【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「EMS」を具体事例で分析

PCS2017

外コンBARふぁくろじ

 

就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『EMS』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

第26夜:天然調味料の複雑な味覚をデータ化、製造の完全無人化で“食のインテル”の異名を持つ「アリアケジャパン株式会社」が凄い

 

あなた、確かWindowsだったわよね。ノートパソコン開いてみて。

ええっ、まあ、今日は学校帰りなんで持ってますけど……

キーボードの両縁に小指を添えて、手を置いてみて。

右手中指でenterキー、左手中指でtabキーを触る位置ですね。

そのまま、パソコンから手を離すと、手のひらの位置には何がある?

あ! シールが貼ってある!

パソコンの心臓部にあたる「intel」プロセッサ(計算機能を一手に担う頭脳部分)のシールがあるんじゃない? macのパソコンにも、シールこそないものの100%インテルが入ってる。

ほぼ全てのパソコンに入ってる、ってすごいビジネスモデルですね。

でも、今日取り上げるのは非デジタルな企業。「食のインテル」とも呼ばれるアリアケジャパンよ。

 

アリアケジャパンが優良企業である3つの理由

  1. 味のデータ化や製造の完全無人化など、テクノロジーに投資し高収益体質へ
  2. 7期連続増収増益で過去最高益、業界45%のトップシェア
  3. トレンドを先読みした新市場開拓が成長の源泉

 

アリアケは、天然調味料分野トップシェア。例えば、リンガーハットの「ちゃんぽんスープ」は……

アリアケ製?

そう。セブンイレブンにある「金のビーフシチュー」もアリアケ製だし、サブウェイの「オニオンスープ」もアリアケ製。

知らなかった!

レストランの料理、ラーメン店の職人の味、コンビニの昼食。チキンブイヨン、デミグラスソース、豚骨スープ……ありとあらゆる味を牽引している会社よ。

 

味のデータ化や製造の完全無人化など、テクノロジーに投資し高収益体質へ

 

アリアケが優れた点は2つある。まずひとつは、天然調味料の全てがデータ化されているところ。データを組み合わせて、ありとあらゆる味の再現ができる。

どういうことですか?

例えば、ある行列のできるラーメン屋さんが全国展開したいと考えた。でも、門外不出のラーメンスープのレシピはだれにも教えたくない。

仮にレシピを教えたとして、作るのは手間暇かかるし難しそうです。

アリアケなら、そのラーメンスープの完成品を分析して、そっくりの味を再現するスープを生産できるの。

味のハッキングみたいですね!

それに、例えばある年に病気が流行って豚骨が仕入れられなかったとき、鳥や豚など他の天然調味料を代わりに利用して、同じ品質の味を作ることができる。

ものすごい商品開発力ですけど、「ダシを取る」仕事って大量の産業廃棄物が出るし、廃水処理コストも高いし、ナマモノ相手だし効率悪くないですか?

アリアケのもうひとつの優れた点は、この工場を全自動化して、安定生産ができる設備を作ったところにある。売上高119億円だった1998年に、なんと100億円という思い切った投資をして、完全無人化された工場を建設した。

売上の8割以上を投資するなんて!

アリアケジャパンは複雑な味覚をデータ化し、本格・本物志向の料理業界の職人たちを唸らせた。

さらに、生産方法の高度化で競争相手を大きく引き離したのか。

 

7期連続増収増益で過去最高益、業界45%のトップシェア

 

現在の国内シェアは45%で圧倒的なトップ。自己資本比率もずっと80%台で非常に安定してるわよ。

食品業界の営業利益率は5%程度が普通だって聞いたんですけど、アリアケジャパンは20%近い水準ですね。


 
アリアケ売上高・営業利益率
 

工場の自動化で原価率が下がっているのに加え、日本・アメリカを中心に中国・台湾・フランス・ベルギー・オランダと世界各国で実施していた200億円規模の設備投資が、回収フェーズに入っているからね。

この高い利益率を世界規模で出すビジネスモデルが、インテルと同じってことですか?

知ってた? 私は『EMS』が分からない男なんて、願い下げよ。

ええっ、そんなあ……僕に教えてください! きっと選考にも役立つと思うんです!

