【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「プロダクト・ライフサイクル」を具体事例で分析

PCS2017

外コンBARふぁくろじ

 

就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『プロダクト・ライフサイクル』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

第24夜:オペ室から始める病院経営コンサル。54期連続増収でさらなる新規大型投資に挑む「株式会社ホギメディカル」が凄い

 

この前、医学部の先輩が転職してマッキンゼーにいった話を聞いて、びっくりしたんです。

日米で医師免許を取ってマッキンゼーでヘルスケア業界のコンサルしたのち起業して5億円調達、みたいなキャリアの人もいるわよ。

5億円! 僕なんか足元にも及びませんね……

市場選定、損益分岐点の見極め、適切なKPIの設定、プロセスの標準化。病院は特殊な業界だけど、アプローチはどれもコンサルの基本だし、恐れることはないわ。

それなら僕でもいける気がする!

今回は、ちょっと珍しい「オペ室からの経営改善」、ホギメディカルを見てみようかしら。

 

ホギメディカルが優良企業である3つの理由

  1. 創業以来54期で増収、最高のタイミングで新規大型投資へ
  2. 自己資本比率88%、無借金経営で業界では異色の安定企業
  3. 顧客を再定義し、新規事業開発を次々に成功

 

オペ室は、手術室ってことだから……「メス」「はい!」、みたいなやつですよね?

実際の現場とはちょっと違うけど、まあそんな感じね。ホギメディカルは医療系のメーカーで、主に手術室で利用する滅菌消耗品から始まった会社なの。

 

創業以来54期で増収、最高のタイミングで新規大型投資へ

 

図に入り切らなかったんだけど、ホギメディカルは創業以来54期で増収を続けてる。


 
ホギメディカル売上高推移図
 

今回は自信あります。消耗品だから、一度使って良さをわかってもらえば売上が継続的に積み上がる……ある意味ストックビジネスなんですよね?

質問するわよ。いつも使ってるトイレットペーパーのメーカーは?

え? そもそもメーカーとか気にしたことないし、安いやつを適当に買ってるから毎回違うかな……

そう。機能に差がつけにくい消耗品は価格比較されて、他社に変えられやすい。ストックビジネスにはなりにくいのよ。

 
ホギメディカルの投資活動によるキャッシュフローと、現金及び現金同等物の期末残高
 

でも、キャッシュも増えてますし、順調な売上成長を背景に2015~2016年では新工場建設への大型投資もしてますね。

なぜ消耗品ビジネスで成長できたかという問いに答える前に、先にこの大型投資判断について分析してみるわよ。

 

自己資本比率88%、無借金経営で業界では異色の安定企業

 

ホギメディカルの大型投資が適切か検討するなら、どうしたい?

これまでリサさんに教わった財務の安定性指標で言うと、自己資本比率が高いなら安定している、内部留保(利益剰余金)の金額が大きいほど良い、でしょうか?

 
内部留保と自己資本比率の推移図
 

2016年の自己資本比率は88%、5年平均で見ても86%もあるんだ!利益剰余金も確実に出ているし、毎年増額している。

実は、2012年~2015年までの有利子負債残高はゼロ。株主還元としての配当額も毎年増加しているのにここまで安定しているのは、メーカーではなかなか実現できるものではないわ。

安定した財務基盤がある今のタイミングで投資すれば、次の成長に繋がりそうですね。

これまでの私の分析では安定性を評価の指標としてきたことも多かったけど、「貯めたお金をどう使っているか」の分析も重要よ。

どう使うか、を助言するならコンサルの出番ですしね!

 

顧客を再定義し、新規事業開発を次々に成功

 

そろそろ、最初の疑問に答えようかしら。なぜ「消耗品ビジネスで、こんなに成長できたのか?」

そうだ、海外市場じゃないですか? 長期的に見れば国内市場が伸び悩むことを視野に入れて、グローバル展開が成功した。

残念。すごくいい視点だけど、今日は調子悪いわね。

ううーん……ホギメディカルが創業時に開発販売していたのは、「手術直前に殺菌・消毒」といった概念が残っていた時代に、「あらかじめ滅菌済みのものを用意して保存しておける」滅菌バッグでしたよね。

じゃあ、その製品を営業する際は、誰がクライアント?

