【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「ハンズオン投資」を具体事例で分析

外コンBARふぁくろじ

 
就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『ハンズオン投資』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

第4夜:ハンズオン投資で『資源を除いた総合商社』とも称される「オリックス株式会社」が凄い

 

チヒロさん……

初めて聞く女の子の名前ね。告白失敗したの?カクテルおごるわよ。

違いますよ!総合商社のM社にOB訪問してきたんです。法学部の友人のお姉さんに、社員の人がいて。

体育会系でもないのにOBに出会えてラッキーじゃない。

快活でよく笑う綺麗な人で、東京・リオデジャネイロ・ニューヨークを往復しながら新しいインフラ買収案件をチームでまとめきった、っていう人でした。

それにしても浮かない顔してるわね。

すごくかっこいい!僕もやりたいです!って身を乗り出したのに、チヒロさんは言うんです。「そう簡単にはいかないよ、世の中には決まりというものがあるんだ」って。それから……

「いつどの案件に関わるかは選べないし、仮にやってみたい案件に携われたとしても、その結果がきちんと出るには10年以上かかることだってある。」かしら?

そうなんです。権益買収が終わって、インフラ設備の建設開始まで5年かかっていて、まだ運営開始もしていない。仕事の実感もわかなくて、意義を感じていてもふと虚しくなることがあるって……

当然よ。総合商社は、20~30年で利益を上げるビジネスモデルなの。投資先との関係を作り、バリューチェーンを支配して、周辺事業を含めて長い時間をかけて利益をあげることが優先だから。

じゃあそもそも、事業を自分の力で動かしたいという人は、総合商社のような多角的に投資するビジネスモデルにはマッチしないんですね。

そうとも言えないわよ。

え?

総合商社並に電力から不動産まで多角的な事業を手がけて、かつ数年での投資回収を目標とすることで、圧倒的な成長を遂げている企業もあるの。

優秀な人が何千人と集まっている総合商社ですら赤字になったりする時代なのに、短期間で投資収益を出し続けるなんて、出来るんですか?

しかも、51期連続で黒字。本当にすごい会社よ。

 

オリックスが優良企業である3つの理由

  1. 時代に合わせて事業構成を変化させ、51期連続黒字
  2. 圧倒的な利益成長率とともに、過去最高益を更新
  3. 「資源を除いた総合商社」とも称されるコングロマリット

 

オリックスって、あの球団のオリックス?

そう、1988年に阪急電鉄から買収したの。

球団買収って、DeNAとか楽天とかソフトバンクだけだと思ってました。僕が生まれる前にもそんなことがあったんですね。

生まれる前ね、そうよね……

あれ?リサさんも生まれる前じゃないんですか?

……

リサさん?

 

時代に合わせて事業構成を変化させ、51期連続黒字

 

オリックスは1964年に設立されたの。つまり、創業以来ずっと黒字経営ってことになる。

東京オリンピック、いざなぎ景気、3Cの時代、オイルショック、バブル崩壊、同時多発テロ、リーマン・ショック……全部経験してなお黒字経営なんですね。

もともとは、日本におけるリース業界の草分け的存在だったの。事業多角化を本格的に始めたのは、1986年に中堅証券を買収して、オリックス証券(現・マネックス証券)を立ち上げたあたりからね。その後も外資系企業を買収してオリックス生命保険を設立したり、破綻してしまった旧4大証券のひとつ「山一證券」の銀行子会社を買収してオリックス銀行を設立したりと、金融業で拡大していく。

なんで、いきなりリース事業から金融に広がったんですか?

リースって、いろいろな物品を企業に数年間貸し付けるビジネスなの(短期のものはレンタルといって区別される)。企業にとっては、購入するより設備投資の負担が軽減できて、税制上も有利になるから、あっという間にニーズが高まった。リースする際には、貸し倒れリスクも見据えて金利(手数料)を設定する必要があるから……

リースに必要な、与信審査とファイナンス能力が、そのまま金融業に活きたんですね!

そう。それと同時に、リースとして貸し付けている「モノ」そのものへの専門的なノウハウも増えていったから、そのまま周辺の事業投資・事業運営まで拡大できた。下の図は、事業別の利益推移図よ。

 

オリックス事業別利益構成推移

 

創業時のリース事業はほぼそのままに、事業投資や海外事業が拡大傾向にありますね。

古くは金融分野で拡大し、その後は不動産事業、2008年リーマンショック後の低金利時代では事業投資・運営にシフト。市況の変化があっても、必要なタイミングでいち早く戦略の方向転換ができる企業だから、51期もの間成長を続けることができたの。日本の大企業で、こんなに柔軟な会社は本当に珍しいわね。

 

圧倒的な利益成長とともに、過去最高益を更新

 

あれ……?投資ってことは、単に売上や利益額の上昇を見ているだけでは駄目ですよね?どんなに収益が良くても、借り入れが莫大だったらあまり健全とは言えないはず。

いい視点ね、企業分析が身についてきたんじゃない。どんなデータがあれば、投資効率を判断できそう?

