A:どちらを選ぶかはご自分で決断すべきです。ただ、コンサルティングファームに新卒で入社したあと、やっぱり他の会社に行きたいと思い転職するということも可能です。
『Q. 新卒で外資コンサルに入社するキャリアは危険ですか?』というQ&Aでも書きましたが、最初の一社というのは非常に重要です。コンサルティングファームをキャリアの一歩目に選び、その後は他の事業会社に転職して活躍するという人は珍しくありません。コンサルティングファームで積んだ経験や獲得したスキルは、どんな業界にいっても通用するものであるため、実は他業界に転職して活躍する人が多いのも当然のことだといえます。
こうして考えてみると、「迷ったらコンサルティングファームに入社して、やっぱり他の会社で働きたいと思ったら転職をする」という方針でも問題はないと思われます。
また、よくある誤解として「新卒よりも中途のほうがコンサルティング会社に入りやすいらしいから、新卒では他の会社に行こう」という考えがあります。マッキンゼーで12年間、人事として採用活動を行ってきた伊賀泰代さんは、ベストセラーとなった著書『採用基準』の中でこう語っています。
「採用マネジャーとして応募者に会っていると、『この人が新卒の時に受けに来ていたら内定が出せたかもしれないけど、中途採用として受けに来ている今のタイミングでは、採用は難しい』と感じることもよくあります。」(同書p82)
このように、新卒でコンサルティングファームを受験していれば内定が得られたであろう人も、中途採用として受験するとなると内定がでないということは珍しくないのです。
では、なぜそのような現象が起きるのでしょうか?伊賀さんは本書の中で続けてこう語ります。
「特に深刻な問題は、学生の頃には自由かつ大胆に思考できていた人が、保守的な大企業で最初の職業訓練を受け、仕事のスピードや成果へのこだわり、ヒエラルキーにとらわれずに自己主張することや、柔軟にゼロから思考する姿勢を失ってしまう場合があることです。」(同書p83)
つまり、最初の一社目に保守的な大企業をなんとなく選んでしまうと、コンサルティングファームで求められるスキルや能力が奪われてしまう場合もあるということです。
いかがでしょうか?世界的にも1,2位を争う超トップファームであるマッキンゼーにおいて、12年という長期間採用マネジャーを務めた伊賀さんの言葉には、他の人にはない説得力があります。
とはいえ、コンサルティングファームでない事業会社にも素晴らしい会社はたくさんあります。コンサルティングファームにもメリットやデメリットは存在しますし、同様に事業会社にもメリットやデメリットは存在します。大切なことは、コンサルティングファームに入るにしろ事業会社に入るにしろ、自分で納得し、自分で決断をすることです。
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