【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「コーポレートガバナンス・コード」を具体事例で分析

PCS2017

外コンBARふぁくろじ

 

就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『コーポレートガバナンス・コード』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

第20夜:コンプライ・オア・エクスプレイン。有言実行で経営方針を守り成長するグローバル素材メーカー「株式会社ADEKA」が凄い

 

「デューデリジェンス」って何のことだか分かる?

M&Aの対象会社を絞り込む時などに、事業調査と財務評価してメリットがあるかどうか報告するんですよね。

それだけじゃ足りないわ。買収する側に有利な企業を探すってイメージがあるけど、最終的にM&Aを成功させるためには買収対象企業のメリットも合わせて検討する必要がある。

言われてみれば、確かに。

2006年にオランダの鉄鋼会社ミタル(当時生産量世界1位)が、フランス・ルクセンブルグ・スペインの鉄鋼会社アルセロールを買収するって案件があったんだけど……

敵対的買収案件で、最終的な買収金額は……3.3兆円!

ミタルにはゴールドマン・サックスやシティをはじめとした5つの投資銀行、アルセロールにはドイチェやモルスタなど8つの投資銀行がアドバイザーに入って、激しい戦いが繰り広げられた。

買収される側のメリットを説明して納得させられなかったから、買収金額は当初予定の2倍にまで膨れ上がってしまったのか。

今夜は、業績がよくて売上高規模の成長余地が高い、グローバルで化学・食品事業を手がけるADEKAを分析する。

M&Aする側から見れば、買いやすくて成果にもなりやすい企業ですね。


 

ADEKAが優良企業である3つの理由

  1. 12カ国に広がるグローバル事業の伸長で、売上高・利益率ともに過去最高に
  2. 国際的な競争力がある高機能品開発に集中、技術者は社員の3割を占める
  3. トップシェアにこだわらず、時代を先行した新分野への長期投資で成功

 

だからあなたは「買われるかもしれない側」として、どういう経営判断をすべきなのか考えながら聞いてくれるかしら。

うわあ、なんかM&Aする側と違って緊張する!

 

12カ国に広がるグローバル事業の伸長で、売上高・利益率ともに過去最高に

 

あまり知られてないんだけど、1972年、伊藤忠などとともに共同出資してP&Gの日本進出に協力したのもADEKAなの。

2017年で創業100周年か。この分野では老舗の企業なんですね。

アメリカ、ドイツ、フランス、中国、韓国、台湾、タイ、マレーシア、シンガポール、インド、アラブ首長国連邦、ブラジル。今では12の国と地域に拠点を持つグローバル企業ね。

確かに海外売上高比率が順調に伸びてますね。ここ5年で利益率も大幅に向上してます。

 
adeka売上高・利益推移図
 

2016年3月期は過去最高の売上高・利益率になった。1980年代以降の地道な海外進出が実を結び始めてるのよ。

 

国際的な競争力がある高機能品開発に集中、技術者は社員の3割を占める

 

ADEKAは創業時から基礎化学分野の素材で成長してきたんだけど、そこから少しずつ多角化して収益性の高い事業に注力したのも、国際的な競争力が高まった理由のひとつよ。

実際に、過酸化製品はコストダウンを中心とした守りの戦略を取ってるし、2012年には水酸化ナトリウムや塩ビモノマー、プロピレン系なんかの基礎的な専業メーカーから出資を引き上げてたりもしてますね。

代わりに、アメリカやフランスでのM&Aも実施しながら、高機能の新製品開発を進めてる。今は社員の3割以上が技術職という状態ね。

ライフサイエンス、環境・エネルギーなどの新規事業開発もやってるのか。

2000年前後に始めた情報・電子分野は、すでに基礎化学品分野を上回る規模に成長してるわよ。

創業100年の会社で、硬直化せず事業推進できるってよく考えるとすごいかもしれない。

ここで問題になるのが、そもそもの化学業界再編の流れね。海外では世界2位のダウ・ケミカルと8位のデュポンが約6兆2900億円での対等合併が決まったし、日本で業界大手の住友化学も戦略的M&A予算として3000億円を組んだと発表した。

ADEKAの売上が2300億円規模と考えると、いつ再編に巻き込まれてもおかしくないかもしれない……

そこで、ちょっと珍しい「買収防衛策」を持っているのがADEKAなの。

でも、もし買収される側として考えた時、その申し出で事業シナジーが見込めたら一緒になった方がいい時もあるんじゃないですか?

