【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「コーポレートガバナンス・コード」を具体事例で分析

外コンBARふぁくろじ

 

就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『コーポレートガバナンス・コード』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

第20夜:コンプライ・オア・エクスプレイン。有言実行で経営方針を守り成長するグローバル素材メーカー「株式会社ADEKA」が凄い

 

「デューデリジェンス」って何のことだか分かる?

M&Aの対象会社を絞り込む時などに、事業調査と財務評価してメリットがあるかどうか報告するんですよね。

それだけじゃ足りないわ。買収する側に有利な企業を探すってイメージがあるけど、最終的にM&Aを成功させるためには買収対象企業のメリットも合わせて検討する必要がある。

言われてみれば、確かに。

2006年にオランダの鉄鋼会社ミタル(当時生産量世界1位)が、フランス・ルクセンブルグ・スペインの鉄鋼会社アルセロールを買収するって案件があったんだけど……

敵対的買収案件で、最終的な買収金額は……3.3兆円!

ミタルにはゴールドマン・サックスやシティをはじめとした5つの投資銀行、アルセロールにはドイチェやモルスタなど8つの投資銀行がアドバイザーに入って、激しい戦いが繰り広げられた。

買収される側のメリットを説明して納得させられなかったから、買収金額は当初予定の2倍にまで膨れ上がってしまったのか。

今夜は、業績がよくて売上高規模の成長余地が高い、グローバルで化学・食品事業を手がけるADEKAを分析する。

M&Aする側から見れば、買いやすくて成果にもなりやすい企業ですね。

ADEKAが優良企業である3つの理由

  1. 12カ国に広がるグローバル事業の伸長で、売上高・利益率ともに過去最高に
  2. 国際的な競争力がある高機能品開発に集中、技術者は社員の3割を占める
  3. トップシェアにこだわらず、時代を先行した新分野への長期投資で成功

だからあなたは「買われるかもしれない側」として、どういう経営判断をすべきなのか考えながら聞いてくれるかしら。

うわあ、なんかM&Aする側と違って緊張する!

 

12カ国に広がるグローバル事業の伸長で、売上高・利益率ともに過去最高に

 

あまり知られてないんだけど、1972年、伊藤忠などとともに共同出資してP&Gの日本進出に協力したのもADEKAなの。

2017年で創業100周年か。この分野では老舗の企業なんですね。

アメリカ、ドイツ、フランス、中国、韓国、台湾、タイ、マレーシア、シンガポール、インド、アラブ首長国連邦、ブラジル。今では12の国と地域に拠点を持つグローバル企業ね。

確かに海外売上高比率が順調に伸びてますね。ここ5年で利益率も大幅に向上してます。

adeka売上高・利益推移図

2016年3月期は過去最高の売上高・利益率になった。1980年代以降の地道な海外進出が実を結び始めてるのよ。

 

国際的な競争力がある高機能品開発に集中、技術者は社員の3割を占める

 

ADEKAは創業時から基礎化学分野の素材で成長してきたんだけど、そこから少しずつ多角化して収益性の高い事業に注力したのも、国際的な競争力が高まった理由のひとつよ。

実際に、過酸化製品はコストダウンを中心とした守りの戦略を取ってるし、2012年には水酸化ナトリウムや塩ビモノマー、プロピレン系なんかの基礎的な専業メーカーから出資を引き上げてたりもしてますね。

代わりに、アメリカやフランスでのM&Aも実施しながら、高機能の新製品開発を進めてる。今は社員の3割以上が技術職という状態ね。

ライフサイエンス、環境・エネルギーなどの新規事業開発もやってるのか。

2000年前後に始めた情報・電子分野は、すでに基礎化学品分野を上回る規模に成長してるわよ。

創業100年の会社で、硬直化せず事業推進できるってよく考えるとすごいかもしれない。

ここで問題になるのが、そもそもの化学業界再編の流れね。海外では世界2位のダウ・ケミカルと8位のデュポンが約6兆2900億円での対等合併が決まったし、日本で業界大手の住友化学も戦略的M&A予算として3000億円を組んだと発表した。

ADEKAの売上が2300億円規模と考えると、いつ再編に巻き込まれてもおかしくないかもしれない……

そこで、ちょっと珍しい「買収防衛策」を持っているのがADEKAなの。

でも、もし買収される側として考えた時、その申し出で事業シナジーが見込めたら一緒になった方がいい時もあるんじゃないですか?

その通り。だからこそ、どのような買収状況でどのような対応をするか、原則に従ってあらかじめ公表している。

どうして買収防衛策の手の内をわざわざ公表するんだろう……

知ってた? 私は『コーポレートガバナンス・コード』が分からない男なんて、願い下げよ。

ええっ、そんなあ……僕に教えてください! きっと選考にも役立つと思うんです!

コンサル選考対策ワード

コーポレートガバナンス・コード

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※本ページに記載している情報はFactLogicが独自にリサーチ、または各種メディアから収集したものであり、企業が公表している情報ではない場合があります。

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