【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「エンベディッド・バリュー(EV)」を具体事例で分析

PCS2017

外コンBARふぁくろじ

 

就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『エンベディッド・バリュー(EV)』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

第16夜:NHKの朝の連ドラで今世紀最高の視聴率。新規事業で蘇った「大同生命保険株式会社」が凄い

 

私がコンサルタントだった頃は、保険会社の再編とM&A案件が溢れてたのよね。

最近だと、第一生命が米プラテクティブ生命を5800億円で完全子会社化したり、明治安田生命が米スタンコープ・ファイナンシャル・グループを6200億円で買収したりしてます。

今でこそソニーや楽天なんかの異業昔参入組も力を伸ばしてるけど、昔はもっと早く国内の生命保険会社は淘汰されていくと思われていたの。

思われてた、ってことは、生き残った会社もあるってことですか?

よく分かってるじゃない。最近だんだん私の話の展開に飽きてきた?

保険会社のM&Aケースだって余裕ですよ!

ふうん。じゃあ、保険会社の財務諸表には、「売上高」も「営業利益」も書いてない、って言ったらどうする?

え! そんなのでバリュエーションなんてできない……

詰めが甘いわね!

 

大同生命が優良企業である3つの理由

  1. 保険をただの保障から、「経営戦略・事業継承」の施策へと再定義
  2. 強い領域の深耕と周辺領域開拓を組み合わせ、契約高は過去最高額に
  3. “パワースーツ”の保険や認知症予防アプリつき保険など、テクノロジーとのコラボ

とりあえず1社取り上げて、その分析を進めながら保険会社のバリュエーションを見ていきましょ。

実際のコンサルタントもこんな感じなのかな……

いきなり門外漢の分野にアサインされたとしても、3日でその道の専門家になるのがコンサルの腕の見せどころね。

 

保険をただの保障から、「経営戦略・事業継承」の施策へと再定義

 

生命保険会社が第二次世界大戦後に大きく躍進した話って、歴史の授業で聞いたことある?

戦争未亡人などを大量に雇用して女性保険外交員、当時の言葉で言う「セールスレディ」にして、新規契約を一気に増やしたんですよね。

この方法は、予め莫大な資産を持っていないと実行できない。だから、中小保険会社は危機感を募らせていった。生き残るには……

ええっと、価格優位性を取るのはコスト面で厳しいから、サービスを差別化するか、あるいは新規市場を開拓するかでしょうか?

大同生命は後者、新市場開拓の方で攻めた。具体的には、保険の法人向け販売ね。

でも、大手生保が営業者数で攻めてきたら結局太刀打ちできなくなりそうな……

だから、コンサルティング知識を武器に法人営業を開始したの。当時のセールスレディは家庭を訪問するスタイルの営業には強かったけど、経営コンサルができる人はほとんどいなかったら、真似できなかった。

販売チャネルを法人に特化させることによって、大同生命は大手に追従されることなく新市場開拓ができたんですね。

さらに法人会や税理士会との提携も行い、保険販売手数料を彼らに還元するという代理店モデルを構築して、営業者数に依存しない仕組みを構築したの。

あれ? でも「法人」に生命保険を売るってどうするんですか?

「社長が急に死んでしまったら一時的に経営は困りますよね。保険を掛けてリスクヘッジしませんか? しかも「保険」にかかるお金は費用にできるので、税金対策にもお得です!金融商品でもあるので、休眠資産の運用としても活用できます。」

個人の死に対する生命保険を、単なる家庭のリスクヘッジではなく、「事業継承や経営戦略上のリスクヘッジ」と再定義したのか。

しかも企業経営者向けだから、保険料収入も一般家庭の個人より多い。この施策で、大同生命は中小生保から一歩抜きん出ることができたの。

 

強い領域の深耕と周辺領域開拓を組み合わせ、契約高は過去最高額に

 

法人向け生命保険での成功のあとは、国内外の生命保険会社のM&Aや出資を通じて、じわじわと規模の拡大を続けてる。

リサさんが最初に、保険会社には売上高も営業利益もないって言ってました。それなら、M&Aをする時はどうやってバリュエーションしていけばいいんですか?

