA取得のために海外に赴き、2011年に帰国してから1年ほどでプロジェクトリーダーに昇進しました。その後3度の出産を経験し、現在は子育てをしながらMDPとしてコンサルティングに携わっています。

現在私が携わっているPubulic Sector(以下、PS)と呼ばれる領域は、BCG Japanでは2017年頃から本格的に立ち上がりました。そのタイミングで、会社から「PS領域の仕事に携わってみないか」というオファーがあり、私自身の興味関心が高い領域だったのでTMTからPSへと軸足を移し、プリンシパル、パートナー、そしてMDPとして現在に至ります。

これまでコンサルタントとして様々な経験をしてきましたが、PSの領域に携わるようになってあらためてコンサルティングの面白さや奥深さを感じているところです。

──新卒でコンサルタントになった当初は、社会人経験がない中でどのように実現可能性の高い戦略を立てていたのでしょうか?

「新卒でコンサルファームに入ってすぐに価値を出せますか?」という質問はよくいただきますし、私自身も父から「社会人として経験を積んでからいくべきところなのでは」と言われた経験があるので、社会人経験がない中でコンサルタントという職業を選ぶことを不安に思う気持ちはわかります。

しかし実際にコンサルタントになって感じるのは、「あまりそうした懸念を抱く必要はなかった」ということです。コンサルティングの世界では、数十年の経験があるクライアントの経営者や他のコンサルタントと一緒に仕事をすることがほとんどです。たとえ他の企業で数年働き、一定の領域で多少の知見があったとしても、それだけで戦える世界ではありません。

私は新卒でBCGに入社しましたが、いくらフレームワーク思考を用いたりシャープな仮説を出したりしてもシニアコンサルタントには及びません。そのため、価値を提供できるように自分なりの工夫をし、クライアントの経営者やシニアコンサルタントが知らないような情報を届けるということを意識して取り組みました。たとえばB to Cの消費財のプロジェクトを手がけた際には、自分がその商品やサービスを実際に使ってみてユーザーにとって面白い観点を徹底的に探ったり、実際に工場の生産現場まで足を運び、そこで働いている方々の困りごとを具体的に把握したりしました。もし中途で入社してコンサルタントになったとしても置かれる状況は同じですし、戦い方はあまり変わらないと思います。

またクライアントに対して説明するためにロジックは大事な要素ですが、「なぜそれがクライアントにとって大事なことなのか」、「なぜ、大事だと分かっていてもなかなか相手が動かないのか/動けないのか」ということを掘り下げ、つまびらかにすることも必要です。いくらロジックとしては正しい提案だったとしても、クライアント側で戦略を実行に移す際にロジックだけでは解決しきれないハードルがあることも多々あります。その場合、それらのハードルにまで配慮した解決策を提示することで、「確かにそれであれば動ける」とクライアントに納得いただけて、戦略の実行に向けて動き出していただけるようになります。

日本の産業を支える人材を育て、
社会や企業のPotentialをUnlockする意義

──現在コンサルティングを手がけている領域について、少し詳しく教えてください。

私が実際に携わっているプロジェクトをいくつか挙げると、経済産業省とともに推し進めている『未来の教室』や『AI Quest』というプロジェクトがあります。

最近、『GIGAスクール構想』という言葉を見聞きする機会が増えたと思います。未来の教室はまさにこれからの日本の産業を支えていく若い世代に対する「これまでと同じような教育を続けていて良いのか」、「これからの世の中に必要な力をより幼い頃から養っていくべきではないか」という問題意識から立ち上がったプロジェクトです。

プロジェクトでは、これからの教育のあり方を唱えているアカデミアの先生をはじめ、すでに新たな教育について考え、実践している教育現場の先生や教育委員会の方々などと一緒になってディスカッションをしたり、研究会を開いたりしています。さらにEd-Tech事業者の方々なども交えて目指すべき教育の未来像を定め、経済産業省と一緒に政策提言に取り組んでいます。また、その未来像をどうやって実現していくのかについても具体的な議論を重ね、全国各地で多くの実証事業をおこなってきました。未来の教室は2018年にスタートしてから4年ほど経ちますが、様々な場所で変化の芽が生まれ、それが定着しつつあると感じています。