投資に対する企業の収益性……そうか、ROEのデータを見てみたいです!

 

オリックスのROE推移図

 

ROEが急ピッチで上昇していて、投資効率が着実に上がってますね。

特に、投資案件に対するリスク管理が徹底的なの。例えばエクイティ投資案件は、500万円を超えるものから、CEOをはじめとするトップマネジメントの決裁が必要になる。

資産規模9兆円の企業とは思えない、念の入れようですね。

小さいビジネスであっても、担当者レベルではなく、全社的に情報を共有しシナジーを生み出そうという意識の現れね。小さくはじめて、見込があるとわかったら大きく動く。事業運営分野でも、最初はホテル・旅館などの小さいキャッシュフローのビジネスからスタートとして、最近では320億円を出資して関西国際空港・大阪国際空港の運営を始めたなんて例もあるほどよ。

 

「資源を除いた総合商社」とも称されるコングロマリット

 

資産内訳をぱっと見ただけでも、リース、リテール金融、生命保険、船舶・航空機関連事業、投資銀行、債券投資、アセットマネジメント、不動産投資、水族館や空港運営、太陽光発電…すごい広がりですね。

37の国と地域のネットワークを持ち、当期純利益の40%弱が海外事業を占めるグローバル企業でもあるわ。

商社のように、資源生産から製造小売まで、といったバリューチェーンを押さえる戦略ではないんですね。

そうよ。商社はバリューチェーンを押さえて、数十年先の未来を見据えた投資をする、と最初に説明したのを覚えてる?

はい、だから大規模投資ができる代わりに、事業に対する個人の寄与率は小さくなってしまうと。

商社は何十年先の利益を含めた高値で投資することが多いけど、オリックスは違う。基本的に5~7年先に売却する前提でシビアな投資判断を下し、オリックス自身の得意分野を活かしてハンズオンで事業運営に携わっていく。投資銀行の投資ノウハウと、総合商社の事業投資的な側面、2つのいいところを抽出して昇華した、そんなビジネスモデルなの。

「ハンズオン」はコンサル業界でちらっと聞いたことある気が……

知ってた? 私は『ハンズオン投資』が分からない男なんて、願い下げよ。

ええっ、そんなあ……僕に教えてください! きっと選考にも役立つと思うんです!

コンサル選考対策ワード

ハンズオン投資

ハンズオンとは、直訳すると「手を触れる」。コンサルティングファームや投資ファンドが、投資先の企業の経営に深く関与することです。

これまでは投資とは「お金」のことであると思われていました。しかしハンズオン投資は、金銭だけでなく「ノウハウ」「人的資本」「人脈」なども投資することで、より早くより効率的な成長を促すという考え方に基づいています。

コンサルティングファームにおけるハンズオンでは、経営陣の前で戦略をプレゼンテーションするだけでなく、実際に経営や現場に入り込んで、ボトムアップで戦略の浸透・遂行を支援することを指します。
ハンズオン投資

 

リース業で培った与信審査とファイナンス能力、そしてリースしている車・航空機・不動産といった「モノ」そのものへの深い理解と専門性が、ハンズオン投資をする際の武器になる。

だから、商社に比べてあんなに短期間でも、高い投資対効果のあるビジネスができるんですね!

資産の入れ替えも、投資銀行並にすごくシビアで流動的だから、撤退も機動的だし方針転換も早い。投資をしながら、自分で事業を動かしている感覚を得たい人には、すごくいい環境ね。

そういえば、こんなに総合商社に似ているビジネスなのに、なんであまり就活生に知られていないんでしょうか?

総合商社、と名乗ってないからじゃない?

まさか、そんな単純な理由なはずないですよ!

あなたも、チヒロさんに会いにいったのは「総合商社の人」だからでしょう?M社だから、話を聞きに行ったわけじゃない。総合商社の人であれば誰でもよかった。

まあ、確かにそうでしたけど……

もちろん、業界ごとに似ている部分もあるにはある。でも、コンサル的な視点で考えるなら、業界だけでなくて各企業のビジネスモデルを分析して、企業について知る方が賢いわ。世間の「ラベリング」に左右されているようじゃ、まだまだファクトに基いたビジネス視点とはいえないわね。

今日は一段と厳しいですね。

総合商社のチヒロさんは若くて美人なんでしょうけど、ビジネス経験なら私のほうが上よ。

わわ、リサさん、おごってくれるカクテル、シェイクしすぎです!

……

水っぽくなっちゃいますって!

……

リサさんも若くて綺麗ですよ!

よく分かってるじゃない。

あれ?「若くて」はファクトに基づいた視点じゃないような……

何のことかしら?

さっき、オリックス球団買収より前に生まれたって言っていた気が……待って、カクテル捨てないでください、リサさん!

 
スレッジ・ハンマー
【今夜のカクテル】スレッジ・ハンマー
「大型ハンマー」の名がついた、ほとんど無色透明のカクテル。ウォッカにライムジュースを入れてシェイク。ガツンと一発、御見舞してやらなくちゃ。
 

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