【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「M&A戦略」を具体事例で分析

就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『M&A戦略』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

外コンBARふぁくろじ

 

第7夜:継続的なグローバルM&A戦略で海外展開を進める「サトーホールディングス株式会社」が凄い

 

私もコンサルタント時代は、よく数えたものよ。

どうしたんですか、いきなり。外資コンサルでエクセル以外に数えることなんてあるんですか?

大手航空会社案件で、空港で3日3晩通行人数カウントしたこともあったわね。なんでだと思う?

まさか利用者人数の調査なはずないですよね。

航空会社が何かを改善しようと思ったとき、機体の種類や航路についてはすぐに修正することができない。だから……

人やモノの移動、つまり物流や導線の改善だったらすぐに取り組めて、しかも大きな効果が期待できるってことか!

あとはそうね……法学部生なら、米トレーサビリティ法は聞いたことある?

カフェにある「当店のごはんは○○産の米を使用しています」っていう、あれですね。

生産から飲食店、つまり上流から下流まですべての物流の流れが可視化されているからこそ実現した事例よ。今日は移動の「可視化」で日本トップ、世界でも2位のシェアを誇る会社の経営戦略を分析してみようかしら。

 

サトーホールディングスが優良企業である3つの理由

  1. 継続的なグローバルM&Aと海外展開戦略
  2. 国内トップシェア、世界第2位の実力
  3. 人とモノの動きを可視化する世界初の技術

 

グローバルM&Aってなんか格好良さそうですね!

知ってた? 私は『M&A戦略』が分からない男なんて、願い下げよ。

米トレーサビリティ法に関する判例ならすぐ調べられるのに……

他責思考だから、彼女できないんじゃない?

そ、そんなあ……僕に教えてください! きっと選考にも役立つと思うんです!

コンサル選考対策ワード

M&A戦略

M&A(エムアンドエー)とは、「Mergers(合併)」and「Acquisitions(買収)」の略。M&Aはあくまで企業戦略のため、互いのニーズが合致してから実施する「友好的M&A」もあれば、競合他社より優位になることを目的とした「敵対的買収」もしばしば行われます。

“友好的・敵対的”と聞くといいイメージ・悪いイメージが浮かびますが、あくまで企業価値向上の為の戦略として、どちらも意味のあることです(ただし敵対的買収の場合は、合併後の企業文化の統合などで苦労する傾向があることは事実です)。

M&Aの主な手法は、以下のように分類できます。

 

M&Aの手法

 

吸収合併は、いわゆる「合併」ですよね!A社とB社が合併したら、B社が消滅するタイプ。

新設合併は新たにC社を設立して、A社・B社の資産をC社に引き継がせるパターンね。

事業譲渡も、M&Aに分類できるのか……買収は、企業まるごとじゃなくてもいいんですね。

もちろん。土地や建物だけじゃなくて、無形資産でもいいの。2013年には、デロイトトーマツコンサルティングが、”株式会社ねこじゃらし”というベンチャーから、アプリ開発事業の事業譲渡を受けたなんて例もあるのよ。

 

事業譲渡

 

外資コンサルがベンチャーの事業をM&Aするなんてケースもあるんですね。

事業会社がコンサルティングファームを買収することもある。最近だと、博報堂DYホールディングスが、デザインファームIDEOを実質買収した案件ね。

前にFactLogicのセミナーで、IDEOのコンサルティング手法については学びました。でも、「実質買収」ってどういうことですか?