知ってた? 私は『エンベディッド・バリュー(EV)』が分からない男なんて、願い下げよ。

ええっ、そんなあ……僕に教えてください! きっと選考にも役立つと思うんです!

コンサル選考対策ワード

エンベディッド・バリュー(EV)

エンベディッド・バリュー(EV)とは、保険会社の企業価値を表す金額のことです。大まかには、EV=修正純資産価値(算定基準日での純資産の額)+保有契約価値(現時点の契約から得られるであろう将来の利益)となります。

保険収益イメージ図

普通の株式会社とは異なり、1年ごとの損益計算書では保険会社の損益を正確に測れません。上図のように、保険は契約時に費用が計上される一方、保険料収入はその後5年や10年など長期間にわたる性質を持ちます。ある年に非常に保険が売れた場合、1年ごとの集計だとその年は見た目上大赤字になってしまうことも。EVが表すのは、長期的な視点を含んだ企業価値なのです。

EVの計算には古いものから順にTEV(Traditional EV)、EEV(Europian EV)、MCEV(Market Consistent EV)、という3つの手法が存在します。EVは会計監査対象ではないものの、コンサルティングファーム等の第三者機関にチェックを依頼することが一般的です。

 

大手各社が発表している、2016年3月末時点の保険料収入/EV/ソルベンシー・マージン比率(健全性を表す指標)をまとめるとこんな感じね。


主要生命保険会社比較

大同生命は、収入に対するEVも高いですけど、特にソルベンシー・マージン比率が高いんですね。

大同生命はM&Aももちろんしているけど、収益性より安定性を取る戦略を重視していることの表れね。

株式会社を見るときのROEみたいに、保険会社にも独自の指標がいろいろあるんですね。知らなかった……

 

“パワースーツ”の保険や認知症予防アプリつき保険など、テクノロジーとのコラボ

 

証券会社やメガバンクなんかはFinTechが流行ってますけど、保険業界でテクノロジーを活用した例って聞きません。

大同生命のグループ会社でやってる、認知症予防アプリと認知症治療保険なんかは面白い組み合わせよ。どういう意味かわかる?

うーん……保険会社からすれば、認知症は起こらない方が支払総額が減っていいから……治療予防を支援をすることは経営上のメリットでもあるのか!

あとは、体の不自由な人用ロボットスーツ(CYBERDYNE社)の、医療費負担軽減のための保険開発、なんていうのも進んでるわよ。

医療用HAL
大同生命プレスリリースより
http://www.daido-life.co.jp/about/news/pdf/2016/160902_01_news.pdf

保険業界ってとりあえず合併して社名が長くなって、あとは資本力で勝負と思ってましたけど、戦略での工夫もまだまだできるんですね。

大同生命のビジネスモデルはハーバード大学教授に由来する経済賞「ポーター賞」も受賞して、競争戦略論の中でも評価されているわ。

そういえば、タイトルにあった「NHKの朝の連ドラで今世紀最高の視聴率」って何のことですか?

実は、大同生命の創業に寄与した女性が主人公のNHKドラマがあって、平均視聴率が今世紀最高だったんだって。

じゃあ、このBARの人気はどうなんですか?

まだFactLogicの「今週の人気記事」に載ったことはないのよね……

このページの一番下の方にある、人気記事欄確認してきます! 今日は載ってるかもしれないし!


ウィッチ・ウェイ
【今夜のカクテル】ウィッチ・ウェイ
ブランデー、アニゼット、ペルノを1:1:1でシェイクするカクテル。かなり薬草系の香りが強くて、変わった味ね。もし大同生命が法人向け保険じゃなくて、大手保険会社と同じ個人向けマーケットで挑もうとしていたら、きっと買収されていたんだと思うわ。運命の選択、ウィッチ・ウェイ。

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