「フェルミ推定ってなに?難しそう。」
「面接官の目に止まるくらいの”解く力”を身につけたい。」
就活の時期や志望ファームの種類によって内容はさまざまですが、コンサル就活において不可避とも言えるフェルミ推定に頭を抱える人は少なくありません。
このページでは、フェルミ推定についての理解が深まるだけでなく、「フェルミ推定」をスラスラと解くために必要な考え方、そして、小手先のテクニックではない本質的な考え方について、元外資戦略系コンサルタント監修のもと解説します。
目次
フェルミ推定ってなに?
一言でフェルミ推定を表すと、
“わからない数値” を ”わかっている数値” で組み合わせて推定することです。
より詳しくいうと、
調査・実測が難しい数値を、自分の知識や与えられた前提となる手がかりをもとに、論理的に短時間で推定することです。「あるコーヒーショップの売上推定」や「国内旅行の市場規模推定」などが問題例として挙げられます。
たとえば「日本での年間スカート売上枚数」を考えるなら、下の式に分解して考えてみてください。このような定式化の下で、「誰が」「1年間にどれだけ」買うのかを考えれば、推定できますね。
売上枚数 = 購入する人数 x 1人当たり購入する平均枚数
フェルミ推定では、最低限の前提知識と論理的な思考力、計算力が求められます。特に論理的思考力は最も重要であるにも関わらず、鍛えるのが難しい素養です。
しかしながら、この記事でご紹介する基本解法の4つのステップに従って解く練習を積むことで、たとえ現在は初心者であっても、必ずフェルミ推定の問題をすらすらと解けるようになります。
また、インプットだけでは習熟できません。どんなこともアウトプットを通じて実践力となるので、記事の最後には演習用の問題集も付けています。まずは解法を学び、問題集で実践力をつけましょう。
フェルミ推定の解法 基本の4ステップ
Step1. 前提確認(計量対象の明確化)
まず、出題されたフェルミ推定の問題で「数える対象を明確に定める」ことが重要です。
例えば次の2つの問題を見てください。2問の違いは明確ですね。
①「日本にあるプールの数は?」
②「日本にある公共プールの数は?」
この2問のうち、①で数えるべきは「プール」なので、所有者や形式などの制約がありません。つまり、個人で所有するプールや公共施設・法人所有のホテル・保養施設などにあるものまで含めて数えなければなりません。
一方で②では「公共プール」と書いてあるので、数えるべきは都営・市営などの公共運営母体が所有するプールだけであると分かります。
このように、何を数えるべきなのかを最初に確認しておきましょう。
お題においては詳しく説明されない計量対象を示す日本語を、出題者の意図を汲み取って詳細に言語化しておくことが重要になります。特に解釈の余地がある一般名称のもの(プール,ホテル,…etc)を数える場合は、いくつかのイメージがつく特殊名称の構成要素(公共プールなど,格安ホテルなど,…etc)に分けた上で、網羅的なリストアップが重要です。
では、もし次のようなお題が出たとき、どうしましょうか。
③「都内のカフェ1店舗の1日の売上は?」
この問題では、特に「都内のカフェ」という部分があまり明確ではありません。場所によって繁盛具合はまちまちでしょうし、かといって都内の平均値を算出しようにも元になるデータがありません。こういった場合には、特定の主要な場所(渋谷・新宿など)を指定してしまっても支障ないでしょう。
《練習問題》
「日本に屋外でゴルフができる場所はいくつあるか?」
※ このような出題は一般的にあまり見られませんが、Step1の練習に考えてみましょう。
《解答》
単に「屋外でゴルフができる場所」と言えば,普通のゴルフ場(18ホール保有)以外にも、ゴルフ練習場(通称“打ちっぱなし”)や郊外・地方の開けた山場(例えば,夏のスキー場)などがありますね。この3つの中で、ただの山場でいきなりゴルフをしようなどと言い出す人はいないでしょうから、ここではゴルフ場・ゴルフ練習を数えれば良いと判断します。この問題を尋ねてくる人がどのような答えを求めているのかをイメージできれば自ずと数えるべき対象は明確になってきます。
Step2. 戦略策定(計量タイプ診断)
次に、計量対象が決まったら、数え上げる方針を確認します。「どのような単位で数えられるものなのか」を予め判断しておきましょう。
※このStep2は慣れてくると、ほとんど時間をかけずに認識できます。
ここでは、解くべき問題が下記のどのタイプに該当するか診断します。
(1) ある時点で、グループごとの所有数量(個人・世帯・法人・自治体・国など,具体的な名称で区分されるもの)
(2) ある時点で、ボリュームごとの存在数量(面積など,抽象的な広がりを持つもの)
(3) 一定期間に発生する経済変動量(売上・市場規模など)
これらの計量タイプごとに、数え方の方針がある程度決まります。例題を使いながら見ていきましょう。
◆(1)の例題 「日本にある公共プールの数は?」
これは、明確に国・自治体(都道府県)などの単位で数えられる所有数量ですね。単位面積ごとに存在するわけではありません。
◆(2)の例題 「都内にある駅の数は?」
これは,面積ごとに数えるのが良いでしょう。電車が停まる駅は利用者の利便性から、基本的には一定の間隔で(つまり一定の面積ごとに)存在すると考えられます。(このとき、複数の路線の駅が近くで重なるイレギュラーももちろんあります。)
ここで、路線ごとに駅を数える(1)のユニット所有で考えると、ほとんど知識に依存するので、数える糸口を見つけるのはかなり難しいでしょう。
◆(3)の例題 「日本におけるスカートの年間売上枚数は?」
これは、日本という単位ではありますが,ある時点でのスカートの存在枚数を数えるのではなく、年間を通して売られる/購入されるスカートの枚数を推定する問題ですので、(3)に該当します。
