【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「破壊的イノベーション」を具体事例で分析

PCS2017

外コンBARふぁくろじ

 

就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『破壊的イノベーション』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

第21夜:“プロフェッショナル”向けのビジネスに的を絞り、金融業界に破壊的イノベーションをもたらした「松井証券株式会社」が凄い

 

日本のコンサルティング業界の市場規模、フェルミ推定したことある?

「コンサルティング」をビジネスとして考えたことなかったです!

じゃあ今考えて。

は、はい! コンサルティングは、高級人材派遣なんて言われるくらいだし、(平均稼働人数×平均時間単価)×案件数でいけるかな。いや、ちょっと待てよ、案件数って一体どれくらい? ううん……

ITコンサルティングを除いた、純粋なビジネスコンサルティングの市場規模は、2015年で3,389億円しかないの。

そんな少ないんですか! 斜陽産業と言われる新聞業界でも1.8兆円だし、かなり少なく感じます。

でもね、市場規模の大小と社会へのインパクトの大きさは関連しない。

言われてみれば、「コンサル」って就活で初めて知りました。

私たちは、理解しやすい市場・サービスに着目しがちだけど、コンサルのように普段触れることのないプロフェッショナル向けのサービスが社会のルールを大きく塗り替えてた、ということは結構あるの。

確かに、ケースの練習でも「オリンピックの訪日観光客増加」とか、理解しやすいものに偏ってるかも……

じゃあ今日は、“プロフェッショナル”向けのビジネスに的を絞った戦略のせいで、結果的に金融市場に破壊的イノベーションをもたらしてしまった松井証券について考えてみましょうか。

 

松井証券が優良企業である3つの理由

  1. 護送船団方式だった金融業界で、破壊的イノベーションを起こす
  2. 「集中戦略」を貫き、圧倒的な低コスト体質に
  3. 業界平均を大きく上回る、40%超の利益率

 

破壊的イノベーションって、なんだか中二病っぽくないですか?

知ってた? 私は『破壊的イノベーション』が分からない男なんて、願い下げよ。

ええっ、そんなあ……僕に教えてください! きっと選考にも役立つと思うんです!

コンサル選考対策ワード

破壊的イノベーション

破壊的イノベーションとは、1995年にクレイトン・クリステンセンらが考案したビジネスモデルの変化プロセスのこと。

企業が、改善を通じて製品やサービスの性能を高めていくことを「持続的技術」による「持続的イノベーション」と呼びます。持続的イノベーションは確実に進歩をもたらすものの、質が過剰になりやすいという欠点を持っています。

そこで登場するのが「破壊的イノベーション」です。従来製品より質や価格等で劣る一方、これまでとは全く異なる価値基準のもとでは非常に優れた特徴を持つ「破壊的技術」は、時を経て従来の市場を飲み込み主流となっていきます。

 
破壊的イノベーションの具体例
 

上記は、カメラ市場に起こった破壊的イノベーションを示しています。フィルムカメラは誕生当時「いつでも手軽に撮影できる」と一世を風靡しました。フィルムで成功していたコダック社は、フィルムの色彩再現度など、普通の人では違いのわからないような高度な技術革新を続けていきます。

一方、新たに現れたのがデジタルカメラ。最初は画像も荒く、低品質としか言えないものでした。しかし、記録・保存・複製・加工に優れるという特徴を武器に、フィルムカメラ市場に破壊的イノベーションを起こし、フィルムカメラの品質追求を続けていた大企業コダックは倒産にまで追い込まれました。

 

護送船団方式だった金融業界で、破壊的イノベーションを起こす

 

護送船団方式は、高校生の時に覚えたんじゃない?

1990年代半ば頃まで、大蔵省や日本銀行が金融業界の制度をガチガチに固めて、銀行や証券が破綻しないよう支えていたんですよね。

弱い金融機関にとっては、守られるというメリットがあった。強い金融機関にとっても、経営の自由度が減るデメリットの代わりに、経営責任を「国」に押し付けることができた。だから、長い間金融サービスはイノベーションを起こさずとも、みんな揃って生き残れた。

松井証券は創業80年の歴史がある中堅証券会社ですよね。護送船団方式で守られていた側なはずです。

松井証券が変わったのは、1992年。護送船団方式を崩壊させる改革である金融ビッグバンが起こる少し前に、業界ではありえない決断を下したの。

そんなもったいぶって……いったい何をしたんですか?

