【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「ファブレス」を具体事例で分析

PCS2017

外コンBARふぁくろじ

 

就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『ファブレス』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

第15夜:先端技術開発に特化することで、高い利益率と安定性を誇るグローバルメーカー「ヒロセ電機株式会社」が凄い

 

iPhoneを作るAppleと、Wiiを作る任天堂の共通点って分かる?

今回は分かりますよ! それぞれグローバルメーカーですよね!

ふうん。じゃあ、iPhoneやWiiはどこで生産されてるのかしら?

iPhoneは日本の町工場の部品を採用しつつ、中国のパートナー企業で組立生産しているのをニュースで見ました。Wiiは中国で生産してましたよね。……そうか、どっちも自社工場を持ってないんだ。

でも自社工場を持っていないにも関わらず、2016年にAppleは135億ドル、任天堂も104億円もの設備投資をしてるわよ。

あれ? Appleや任天堂は、製造を外部委託して利益率を上げてるんじゃないですか?

知ってた? 私は『ファブレス』が分からない男なんて、願い下げよ。

ええっ、そんなあ……僕に教えてください! きっと選考にも役立つと思うんです!

コンサル選考対策ワード

ファブレス

ファブレスとは、工場を持たないメーカーのこと。和製英語のfabrication lessを略してファブレスと呼ばれています。経営資源を設計や開発、マーケティングなどに集中させ、生産を外部に委託することで、利益率が高いビジネスモデルを構築すること目的です。

1980年代、シリコンバレーの半導体企業が、高品質かつ高い生産能力に定評のあった日本企業に製造を発注したのが始まりとされています。
 
ファブレス
 

でも、任天堂だって自社の工場を持ってるし、appleだって自社で製造用の装置を作ってるし、ファブレスって言えるんですか?

工場をなくすことがファブレスの目的じゃない。自社の経営資源を強みに集中させて効率化することこそが、ファブレス戦略の目指すところよ。

Appleはデザイン、任天堂は企画力に経営資源を集中して成長してきた。その戦略が結果的に「ファブレス」と呼ばれるようになったんですね。

今日はファブレスの代表企業の中でも「新製品開発」に特化した企業を分析するわよ。

 

ヒロセ電機が優良企業である3つの理由

  1. 新製品の売上比率は約30%と先端技術に特化
  2. 経常利益率は25%を超え、競合を10%以上離す高収益体質
  3. 12カ国に拠点を持ち、海外比率が7割を超えるグローバルメーカー

 

えーっと、資料によると、ヒロセ電機が作っているのは、Wiiをはじめ、全自動掃除機ルンバや自動車、パソコン、デジカメ、スマホなどの……

「コネクタ」ね。


 

ヒロセ電機コネクタ図
ヒロセ電機製品検索ページより
https://www.hirose.com/product/jp/

わ! いかにもって感じですね!

でも、スマホ用では1/4を超える世界トップクラスのシェアを誇るし、もちろん国内でも1位なの。

 

新製品の売上比率は約30%と先端技術に特化

 

ヒロセ電機がファブレスへと舵を切ったのは、まだそんな言葉すらない1960年代前半よ。

1960年代って言うと、カラーテレビ(Color television)・クーラー(Cooler)・自動車(Car)、新・三種の神器の時代か。

電化製品が業務用だけでなく一般家庭にも普及して、コネクターを手がけていたヒロセ電機も順調に成長していた。でも、海外大手メーカーが圧倒的大規模で日本進出するという噂を聞きつけ、シェア拡大の戦略から方針転換したの。

生産力競争では勝てないから……新製品開発に特化しようと決意したんですね。

新製品は、標準化された大量生産品より利益率が高い。それに、潜在ニーズ察知力やそれを実現する技術力が必要だから、他社にとっての参入障壁も高くなる。

でも、新製品開発って必ずしも当たるわけじゃないですし、継続的に利益を出すって観点ではイマイチな戦略なのでは?

