A. ロジカルシンキングは選考突破のために必要な能力ですが、それだけでは足りません。
コンサル就活の対策が進んでくると、論理的にケースを分析することにこだわったり、MECEやフレームワークといった言葉を使うようになっていきます。確かに、物事を論理的に分析する能力は大切なのですが、論理的思考すなわちロジカルシンキングが出来ればそれで良いというわけではありません。むしろ、論理的に考えることにこだわるあまり、柔軟な発想が妨げられたり、現実味のない結論が導かれることがケース面接で多発しているとの声が、現役の人事の方から寄せられています。
書店に行けば、いまやロジカルシンキングについて書かれた本は多くありますし、ロジカルシンキングは訓練すれば身につけられる能力です。「ロジカルに考えられる俺ってイケてる!」と考えるのは、コンサル就活においては危険でしょう。他の業界での就活においては、確かに論理的に思考をして議論を進められる人は珍しい存在かもしれません。しかし、コンサル就活においては、論理的思考ができる人が多く集まる傾向にあるので、論理的思考力が大きな強みになるとは考えにくいです。言ってしまえば、論理的に考える能力は、コンサル就活生に求められる最低限の能力と考えるべきです。
ロジカルに考えて結論を出せば良いというわけではない…では、どんな能力が他にも求められるのでしょうか?まず思い浮かぶのが、「発想力」です。クリエイティブな思考というのはどの業界でも求められる能力であり、論理的思考力と独創的発想力を兼ね備えている人が理想です。しかし、発想力というのは鍛えようと思ってもなかなか鍛えられるものではありません。ここを鍛えようとしても、恐らく迷宮入りしてしまうので手を出さない方がよいでしょう。
そこで、選考の内容に立ち返って考えてみましょう。選考は主にグループワークと個人ワークの二種類があり、その双方に論理的思考力が要求されます。では、グループワークで要求される能力は何でしょうか?そう、明るく話すコミュニケーション能力だったり、議論を促進するよう周りに働きかけるファシリテーターとしての能力だったりと、人との議論を活発化させるような能力がグループワークでは求められるのです。考えてみれば、これはコンサルタントになった後も要求される能力です。なぜならコンサルタントは単独でプロジェクトに取り組むのではなく、複数人でチームを組んで仕事をするからです。優れたコンサルタントは「人間力」があると、現在のA.T.カーニー日本代表の方も主張しており、人を動かす能力は強く求められているでしょう。
個人ワークもコンサルタントとの面接形式で行うため、コンサルタントから必要な情報を引き出したり、自分の意見に対するツッコミに上手く対処したりと、コミュニケーション能力が同様に求められます。こういった能力があれば、自分の意見や主張を的確に伝えられ、相手を納得させられるでしょう。納得というのは非常に大切で、結局のところコンサルタントが行うのはクライアントに提案をしてその提案内容を納得してもらうという作業です。クライアントが満足し、納得してくれなければ、その仕事は失敗だったということになります。
まとめると、コンサルタントに求められる能力はロジカルシンキングだけではなく、むしろ人とのコミュニケーションを活発にし、相手を納得させることができる能力も重要だということになります。もちろん、他にも、マーケティング能力などの専門性の高い能力は重要ではあると思いますが、新卒採用は知識量よりもポテンシャルを見ているため、自分の頭で考える能力やコミュニケーション能力などの「基礎的能力」を重要視していると考えてよいでしょう。
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