【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「コーポレートアイデンティティ」を具体事例で分析

PCS2017

外コンBARふぁくろじ

 

就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『コーポレートアイデンティティ』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

第19夜:コーポレートアイデンティティを刷新し、スポーツ市場を拡大させる「グローブライド株式会社」が凄い

 

SMAP、ユニクロ、三井物産。さて、共通点は何でしょう?

解散、ヒートテック、総合商社……全然分からないですよ!

知りたい?

き、気になります……

それは、今日分析する企業の成長と大きく関係がある。

 

グローブライドが優良企業である3つの理由

  1. 市場規模拡大の恩恵を最も受ける、世界トップシェアの地位
  2. スポーツメーカーの中でもカーボン加工技術を強みに多角化
  3. 5期連続成長、売上高は過去最高に

 

スポーツメーカーと、SMAPとユニクロと三井物産……余計分からなくなってきました……

マッキンゼーが提唱した7Sモデルって知ってる?

企業組織を考える上で必要な7つの経営資源のことですよね。確か、ハードのSとソフトのSがあって。

 
マッキンゼーの7S
 

これまで私達が分析していたのは、ハードSの方。組織構造(Structure)、システム(System)、戦略(Strategy)に偏った分析だった。

確かに、戦略だけ見ていて中の人や社風に注目したことはなかったです。

今日はグローブライドの事業を読み解きながら、新しい戦略の視点に注目してみましょ。

 

市場規模拡大の恩恵を最も受ける、世界トップシェアの地位

 

グローブライドは、「DAIWA」ブランドの釣具で世界トップシェアを誇る企業よ。世界で2割超のシェアを持っているグローバルカンパニーね。

トップシェア企業なら、マーケットそのものを拡大する戦略を取ればいいんですよね!

よく覚えてるじゃない。あとは、価格戦略も重要。

市場規模拡大をしながら、できるだけ価格競争を避けて利益率の低下を避けるのが定石。以前「競争地位戦略」でリサさんから教わりました。

ただ、感づいてるとは思うんだけど、日本全体で大きく見るとスポーツ関連の市場規模は縮小してる。

 
スポーツ産業の市場規模
出典:レジャー白書2013,2014,2015,2016(公益財団法人 日本生産性本部)
 

だから、市場規模拡大の努力はもちろんするんだけど、当然それに加えて多角化も推進したの。

 

スポーツメーカーの中でもカーボン加工技術を強みに多角化

 

スポーツメーカーの多角化ってことは、他競技への進出でしょうか?

世界トップシェアとして高いブランドイメージを持っていた釣具の「カーボン加工技術」を強みに、テニス・バトミントン・ゴルフ・自転車などに市場を広げていった。

テニスラケットの”Prince”は高校のときに使ったことあります!

もともと良い技術を持っていたこともあり、新しい商品ラインナップは各競技で主要ブランドに成長して、多角化は一応成功したわ。

なんだか歯切れが悪いですね。

実は、当時の社名は”ダイワ精工”だったの。多角化に成功したはいいものの、世界トップシェアの釣具であるDAIWAブランドが強すぎて、投資家や営業先などから疑問をぶつけられるようになった。

「なんで釣具メーカーがテニスとか自転車なんですか?」ですね。

そう。しかも、リーマンショックや3.11などの消費細りから、利益は急落。右肩上がりだった業績がかなり落ち込んでしまった。

 
グローブライド過去の業績
 

マクロ経済の打撃なんてどうしようもないですよね。でもすでに主要事業は世界トップシェアだし、多角化もそこそこ上手くいってるし、どうすれば……

一番最初に7Sの話したの覚えてる?

あ、そうか! ソフトS、共通の価値観(Shared valure)・社風(Style)・人材(Staff)・能力(Skill)をまだ考えてなかった!

知ってた? 私は『コーポレートアイデンティティ』が分からない男なんて、願い下げよ。

ええっ、そんなあ……僕に教えてください! きっと選考にも役立つと思うんです!