2016年に、博報堂はIDEO株式の30%を取得したの。これだけだと買収にはならないんだけど、この契約には「将来的に50%以上を取得するオプション」がついてる。

つまり、現時点で買収完了したわけではないけど、30%分ツバを付けて買収予約した、みたいなイメージですね。

そう。M&Aは人・モノ・金がダイナミックに動く大きな流れ。いきなり買収合併するといろいろな不都合が起こることが多いから、友好的買収の場合はこのように段階を踏んで行われるのよ。

 

継続的なグローバルM&Aと海外展開戦略

 

サトーHDの資料を見ると、1986年にマレーシア工場を建設したのが一番最初の海外進出みたいですね。その後も、アジア圏を中心に工場を建設しつつ、シンガポール、アメリカ、ドイツ、中国、ベルギー、ポーランド、インド、ベトナムに現地法人を設立しています。

もともと、自力で現地法人を設立する力はある会社なの。わざわざM&Aを活用したのには、もちろん意味がある。これまでのM&A実績をまとめた図がこれよ。

サトーホールディングスのM&A実績

うわ! M&Aの数ももちろんすごいですけど、すでに現地法人がある国や地域でもM&Aしてるのが気になりますね。

M&Aの理由には何が考えられるかしら?

理由は3つあります。営業ネットワークを入手することによる販路拡大、高度な技術を買収することによる技術革新、あとは……

コンサル時代に、ケース面接でそう言って3つ目が思いつかない人をよく見てきたわ。

うっ……

サトーHDの面白いところは、自社が強みとする主力事業だけでなく、周辺領域のビジネスも買収してきたことにあるの。

主力事業の売上向上戦略としてのM&Aじゃないとすると、どういう戦略なんだろう……?

製品を作るタイプのビジネスだと、どうしても単価競争になって新興国に負けてしまう。だから、複数の周辺事業を抱えることで、ソリューションコンサルティングにビジネスモデルを変化させるためのM&Aでもあった。

そうか、世界規模の価格競争から抜け出して、単価を上げやすい独自のコンサルティングビジネスに切り替えた、ってことだったんですね!

 

国内トップシェア、世界第2位の実力

 

リサさんって、いつも分析してる会社がどんな事業をしているか最後まで教えてくれないですよね。

今回も最初に事業内容を言ったら、すぐには興味持てなかったでしょう?

サトーHDは工場があるから製造業ってことは分かるとして、ソリューションビジネス、しかも世界第2位……

ラベルやシール、RFID技術(Suica等の非接触IDカードなどで利用)を活用した、自動認識システムを製造・開発している会社なの。しかも、あれだけM&Aをしていながら、実質無借金経営でとにかく好財務でもある。

 

人とモノの動きを可視化する世界初の技術

 

サトーHDは世界で初めてハンドラベラーを開発したところから、成長が加速したのよ。物流倉庫なんかで、ダンボールにシールを貼り付ける、バーコードみたいな機械ね。

シール貼りの機械……?

本質はそこじゃない。シールを貼るっていうのは、何かの移動を管理できる、ってこと。国際物流の管理をすべてデータ化できるポテンシャルがあるの。

そうか! モノの動きを完璧に管理できると、経営改善につながる。

モノだけじゃない。食品につければ、どの農場で生産されたお米なのか完璧にさかのぼることもできるし、医療現場で人につけて、患者の取り違い事故を減らすという応用もされているわ。

動きを可視化することが、あらゆるビジネスの課題改善につながり得ることにいち早く気づいたんですね。

ダイナミックなM&Aを体感しながら、あらゆる”移動”のデータを元に多彩なビジネスやコンサルティングが提案できるのに、その名前はほとんど知られてない。大学生でサトーHDなんて知ってたら、かなり感心されるんじゃないかしら。

サトーHDの話をしたら、モテるんでしょうか。

昔、私も話したことあったね……

それで、どうだったんですか!

外コン女子には呪いがかかってるの。仕事の話を始めると、100%合コンで引かれるっていう呪いよ。

じゃあ、さっき数えてたのはもしかして……

人は失敗から学んで強くなるものよ。

 
ホワイトレディ
【今夜のカクテル】ホワイト・レディ
ジン、ホワイトキュラソー、レモンジュースをシェークした、凛とした女性のようなきりっとした味のカクテル。米トレーサビリティの話も出てたけど、ジンを日本酒に変えても美味しそうね。
 

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