コンサル選考対策ワード

EMS

EMS(Electronics Manufacturing Service)とは、電子機器の製造・生産を専門に行うビジネスモデルのこと。下請け企業と異なるのは、あくまでも取引関係が「対等」である点です。複数企業と対等に取引するため、競合2社から同時に受注することもあり得ます。調達や製造プロセスをまとめたり、製造ノウハウを蓄積したりすることにより、1社1社が自社工場を持つよりも効率的に製造することができ、コストも安くなる点がメリットです。

 
EMS

企画開発と販売に特化する「ファブレス」企業の台頭とともに、EMS企業も爆発的に成長し、2016年には台湾のEMS企業である鴻海(ホンハイ)が、シャープを買収するという案件も発生しました。

 

インテルのプロセッサ事業は、1970年代に電卓用プロセッサの受託開発からスタートしてる。

そこからパソコンのプロセッサ開発で世界を席巻するまでになったんですね。

ここまで成長できたのは、プロセッサに集中し技術をブラックボックス化したこと、複数企業からプロセッサの受託をすることで製造コストを最適化できたこと、プロセッサの進化に合わせてクライアントのパソコン開発支援をしたことが要因ね。

アリアケの場合だと、味覚のデータ化と、何千もの天然調味料をどう組み合わせるとどんな味になるかというテクノロジーが、技術のブラックボックスにあたるわけか。

その上、ありとあらゆる企業の天然調味料を生産しているから、小ロットの開発であっても柔軟に低コストで対応できる。

 

トレンドを先読みした新市場開拓が成長の源泉

 

リサさん、最後の「プロセッサの進化に合わせてクライアントのパソコン開発支援をした」ってどういうことですか?

インテルは優秀だったから、すごいスピードでプロセッサを進化させた。それは、クライアントがそのプロセッサを使いこなせないレベルの進化だった。

せっかくインテルが高機能品を開発しても、パソコンの機能向上に繋がらなかったってことか。

このまま放置すれば市場が縮小してしまうと思ったインテルは、パソコンの開発支援も同時に行って、マーケット拡大にも努めたってわけ。

そうか。たとえアリアケがあらゆる味を再現する技術を持っていても、発注する会社がなければ意味がない。

だから、アリアケには調査・営業部隊がある。有名店のスープやソースをサンプルとしてR&Dセンターに持ち帰って分析。その年の味覚のトレンドを先読みして、クライアントに新レシピを提案する、ってわけ。

Arthur D. Littleが発行したイノベーション創出モデル企業にも、アリアケが取り上げられてますね。

「他社に模倣されないコア技術をブラックボックス化」、「コア技術を拡散する仕組みをオープンにする」というフレームワークで見たときに、アリアケを高く評価しているわ。

A.T.カーニーの18卒向けスプリングジョブのESがこんなのだったんですが、そのフレームワークを応用できないかな……

 
「諸外国に比べ、世界に通用する日本企業は少ない」という意見について、下記A,B 2つの視点からあなたの考えを記してください(400-600字程度)

  • A. 少ない理由
  • B. Aを踏まえて、世界で通用する企業・ブランドを増やすために必要なこと

 

じゃあまず、世界で通用するブランドを10社挙げてみて。

P&G、コカコーラ、Apple、Google、トヨタ……あれ、意外に具体例が思いつかない。

思いつかないのももちろん問題だけど、今挙げてもらった企業の中にBtoB企業が一社もないのも問題ね。

確かに、僕が普段使ってる企業しかない。

じゃあ今日はグローバルブランド10社分析するまで、カクテルはなし!

そんなあ……

今夜はパソコンも持ってるし、ちょうどいいじゃない。

※参考 Arthur D. Little Side by Side Vol.1
http://www.adlittle.jp/fileadmin/editorial_japan/downloads/ADL_Side_by_Side_vol01_150113.pdf

 
キューバ・リバー
【今夜のカクテル】キューバ・リバー
コーラと言えばこれ。ずっとキューバに流れる川の濁流をイメージしたと思ってたんだけど、本当の起源はキューバ独立戦争時の合言葉「Viva Cuba Libre」が正しいみたい。グラスにホワイト・ラム、ライムジュース、コーラをざっくり注いで、ライムを添えて完成。コンサル時代の同僚は、よくこれが好きで飲んでたわ。

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