コンサル選考対策ワード

コーポレートアイデンティティ(CI)

コーポレートアイデンティティ(Corporate Identity)とは、人間にアイデンティティがあるように、企業にも個性や独自性があるとする概念のこと。CIは、社名、企業ロゴ、デザイン、経営理念、ビジョンなどの形で具体的に表現され、外部にアピールされています。

CIの核となる独自性は、そのまま経営戦略上のポジショニングや競合他社との違いを表すことにもなるため、経営の中枢に関わる重要な課題として捉えられています。CIを管理することで、消費者のブランドイメージを高めたり、求職者を増やしたり、社内の組織変革を促したりと様々な効果をもたらすことが可能です。

 
コーポレートアイデンティティのイメージ図
 

当時の”ダイワ精工”は、ビジネスとコーポレートアイデンティティ(CI)が食い違っている状態だった。

7Sで言うと、一番中央のShared Valueか。

そこで、著名なクリエイティブ・ディレクターだった佐藤 可士和(さとう かしわ)氏にコンサルティングを依頼して、社名からロゴ、ビジョンや経営理念まですべて刷新してしまったの。

あ、もしかしてその人って……

佐藤可士和氏は、これまでSMAPのアートワークや、ユニクロを運営するファーストリテイリング社・三井物産のCIなど数々のブランディング案件を手が来てきた。

共通点は”ブランドへのこだわり”だったんですね!

株式会社ファーストリテイリングが、ユニクロ・ジーユーといった複数ブランドを持っているイメージと同じように、”ダイワ精工”も複数のブランドを持つ社名へと変える方法を選んだ。

新社名の「グローブライド」は、GLOBE(地球)RIDE(乗る)=「地球を舞台にしたスポーツを楽しむ」から来てるんですね。


 
グローブライドCI
 

この変更と同年に、グローブライドは複数のM&Aや資本提携を行った。まさに7Sの中心となっているShared Valueを固めて、さらなる事業拡大の足がかりとしたの。

 

5期連続成長、売上高は過去最高に

 

収益がかなり落ち込んだ時期にM&Aなどでかなり大きく攻めてましたけど、結局どうなったんですか?

経営を立て直すまでに少し時間がかかったけど、2012年からは一貫して成長。さっきのグラフの続きは、こうよ。

 
グローブライド直近の売上高
 

5期連続で売上高は成長して、2016年は過去最高益になんだ!

経営戦略を考えるときは、ビジネスモデルやシステムについて考えてしまうことが多い。

でも、グローブライドのように、多角化戦略の推進といった大きな変革が伴うときには、CIも大切なんですね。

考えてもみなかったでしょ。

佐藤氏のアプローチは、思い描いてたコンサルティングと全然違います。

マッキンゼーもデザインコンサルを買収したって話を覚えてる?CIみたいに、ソフトSへのアプローチも新しいコンサルティング手法と言えるかもしれない。

これまでは戦略的なアドバイスが求められてきたけど、それ以上にステークホルダーとのコミュニケーションや組織のブランディングが、課題解決の武器になる時代ってことか。

これまで、ハードSについてはかなり分析してきたでしょう。あなたも戦略に関しては相当センスあると思うわ。

やった!

でも、ソフトSに代表されるような、過去の経験や行動を伴わないと理解が難しい部分が弱い。

確かに、僕は普通に東大に行って、そこそこ勉強して、塾でバイトして、それだけですけど……

コンサル選考は受験じゃないから、知識量と内定確率は比例しない。だったら何が合否を分けるのか、それは過去の経験の差よ。一番最初の7Sの図を見て、自分に理解が足りないものは何か、考えてみなさい。

はい、僕どうすれば……

とりあえず飲むわよ!

ええっ、気合い…?!

私がカウンター越しにあなたの自己分析に付き合ってあげるから。

わああ……嬉しいけど怖い……!

参考:日本経済新聞「「ダイワ精工」改名させた佐藤可士和の“問診” 」2011年4月8日
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0500K_V00C11A4000000/

 
サブマリーノ
【今夜のカクテル】サブマリーノ
佐藤可士和は昔、キリンラガービールの新デザインを手がけていたこともあったんだってね。サブマリーノは、ビアジョッキに6分目くらいまで泡を立てずにビールを注いで、その中にテキーラのショットグラスを、グラスごと潜水艦みたいにゆっくり沈めるカクテル。殺人的に酔いが回るから気をつけて。

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