その通り。だからこそ、どのような買収状況でどのような対応をするか、原則に従ってあらかじめ公表している。

どうして買収防衛策の手の内をわざわざ公表するんだろう……

知ってた? 私は『コーポレートガバナンス・コード』が分からない男なんて、願い下げよ。

ええっ、そんなあ……僕に教えてください! きっと選考にも役立つと思うんです!

コンサル選考対策ワード

コーポレートガバナンス・コード

コーポレートガバナンス(企業統治)を徹底して、企業の成長力を高めるために制定された原則のこと。強制力はないものの「Comply or Explain」の原則を持ち、東証1・2部上場企業はコーポレートガバナンス・コードに同意するか、もししない場合はその理由を説明することが必要になります。コーポレートガバナンス・コードは、大きく以下の5つの指針から成り立っています。
 
コーポレートガバナンス・コード
 
背景にあるのは、日本のROEが海外よりも低いという問題です。特に、大型投資に比較的慎重であったり、収益を給与や株主に還元せず経営陣が溜め込む傾向にあることが問題視されてきました。社外取締役の設置や株主との対話を通じた外部意見の取り入れ、持合株式の減少などを通じてこの課題を解決することが、コーポレートガバナンス・コードの目的です。
 

もちろん、業績が悪化していたり成長が鈍化していたりする会社の場合、経営陣が自己保身のために買収防衛策を実施したら、コーポレートガバナンス・コードに反したということになるわね。

買収防衛策の有無ではなくて、それがコーポレートガバナンス・コードに沿ってどう合理的な説明がなされているかどうかに、注目するべきなのか。

 

トップシェアにこだわらず、時代を先行した新分野への長期投資で成功

 

ADEKAの研究開発投資は年々増加してますね。

 
adeka研究開発費
 

情報・電子分野も立ち上げまで10年近くを要した。ライフサイエンスや環境分野の新規事業も、おそらくすぐには立ち上がらないと思う。

だから、買収防衛策で経営基盤の安定性を確保するルールを定めて、トップシェアの拡大にこだわらず中長期的な新分野への参入に取り組む姿勢を説明したのか。

中期経営計画にROEの目標はないんだけど、買収防衛策を入れたあとでも経営効率は大幅に改善してるわ。

 
adekaROE
 

最近は、買収防衛策を取り下げる会社も多いですよね。2006~2008年で400社ほど導入していたのに、2015年4月末時点では160社以上が中止してしまった。

投資家に納得してもらえるだけのロジックを準備するのが大変だし、そもそも業績が悪い会社だったら買収防衛策は株主から反対されることが多いからね。

きちんと戦略を考えて、社内外のステークホルダーとコミュニケーションを取れる姿勢そのものが、ADEKAの成長要因のひとつかもしれませんね。

ファームを選ぶ時も、ロジックなく取り敢えず人気があるところばかり選んでない?

いやいや、まさか、そんな……

モニターグループは日本撤退してデロイトに買収されちゃったし、Strategy&(旧ブーズ・アンド・カンパニー)はPwC傘下になっちゃったし、意外に外資系ファームもあっさりなくなるわよ。

じゃあ、コンサルはどうやって選べばいいんですか?

コンサルの場合、組織の成長と個人の成長は必ずしも一致しない、ってことだけアドバイスしておこうかしら。

コンサルでとりあえず激務して成長したい、って思ってたら具体的にはどうすればいいんでしょう?

規模の大きいコンサルは分業化が進んでて、裁量権が狭くなりがちなの。本当に個人の実力をつけたいなら、ファームの規模・プロジェクト規模を比較してこだわってみるとどうかしら?私だったら、巨大プロジェクトばかりのファームは絶対に避けるわ。

プロジェクトの規模で選ぶのは、ありかもしれないですね。ううーん、どうしようかな……

 
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