Q.コンサルティング業界の就活で読むべき本を教えてください

コンサル就活のための必読書 18選

就職活動において情報は非常に重要であり、その入手手段として本を読むことは有効です。今回はコンサルティングファームの就職活動中に読んだほうが良い本について、種類毎に紹介します。

目次

1.コンサルティング業界・仕事内容の理解
2.選考対策
3.コンサルタントの思考法
4.領域別の仕事理解・選考対策
5.他業界研究
6.各ファームの著作物
まとめ

1.コンサルティング業界・仕事内容の理解

コンサルティング業界を志望している学生なら、1冊は読むことをお薦めします。こういった本には、コンサルティングファームに入社したらどのような仕事を任されるのか、待遇や生活はどのようかといったことを、実際のコンサルタントのインタビューも交えながら掲載しています。また各ファームの歴史や特色も載っているので、志望動機作りや逆質問の際の参考にもなります。

1.『最新コンサルティング業界大研究【第7版】 (業界大研究シリーズ)』
→仕事の基礎知識から実務、注目ファーム30社超の最新動向、選考対策まですべてがわかる定番書です。キャリアについてや戦略ファームの働き方についてもわかりやすく書かれています。就活初期の企業研究に最適の1冊です。

2.『この1冊ですべてわかる コンサルティングの基本』
→コンサルティングについて「戦略」「IT・業務」「組織人事」「財務」などの領域に分け、わかりやすく解説されています。コンサル業界で使われているツールや必須スキル、コンサルタントのキャリアパス、コンサルタントの仕事内容・一週間の生活などを中心にコンサルティング業界に入る上で必要な基本知識を網羅的に紹介されているので、業界・企業理解というよりは、コンサルタントの仕事内容、働き方について知りたい方に特におすすめです。

3.『この1冊でさらにわかる コンサルティングの基本 ベストプラクティス集』
→2つ目に紹介した本の続編になります。前作は網羅性に重点を置いているため、体系的に理解できる分1つ1つの項目について深く理解するのは難しい面がありました。それを踏まえて今作では「より深く」コンサルティングを理解することを目的として、業界を代表する各社が「戦略、総合、財務、組織人事」といったジャンルのコンサルティングの事例を分担執筆しているため、仕事内容に特化して理解を深めることができます。

2.選考対策本

コンサルティングファームを志望している学生は、「ケース面接」や「フェルミ推定」といったコンサル業界特有の選考を突破していかなければなりません。そのような選考は、選考を受ける前にどのようなものであるかを知っておくことが必要である上に、解法を知り練習を繰り返すことで選考突破の確率を上げることができます。そのため、特にそのような選考を初めて受ける人、受けた結果苦手だと感じた方は対策用の本を購読して練習しておくとよいでしょう。

1.『現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける』
→東大生ノートシリーズの1冊目。1000問のフェルミ推定を研究し戦略コンサルに内定した東大生グループが、フェルミ推定の解法を体系化。回答を導くための論理プロセスを例題を用いて、誰にでもわかるように解説されています。

2.『東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート-50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」』
→1冊目で紹介したフェルミ推定ノートの続編です。どんな難題でも「3ジャンル、5ステップ」で解ける最高の問題解決法について解説されています。

3.『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』
→フェルミ推定について、「結論から」考える仮説思考力、「全体から」考えるフレームワーク思考力、「単純に」考える抽象化思考力の全てをバランスよく学ぶことができるため、フレームワーク病に陥らずに力を身につけたい方にオススメです。

4.『世界で一番やさしい会議の教科書』
→本書では「何をすれば会議が変わるのか、実際にどう変わっていくのか」を物語を通して、分かりやすく解説しています。内容は社会人向けとなっておりますが、ここで説明している会議のやり方、進め方は、GDやインターンのグループワークで求められている「議論を推進する力」を身につけるためのヒントとなるでしょう。