証券会社の命である「対面営業」を完全否定したのよ。

ええっ!!

 

「集中戦略」を貫き、圧倒的な低コスト体質に

 

よく考えて。92年といったら、インターネットも携帯電話も普及してない。そんな時代に、もう絶対対面営業しないって決めたの。

営業の代わりにどうしたんですか?

4年かけて対面営業を廃止するとともに、業務をコールセンターに移した。後にコールセンターも撤廃して、全てをインターネットへと置き換えていったわ。

何でそんな無茶な決断ができたんだろう。

社長が、証券会社出身じゃないのが良かった。前職の日本郵船で、グローバル競争による運賃自由化を経験していたの。だから、いつか金融機関にも自由化が起こるという予測をして、ダイナミックに、それこそ破壊的に動くことができた。

対面の営業マンをコールセンターやネットに置き換えれば、ものすごくコストが下がる、っていうメリットは理解できますけど……

何か腑に落ちないことでも?

営業がいなくなったら、これまでのお客さんは離れてしまうんじゃないですか?

その通り。松井証券は、顧客を絞ったのよ。

顧客を減らすなんて、多角化戦略の視点からみたら非常識な気がします。

対面で、丁寧な説明が必要な顧客は相手にしない。その代わり、電話やネットを通じて自分で情報収集し判断できる「ハイレベルな投資家」に集中することにした。

そうか! 経験豊富な人をターゲットにするなら対面営業はいらないし、対面営業がないからこそ取引手数料が下がって、ハイレベルな投資家にとっても得だったんですね。

これまで金融サービスは、どれだけ丁寧に営業して、どれだけ付加価値のあるコンサルテーションが提案できるかが各社の差だった。

松井証券のサービスは、「丁寧さ」や「付加価値のあるコンサル」といった基準で見れば下になるかもしれない。でも「情報の入手しやすさ」や「コスト」といった、新しい基準では圧倒的に優位だったから、市場を塗り替えていけたのか。

それこそが、松井証券の破壊的イノベーションなのよ。

 

業界平均を大きく上回る、40%超の利益率

 

試しに、証券業界トップ3と、念のためネット専業証券トップ3の数字で比較します!

きちんと数字を見る癖がついてきたじゃない。

 
証券会社の利益率比較
 

これは、2016年3月期決算の当期純利益を純営業収益で割ったものよ。普通の企業の売上高当期純利益率に近い値と思ってもらって構わないわ。

松井証券って、44%でダントツなんだ……革新的な施策に集中し続けることで圧倒的な差を生み出すのが、破壊的イノベーションなんですね。

松井証券の戦略は、ハーバードビジネススクールのケーススタディにもなったんだって。

市場が小さいプロ向けのサービスも、HBSの分析対象になるんですね!

でも私、前から気になってることがあって。

なんですか?

ハーバードで勉強してたとき、同じプロ向けのビジネスであるはずの「コンサルティングファームのケース」って分析しなかったのよね。

それってどういう意味……?

著名な経済誌『The Economist』の記事に、「戦略コンサルはビジネスモデルが限界に近づいている」っていうレポートが出てたわよ。

そんな! 僕いまからコンサルで頑張ろうとしてるのに……

先輩コンサルタントをそのまま目指したら死ぬわよ。業界に破壊的イノベーションをもたらすくらいの、新しい価値をコンサルティングで残せたら生きていけるかもね。

ごくり……

ハードワークしてれば自動的にパートナーになれるなんて思ってたら、Up or Outで生き残れない。覚悟しなさい!

 
イースト・ウィング
【今夜のカクテル】イースト・ウィング
松井証券の改革を推し進めた4代社長の松井道夫氏の著書に「みんなが西むきゃ俺は東」があるので、東っぽいカクテルを。ベースのウォッカに、チェリーブランデーの甘さとカンパリのほろ苦さが絶妙なバランス。普通はチェリーいれないんだけど、今日は特別ね。

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