もう一つのAI Questも教育や人材育成がテーマですが、こちらは主に20代以上の大人の教育を目的としたプロジェクトです。

デジタル人材は世界的に不足している状況ですが、日本においても同様の課題を抱えており、今後もデジタル人材の不足という問題は避けては通れません。そうした状況下では、ただデジタルのスキルや知識がある人材を育成するだけではなく、実践的な学びの機会を提供することを通じ、実際のビジネス課題・社会課題を解決できるような人材を育てていく必要があります。そのような人材を世の中に多く輩出すべく、BCGが2019年度から主体となり進めているプロジェクトがAI Questなのです。

AI Questでは、プロジェクトベースドラーニング(PBL)と呼ばれる実践的な課題解決の手法を取り入れたプログラムを作り、2019年度は200人、2020年度は700人、3年目となる2021年度は900人の方々に受講していただいています。PBLのプログラムデザイン・運営だけでなく、企業と連携して、より実践の機会が得られるAI人材と企業の協働プログラムなども開催し、ビジネスや社会の現場で活躍できるような人材輩出に取り組んでいます。

様々なステークホルダーの可能性を引き出すこうした取り組みは、まさに当社が掲げる“Unlock the Potential”に通じる部分だと感じています。

BCGが取り組む、インパクト最大化のための価値提供

──最近は戦略ファームも実行フェーズにまで携わることが増えているようですが、その背景にはどのような理由があるのでしょうか。

30年前、40年前の戦略ファームはまさに上流から戦略を描くということだけをやっていましたが、そのままクライアントの中で戦略が実行されず、絵に描いた餅で終わってしまうこともありました。そうした中、BCGはインサイト、インパクト、トラストという3つを掲げてそれらを追求してきたファームであり、特にインパクトには強いこだわりを持っています。戦略と実行の両輪を回すことでインパクトを最大化できるのであれば、BCGとして取り組む価値があるのではないかという考えから、最近は必要に応じて上流の戦略設計から実行まで含めたご支援もおこなっています。

たしかに私が入社した2005年頃に比べると初期戦略だけではなく事業の形を作ったり、オペレーションの改善をおこなったり、実行フェーズまで含めたご支援をする機会は増えています。戦略を考える人と実行する人が異なると、本来意図していたことが正確に伝わらずに魂のこもっていない戦略が一人歩きしてしまい、期待していたほどの成果が得られないこともあるので、インパクトの最大化のためにクライアントに伴走していくことも必要だと考えています。

──そうした中で、総合ファームとの違いはどのような所にあると考えていますか?

基本的に、CEOやCXOなど経営者が抱えている悩みや課題の解決に取り組むのがBCGの特徴の一つです。もちろん、課題の特定や解決策の実行に向けては、クライアントの役員だけでなく、経営幹部や現場の方々などと一緒に取り組んでいます。

また、上述の通り、戦略の実行支援まで行う場合もありますが、クライアントに永遠に伴走し続けることが最善の選択だとは考えていないので、しかるべきタイミングでケイパビリティを移管し、イネーブルメントしてクライアントが自走していけるようにすることを目指しています。こうした点が、BCGの特徴だと考えています。

BCGは1963年に米国ボストンで創業しましたが、世界で2番目にできたオフィスが東京です。日本国内では1966年からコンサルティングを手がけているので、10年、20年、30年とお付き合いが続いているクライアントもいらっしゃいます。当然クライアントも成長し、BCGに対する期待もどんどん高まっているので、これまでの延長線上の議論ではなく一歩でも半歩でもクライアントの未来を見据えてどのような戦略をとるべきかを考えていく必要があります。そのためにクライアントができることはクライアントに実行してもらい、あくまでも私たちは少し先の未来を一緒に創っていくためのパートナーとして価値を提供していくというスタンスです。

チームでの成果にこだわるBCGのコンサルティングスタイル

──戦略だけではなくITの開発から保守運用まで含めたコンサルティングを提供する方がビジネスとして安定性が高いという考えもあると思いますが、その辺りはどのようにお考えですか?