MRは、薬を処方するお医者さんに直接営業してますよね。だったら消耗品は、消耗品を発注する事務の人……?

正解! 最初は、ごく普通のメーカーとして病院を回り、事務の人に卸してたのよ。

せっかく画期的な製品だったなら、そのまま頑張ってグローバル展開を目指せばいいじゃないですか?

知ってた? 私は『プロダクト・ライフサイクル』が分からない男なんて、願い下げよ。

ええっ、そんなあ……僕に教えてください! きっと選考にも役立つと思うんです!

コンサル選考対策ワード

プロダクト・ライフサイクル

売上を縦軸・時間を横軸にプロットすると、多くの製品やサービスが同じようなグラフとなります。グラフを「黎明期・成長期・成熟期・衰退期」の4つに分類し、各ステージによって製品の市場規模・収益性・ターゲット顧客・取るべき戦略などがおおよそ決まるとしたのが、プロダクト・ライフサイクルの考え方です。

 
プロダクト・ライフサイクル
 
しかし、このままでは同じ製品・業界であれば、どの企業であっても取るべき戦略が同じになってしまいます。プロダクト・ライフサイクルには「競争」の概念が含まれていないためです。現代ではプロダクト・ライフサイクルそのものを事業戦略策定に利用するのではなく、市場規模・収益性・ターゲット顧客などを分析するフレームワークとして活用されています。
 

市場を海外に広げることで「成長期」の時間を伸ばす事はできても、いずれ「成熟期」の壁にぶつかるし、外資メーカーと価格競争できるほどの資本もなかった、ってことか。

そこで、成長の鈍化を回避するために発想を転換したの。これまでクライアントは病院の事務の人と考えていただけど、実際に卸している製品を使うのは誰?

「メス」「はい」……ってことは、医師と看護師?

そう。実は手術って器具の準備がものすごく複雑で難しく、長いと1手術で2~3時間以上かかる。実際に「手術看護師」という認定エキスパートもいるけど、全国で472人しかいない(2016年7月現在)。

そうか、手術看護師の業務効率化ができれば、もうそれは「安ければいい消耗品」じゃなくて、「課題解決に必要な商品」になりますね!

その通り。手術看護師に対するソリューションもセットになった「キット」形式の商品がヒットしたの。でも、やはり成長期・成熟期に近づくと、競合他社が出てきて価格競争になってしまった。

うう、ビジネスは厳しい……

回避するためにはどうする?

商品売りから、看護師の課題解決へと進化した。さらに高度な課題を解決できれば……

じゃあ、もう一段階視点を上げるわよ。

 
手術室の業務フロー
 

手術ってすごく特殊な世界に思えてましたけど、結局は時間・在庫・原価・人的資源……全部普通の経営課題解決と同じだ。

そこで、手術全体の経営管理をする新サービス「オペラマスター」を開発した。

今度は看護師ではなく、病院の経営層に提案するんですね。「オペ室の課題を解決して、経営改善しませんか!」

プロダクト・ライフサイクルに依存してしまう消耗品ビジネスから、計画・業務管理・データ分析まで一貫してできる、コンサルティング型のビジネスへと変化できたから、成長し続けられたのね。

なんでマッキンゼーが医療・ヘルスケアのコンサルティングに力を入れていたか、分かってきた気がします。

マッキンゼーの日本支社には9人のシニアパートナーが居るけど、そのうちの3人・30%がヘルスケア・製薬関連に強みを持つパートナーね(2017.1.26現在)。

よくコンサルはいろんな仕事が出来るって言いますけど、いずれは専門を見つけていくんですよね。

「幅広い仕事がしたい」なんて志望動機で言わないでね。ファームだって、そんなモラトリアムの延長みたいな人を育てる義理はない。

じゃあ、「経営に携わりたい」ならどうですか?

なぜ経営に携わりたいの? 事業会社の経営幹部候補採用とかの方が早く経営に携われる。マッキンゼーに受かるレベルなら、さくっと受かるんじゃない?

ええっと、じゃあ……

あなたは、なぜコンサルなの?

……

なぜ?って聞いただけじゃない。コンサルの面接なら普通よ。面接対策はやり直しね!

ええっ、そんなあ!

 
ノックアウト
【今夜のカクテル】ノックアウト
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