5.『世界で一番やさしい資料作りの教科書』
→4つ目に紹介した「世界で一番やさしい会議の教科書」の続編となります。本書では、前作の会議に続き、資料作り、プレゼンテーションについて、物語を通して解説しています。インターンなどでプレゼンをするの機会の多いコンサル就活において大変役に立つものとなっております。

3.コンサルタントの思考法

個別の選考対策という枠を超えて、選考全体を通じて必要なコンサルタントとしての思考法や、実際にコンサルタントとして1年目から活躍するためには、コンサルタントの思考法を身につけておく必要があります。

1.『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』
→本書は、マッキンゼーをはじめとする世界の主要コンサルティングファームでライティングのコースを教えるバーバラ・ミント氏が、独自の文書作成術を解説した本です。多くの現役戦略コンサルタントが、これからコンサルタントを目指す方に読むことをオススメしています。内容はかなり難解ですので、もし難しいと感じた方は、入門編の「入門 考える技術・書く技術 日本人のロジカルシンキング実践法」を読んでから、もう一度読むことをオススメします。

2.『仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法』
→「仕事が速く、優れた成果をもたらすコンサルタントはみな、仮説をもって仕事をしている」という考えに基づき、「どうすれば早く良い仮説を立てられるか」、「仮説が正しいかどうかを、どう検証すればいいのか」などを、ビジネスの現場でよく出会うような事例を基に解説しています。こちらも社会人向けで内容が難しいため、読みにくいと感じた場合は、同じ内容を漫画で解説しているこちらの「マンガでわかる! 仮説思考」を読んでみることをオススメします。

3.『論点思考』
→1冊目と同じ著者がコンサルタントの暗黙知を解説。成果を出すには「正しい答え」でなく「正しい問い」が重要であり、「間違った問い・問題」に取り組むことは大いなる「時間のムダ」であるという考えに基づき、もっとも解決すべき「論点」を見つけ出すためのコツが書かれています。

4.『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』
→マッキンゼー出身の著者がシンプルかつ手軽に実践できる思考力を高める訓練方法が書かれています。筆者によると、日本人の多くは、限られた情報の中で現状を認識し、解決策を考え、どう動くべきかを瞬時に意思決定するのが苦手ですが、訓練さえすれば別人のように成長できるようになるそうです。そのための最適な学習方法として「ゼロ秒思考」を自身の経験から生み出しています。続編の「ゼロ秒思考 行動編 即断即決、即実行のトレーニング」も合わせて読むことをオススメします。

5.『エッセンシャル思考』
→コンサル会社のCEOを務めるグレッグ氏自身が経験した「身を粉にして働いているのに成果がまったく出ない…」という苦悩を元に、最小の時間で成果を最大にする「エッセンシャル思考」についてまとめています。

その他ロジカルシンキングを鍛える上で役立つ本の一覧はこちら>
Q.コンサル思考を鍛える対策本はありますか?

4.領域別の仕事理解・選考対策

ここまでは、どの領域のコンサルタントにも共通してオススメできる本をご紹介してきましたが、ここでは領域別に分け、仕事内容の理解に繋がる本や、特有の選考対策について解説されている本を紹介していきます。仕事内容の理解は、特に面接での「なぜコンサルなのか」「なぜこの分野・領域なのか」という質問の対策になります。

戦略コンサル

1.『戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策』
→戦略コンサルの採用プロセスにおいてもっとも重要と言っても過言ではないケース面接。戦略コンサルのケース面接は他のコンサルのものに比べ、遥かに難易度が高いため、特別な対策が必要です。本番の面接さながらのケースが計36題掲載されており、各問題に対して、面接者と面接官の議論のやり取りが示されており、実際のケース・インタビューがどのような形で進んでいくかのイメージをつかむことができます。