もちろん、1つの新製品に社運を賭けたら即倒産なんてこともあるかもしれない。では、リスクを回避するには……

新製品開発をたくさんやり続ければいいんですね!

その通り。毎年新製品比率が3割以上になるほど新製品を出し続けて、技術が標準化して価格が下がってきた製品はどんどん撤退、というプロセスを繰り返した。

 

経常利益率は25%を超え、競合を10%以上離す高収益体質

 

その結果、業界の中でも圧倒的に高収益な事業体制になったのか。

競合他社メーカーの利益率が10%台なのに対して、ヒロセ電機の経常利益率は25.4%。さらに製造業全体の利益率と比較すると、かなり高収益体質であることが分かる。

 
経常利益率推移
 

2000年以降のヒロセ電機の経常利益率平均は約28%ってことは、製造業製品平均より20ポイント以上も高収益だったんだ。

設備投資は製造用機器や金型などのコア技術の研究開発に集中させて、生産そのものはファブレスを貫き、利益率が高く値崩れしにくい新製品開発に特化していたことが大きいわ。

生産量に依存しにくい収益体制だったから、製造業でありながらITバブル崩壊やリーマンショックなどを乗り切れたんですね。

 

12カ国に拠点を持ち、海外比率が7割を超えるグローバルメーカー

 

下の2015年度の海外比率を見てもグローバル売上が高いことは分かるんですけど、世界でのシェア争いはどうなんですか?

 
ヒロセ国内海外売上比率
 

実は、コネクタ業界では国内ではトップシェアなんだけど、海外シェアは最も高い携帯用コネクタでおよそ25%ほどで、シェアは横ばいね。コネクタ全体で見たら世界シェアはもっと少ない。

じゃあ12カ国の海外拠点では何をやってるんですか? 製造してるわけじゃないし、だからと言ってシェア拡大しているわけでもないし……

さっき、ヒロセ電機は新製品開発に注力してるって言ったでしょう。

はい、だから利益率が高いんですよね。

そのために世界中の拠点でやるべきことは、シェア拡大ではなくて、顧客の一歩先行くニーズをつかみ、製品開発をいち速く進めることなの。

そうか、シェアを拡大してしまうと、最終的には圧倒的なマーケットリーダーになるか、価格競争するかのどちらかしかないから……

新製品開発に特化する以上、自然と高い利益率のものを世界中で少数販売するビジネスになる。

結果的にシェアはあまり拡大しないけど、それでも業界内では「技術的に困ったとき新技術で頼れる企業」というポジションで、成長を続けていくことができたんですね。

そうだ、今日あなたのスニーカー。

僕のですか?

ナイキもファブレスよ。1962年にナイキ創業者が、オニツカタイガー(現・アシックス)にシューズ供給を依頼したのがきっかけね。

リサさんって色々知ってますけど、何が専門のコンサルタントだったんですか?

私は専門性が付く前にやめちゃったからね。若手のうちのコンサルって、他社から見れば「専門性のない高給取り」だから。

じゃあ、もしコンサルで数年働いて転職しようと思ってる人はどうなるんですか?

結局普通の企業では年収面などで転職条件が合わない。セカンドキャリアは他ファームに行くか、大手企業の経営企画部に行くか、私みたいに独立起業するかかしら。

DeNA社長の南場さんやエムスリー社長の谷村さんもマッキンゼー出身でしたね。

実は、あなたの家の近くにもコンサル出身者のBARがあるかもしれないわよ。

 
マティーニ
【今夜のカクテル】マティーニ
ドライ・ジンとドライ・ベルモットに、オリーブを添えた王道カクテル。名前はよく聞くと思うけど、かなりアルコール度数が高いし、初心者には決して飲みやすい味でもない。でも、いろんなカクテルを飲んでるうちに分かるようになってくる。コンサルも、最初は腰を据えて取り組まないとね。
 

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