「お客様に対してどのような形で価値を出したいか」という考え方次第なので、どちらも正しい選択だと思います。ITエンジニアやITコンサルタントも重要な仕事ですし、今後も安定的に需要はあるかと思います。一方、VUCAの時代と言われて久しく、昨今の気候変動問題や、地政学上のリスクの高まりなどを踏まえると、今後の先行きの不透明さはより高まることが確実視されています。そのような中、この先に起こり得る課題を検討し、その解決策をクライアントと共に探ることへの需要はより高まると考えています。そのようなことをクライアントとディスカッションしながら考えていくことが好きな人にとっては戦略コンサルタントが向いていると思います。自分にとって楽しく、一番心地よく価値を出せる方法は何かということが大事なのだと考えています。

──実際にBCGではどのような体制でプロジェクトを進めているのでしょうか。

平均的なプロジェクトチームのサイズは、MDP1~数名、ケースリーダー1名、コンサルタントとアソシエイトがそれぞれ1~2名です。とはいうものの、プロジェクトのフェーズや規模によって、柔軟に体制を組んでいます。例えば、戦略策定のフェーズでは、上述のような平均的なプロジェクトチームサイズで対応し、実行支援の初期は、よりチームサイズを大きくして戦略実行を加速化、実行支援の後期になるとチームサイズを小さくしてクライアントチームへのケイパビリティ移管を進める、といった形で柔軟に対応しています。

またBCGでは、MDPがプロジェクトに深く関わることが多いです。他のコンサルティングファームではMDPクラスが案件を取ってきて、ケースリーダー以下、アサインされたメンバーがアウトプットをまとめるといった形式も多いようですが、当社の場合は案件を取ってきたMDPが案件の成果にコミットするべく、プロジェクトの最初から最後まで深く関与します。

特にコンサルティングにおいて鍵を握る最初の問いの設定は、MDPが担うべき重要な役割です。クライアントからご相談をいただいた論点が正しいのか精査し、もし解くべき問いを変更すべきと我々が考えるのであれば、論点自体を変えることからご提案します。

また、BCGでやってはいけないと言われているのは、自分の力だけで物事を解決しようとすることです。クライアントが抱えている課題は極めて多岐にわたるので、自分一人で解決できることは限られているからです。例えば、関連するテーマに詳しい複数のMDPと連携する等、適切に他の人の力を借りることにより、クライアントに提供できる付加価値を最大化させることが重視されています。

例えば最近は、自動車メーカーが解決したいことは自動車の課題だけではなくなりつつあります。カーボンニュートラルへの対応を推し進めるためには産業財への知見が求められますし、AIを用いた自動運転技術の開発などにはソフトウェアへの理解も必要です。もし自動車メーカーのコンサルティングを30年経験してきたとしても、これまでの知見だけでは戦えなくなってきているので、お客様の本質的な課題を解決するためには自力で物事を解決するのではなく、適切に他の人の力を借りながらプロジェクトをまとめあげていくことが求められます。

次世代を担うコンサルタントに求められる素養とは?

──戦略コンサルタントの価値はどのような所にあると考えていますか?

クライアントも私たちも世の中がこれからどうなっていくのかは正直わかりません。一国の大統領が代わることでその影響が他国の経済にまで及んで不安定な情勢になったり、地球規模での気候変動が特定の地域に深刻な環境被害をもたらしたり、先行きは不透明です。また多様な価値観がいい形で作用することもあれば、それを過度に重視するあまり、物事を決められないというような状況も起きています。

さらに現代は多くの情報にアクセスできるので、ただコンサルタントが情報を集めて整理するだけでは価値がないと考えています。これから先に直面するであろう課題の抽出や本来目指すべき理想的な姿を描き、いかに実現に導くかが私たちコンサルタントの担うべき役割です。それこそがコンサルタントの唯一の付加価値なのかもしれません。

──では、折茂さんが考えるコンサルタントとして大事にすべきことについて教えてください。

不確実な世の中では、自分の幸せや正解を自分で作っていくことがとても大事なことだと思います。先人と同じようなキャリアを歩んだり、他人にレールを敷いてもらったりすることはある意味で楽な選択です。自分の強みやメリットだけではなく、自分が本当は何をしたいのかということに素直に向き合い、たとえ失敗したとしても自分はこうしていきたいということを考え抜き、言い切れることが大切なのではないでしょうか。

私も解かなくてはいけない課題の大きさを考えると、本音では逃げ出したくなるようなこともたくさんありますが、それでも一つひとつの山を乗り越えていくと新しい景色が見えたり、次の山が見えたりします。自分一人で何かを成し遂げることは難しいですが、もしやりたいと思うことや大事だと思うことがあるのであれば、色々な人の力を借りてでも、逃げずにやりきるということも大切だと思います。素直に自分の課題に向き合い、周囲のアドバイスを受け入れて昇華させていくことができる人には、様々な人が手を差し伸べてくれるでしょう。

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