2.『ロジカル・プレゼンテーション 自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」』
→外資コンサルや総合商社の企業研修などでも使われることの多い本書。プレゼンテーションの技術は昨今のビジネスの現場でこれほど必要とされるスキルはないと言っても過言ではありません。提案の技術がないために、多くの「優れたプラン」が具現化されず消えていきます。本書は、そうしたビジネス上の「詰めの甘さ」を克服し、アイデアを実現するための技術を実践的に解説しています。これは就職活動においても自分という人間を正しく表現し、相手に伝える、つまり「自分自身を提案」する力を磨く上で本書は有用である上、インターンなどでプレゼンをする際に、この技術を知っていることで評価されるプレゼンをすることができるでしょう。

総合コンサル

総合コンサルティングファームは、入社後またはエントリーの時点で領域を選択することが多いです。そのため、ご自身で興味のある領域の仕事内容が書かれている本を読むと良いでしょう。

ITコンサル

1.『ITコンサルティングの基本』
→ITコンサルタントのニーズが高まるこの社会。本書は、「仕事の流れ」「コンサルタントの働き方」「ITコンサルティングの領域」「ITコンサルティングのツール」「ITコンサルタントのスキル」といったことについて、網羅的に解説しています。ITコンサルティングファームの面接でよく聞かれる「SEとITコンサルの違い」などについても理解できる1冊となっているため、「ITコンサルの仕事があまり理解できていない」という方にオススメです。

2.『マンガでわかるプロジェクトマネジメント』
→こちらはITコンサルタントがよく関わることになるプロジェクトマネジメントとPMBOKの基本をマンガでわかりやすく解説したものです。プロジェクトの立ち上げから終了までを、ストーリーを追って解説する形式でその主軸には、プロジェクトマネジメントの知識体系のひとつである「PMBOK」を使用しています。プロジェクトマネジメントを学ぶことで、インターン等をどのように進めていくと効率的に成功へ導けるのかといったことを学べるでしょう。

シンクタンク

1.『シンクタンクとコンサルタントの仕事』
→シンクタンク、コンサルタントの仕事の理解が深い就活生は、かなり少ない。タイトルからは、シンクタンク、コンサル両方の解説をしているように撮れますが、本書ではシンクタンクの仕事をメインで解説しています。シンクタンク系のファームで働くことを目指す就活生は、この本を読み、シンクタンクの仕事を理解しておくと良いでしょう。

5.他業界研究

就職四季報や業界地図本などは、就職活動において定番といわれている類の本です。たとえば日系メーカーなどを志望している学生の場合、業界内での立ち位置や業界ごとの最近の採用動向などを網羅的に知ることができるために有効です。しかし、コンサルティング業界に限っては、そもそもこういった本に情報が掲載されていないため、購入しても直接的に就職活動の手助けとなることはないでしょう。「なぜコンサルなのか」という質問の回答を用意する際に他業界との比較を用いることができるという点で、他業界研究も役に立つことがあるでしょう。

5.各ファームの著作物

コンサルティングファームは、ファームもしくは個人の名義で多数の著作物を出版していることが多くあります。こういった場合、そのファームを志望している学生は購読していったほうが良いかもしれないと思うこともあるでしょう。しかし、多くの場合このような本はコンサルティングの具体的なノウハウをまとめたものであり、コンサルティング志望している学生より社会人向けのものです。複数のファームに渡って読めばファームごとの比較を行うことができるかもしれませんが、骨が折れる作業です。もっとも直接的に役立てることができる場面は、志望動機や面接における逆質問の話題作りでしょう。

まとめ

繰り返しになりますが、就活において「情報」は非常に重要になります。根底にある考え方を学んだり、歴史を学ぶ上では書籍を用いることはかなり有効なので、ぜひ活用してみてください。

またFactLogicのサイトでは「コンサル就活」をテーマに、選考対策系のコラムや、現役コンサルタントにインタビューをして話を伺うシリーズ【コンサルタントの道】を随時更新しています。ぜひご活用ください。

※本ページに記載している情報はFactLogicが独自にリサーチ、または各種メディアから収集したものであり、企業が公表している情報ではない場合があります。

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