【外コンBARふぁくろじ】コンサル選考対策ワード「自己資本比率」を具体事例で分析

外コンBARふぁくろじ

 

就活中の東大生・ムツオがサマージョブ後に連れていかれたのは、外資コンサル出身のバーテンダー・リサが店主を務める“外コンBARふぁくろじ”。どこかで会ったことありませんか、そう尋ねるムツオに、彼女は今夜もささやく。「知ってた? 私は『自己資本比率』が分からない男なんて、願い下げよ。」

 

第12夜:3つの分野で世界シェア1位・時価総額1兆5000億円のグローバル企業「シスメックス株式会社」が凄い

 

リサさん、ジョブをやるたびに悩むんですけど……戦略策定って、結局何から始めればいいんですか?

答えを求める姿勢はコンサル的じゃないわね。

でも、前OB訪問したコンサルタントも、フレームワークはもちろん活用するけど、戦略の最後はアートだって言ってたし……

悩んだら、課題を解決しうる根拠を探す癖をつけなさい。例えば今回なら、こんな調査結果かしら。

 

利用頻度の高いフレームワーク

 

これは、The Global Benchmarking Networkによる44カ国450以上の会社・団体に対する、経営改善時に活用する手法の上位5位、下位5位のデータよ。

トップ5の中で分析フレームワークはSWOTだけなんですね!

特に成功している企業の強みを分析することは、古くから経営学で使われている手法の一つなの。

だから、リサさんはいつも強みの分析をしてるのか。

今回は、まさに「グローバルニッチトップ」のお手本でとも言える企業を分析してみましょう。

 

シスメックスが優良企業である3つの理由

  1. 3つの分野で世界シェア1位のグローバル企業
  2. 複合的な強みで、模倣されないビジネスモデル
  3. 海外機関投資家も注目する時価総額10倍の成長と、安定経営の両立

 

「グローバルニッチトップ」、つまりすごいマイナーな領域で、世界1位ってことですか?

マイナーだからって侮らないで。時価総額は1兆5500億円(2016年9月)、日本の上場企業の上位2%入るレベルよ。

 

3つの分野で世界シェア1位のグローバル企業

 

シスメックスは、病院内で利用する検査機器と試薬のメーカー。その中でも、血球計数・血液凝固・尿の3つの検査分野で世界シェア1位のグローバル企業なの。

2015年度の海外売上比率もすごく高いですね。海外売上全体で84%もあるから、日本の売上比率が小さく見える!

 

シスメックスの地域別売上高

 

シスメックスの面白いところは、M&A戦略による海外展開ではない点ね。50の海外現地法人で190カ国以上の国や地域と直接取り引きしているの。

一見、無駄の多い戦略に見えますけど、何か理由があるんですか?

 

複合的な強みで、模倣されないビジネスモデル

 

シスメックスの競合って、どんな企業が考えられると思う?

これまでの情報だけをもとにすると、検査機器メーカーと試薬メーカーですよね。

普通に考えれば、そのような企業との価格競争となって、コストダウンに強い企業がトップになりがち。でもシスメックスは、試薬は海外生産しているけど検査機器は日本で開発していて、コストの優位性はないわ。

それで世界トップシェアって、いったいどんな魔法なんですか!

残るキーワードは、分析の自動化・IoT化よ。

自動分析したり、検査機器をインターネットにつなげたりすれば確かに便利ですけど、それほど競合優位性にならない気がします。

半分正解、半分間違い。確かに大したことなく聞こえるけど、これまで言ったことを全て「組み合わせる」と圧倒的な優位性に変化するの。

ええっと……ここまで出たのは5点。現地法人で直接取引、検査機器メーカー、試薬メーカー、自動化、IoT。

アメリカの総合病院の経営者になって考えてみて。

はい、僕はカリフォルニアの病院経営者……

ある企業が、便利な自動検査機器を発明した。インターネットにつながってるから、必要なときに試薬やメンテナンスを提案してくれる。

すごく欲しいけど日本製だし、高そう。

と思っていたら、代理店を介さず直接取り引きできるから結構安い。しかも現地法人が窓口だから、何かあってもスピーディーに対応してくれる。

それなら安心できるし、注文しても良さそう!

単一の強みだと最後にはコスト競争になるけれど、複合的な強みを持っているから、長い間模倣されず世界トップシェアを維持できている、いい例ね。

 

海外機関投資家も注目する時価総額26倍の成長と、安定経営の両立

 

シスメックスはROEが継続的に上昇していると同時に、自己資本比率が安定しているから、海外の機関投資家からも大きな注目を集めているの。

今からちょうど20年前の時価総額は500億円だったから、直近20年で時価総額は26倍。投資家からも凄い人気企業なんですね!

 
ROEと自己資本比率の推移図

 

ところでリサさん……

知ってた?私は「自己資本比率」が分からない男なんて、願い下げよ。

ま、まだ何も言ってないですって!

コンサル選考対策ワード

自己資本比率

自己資本比率とは、総資本のうち自己資本が占める割合のこと。一般的に50%を超えるとかなり優良、20~30%程度でも優良であると考えられています。

負債と異なり、自己資本は返す必要がないので、自己資本比率が高ければ高いほど「経営が安定している」という事になります。業績が良い場合は株主に配当という形で還元する必要があるものの、業績が悪い場合は配当を見送る事もできるので、企業にとって都合のいい資本です。

一方、自己資本比率が低いというのは、すなわち他人の資本(借入金など)が多い状態を表します。借入金に頼らざるを得ない経営である可能性が高いと同時に、倒産した際に返済できない可能性も高いため、銀行や市場からの信用度が下がります。借入金は、業績が悪い場合にも返済し続けなければならないため、経営は不安定となります。

 
自己資本比率とは
 

自己資本比率を上げるためには、上記の分子にあたる「自己資本」そのものを大きくするか、分母である「総資産」を小さくする、のいずれかが必要です。自己資本を増やすには、増資をする・利益を上げる、総資産を減らすには不要な遊休固定資産などを売却して負債を返済する、といった方法があります。

ちょっと待ってください。確かにシスメックスは自己資本比率が20%ですけど、これだけじゃ安定してるとは判断できない気がします。

ここがポイント。シスメックスは実質無借金経営なの。確かに負債はあるんだけど、現金などが潤沢にあっていつでも返せる状態だから、ROEがそこそこでも好財務と言って差し支えないわ。

でも、そもそもすぐに返せるなら、借りる必要ないんじゃないですか?

財務戦略を考えれば合理的よ。例えば研究開発で一時的に大金が必要なとき、株を使って市場からお金を集めようとすると、ある程度利益が出たら株主に還元する義務がある。

そうか……!高成長で財務体質も健全な企業なら、株式市場よりも安い金利でお金を貸したい銀行がたくさんあるから、そっちから調達した方が株式資本より効率がいいのか。

今度は正解!

やった!

次は、あなたもSWOT分析してみる?

今ならどんな強みも分析でもできる気がします!

あなたの強みは……自身過剰で、すぐに調子に乗ることかしら。

え、僕が分析される側なんですか!!

 

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