この(3)のタイプには2つの計量アプローチを検討します。対象を「需要」から考えるか「供給」から考えるか,です。これだけでは抽象的すぎるので,今回の課題を例に,アプローチの違いを体感してみましょう。
- 「需要」から考える場合
この課題の場合は,スカートを購入する消費者側の視点で計量することを指す。例えば,スカートの年間売上枚数 = スカートを購入する人数 × 1人あたりの年間の購入枚数,などの定式化に基づき,購買者カテゴリと年間購入枚数のセットで推定していく。
- 「供給」から考える場合
この課題の場合は,スカートを販売する事業者側の視点で計量することを指す。例えば,スカートの年間売上枚数 = 衣服販売店舗数 × 1店舗あたりの年間売上枚数,などの定式化に基づき,販売所カテゴリと年間売上枚数のセットで推定していく。
2つのアプローチを考えてみると,「需要」からアプローチするほうが考えやすいと気づきます。このように,マクロな(巨視的な)市場規模や売上規模の推定に対しては,「需要」アプローチが適していることが多いです。逆に,ミクロな(微視的な)売上規模の推定に対しては,「供給」アプローチのほうが筋良く推定できることが多いです。
Step3. 論点の構造化
いよいよ推定の本番です。
このStepでは,計量対象を適切な構成要素に分解して推定精度を向上させます。推定するための「枠組み」=「フレーム」を作るのです。
Step2で扱った課題を例に取り組んでみましょう。
例題:「日本におけるスカートの年間売上枚数は?」
先ほど,「需要アプローチ」を選択したので,「スカート年間売上枚数 = 購買人数 × 年間平均購入枚数」の定式化を更に細かく見ていきます。
すると,結果として下図のように構造分解できました。この手順を詳しくおさらいしていきます。
(Step1)
まず、計量対象である「スカート」について定義しておきましょう。ここでは、ワンピースなどの全身をまとうものは含まず、腰下で履くもの、そして制服や就活で使うスーツ類も含むとします。
(Step3-1)
スカートを買う主な目的としては、「履く」ためだと考えてよいでしょう。(ここでは「履かないスカートを買う(=展示・保管用)」のは含めないものとします。)
ここで、スカートを履くことについて、誰がどんな場面で履くかについて想像してみます。すると、年齢や性別・ライフスタイル(学生/社会人など)が影響を与えると考えられます。
たとえば、男性でスカートを履く人はごく少数と言えるため、今回は女性に焦点を絞って良いでしょう。また女性のうち、20代までは一定数スカートを好む人がいるのに対し、30代以降はスカートを履くことへの抵抗感を覚える人もいると考えられます。年齢上昇とともにスカートを履く女性の割合は下がり、50代以降では履く人が少数と推察できますね。しかし、オフィス等の仕事着としてスカートはまだまだ使用されることも多く、仕事用は切り分けて考えたほうが良いかもしれません。
(Step3-2)
20歳以下の女性においても、「小学生は成長期を迎える人も多いため、購入周期が短く買い替えが頻発するだろう」、「中高生は制服のスカートと私服のスカートの両方を買う人もいる」、「大学生、社会人は自由に使えるお金が増える」などの観点も忘れられません。
さて,解題プロセスの中で最も試行錯誤が必要なStep3ですが,課題を分解するための軸・切り口を考える際に最も重要なことは、
そのお題に対して、影響力の大きな分類はなにか。
です。
たとえば「日本にある自動車の合計台数」を求める問題で、世帯を軸にしても、「世帯主の年齢層」と「都会か田舎」であれば、交通網の発達による公共交通機関の影響は大きく、前者以上に後者の切り口をベースに考えた方が筋のよい答えにたどり着ける可能性が高いでしょう。
このように要素を分解して考えてきましたが、分解して思考をする際には図のようなロジックツリーと呼ばれる思考ツールが便利です。ロジックツリーは、思考を明確にするために便利なツールです。後ほど「戦略的にメモを取る」という項目でも述べますが 、最初はバラバラに出した要素や原因も、最終的にロジックツリーに整理しておくことで、途中で詰まった時や発表する時、または発表後に面接官と対話する時に、自分の思考過程を素早く再点検して修正することが出来ます。
ロジックツリーとは何か、どのように使うのかなどの疑問をお持ちの方は、コンサル就活でよく聞く「フレームワーク」って何?をご覧ください。
Step4. 数値代入・計算実行
前回のStep3で考えた切り口で分解し、的確な数値を割り当てることで、推定値を算出しましょう。ここで当てはめる数値の1つ1つにも細かな根拠や想定の理由を考えることが重要です。
計算を簡略化するために、日本の人口が1億2000万人と考え、うち半分が女性とします。年齢別の人口分布は一定で平均寿命を80歳とし、同年齢の女性が6,000万人 ÷ 80 = 75万人いると仮定します。
下表に基づき、母集団人数×年間平均購入枚数で分解して算出します。母集団人数はすべて該当年代分×75万人で定めました。以下数値を代入していきますが,厳密さは求めすぎず、自分の知識や経験から大まかな数字をモデル設定してください。
制服・仕事着用
【A】 小学生以下の場合,12年代分のうち7~12歳と約半数(1/2)が制服を着る該当母集団であり,なおかつ制服を着る小学校の割合を1/10と想定した(10校に1校程度の割合)。制服の買い替えサイクルを成長が速いことから1/2(枚/年)として推定した。
【B】 中高生の場合,6年代分すべてが該当母集団で,制服を着る中学・高校の割合を9/10と想定した。制服の買い替えサイクルを【A】よりもやや遅めに1/3(枚/年)として推定した。
【C】 大学生以上社会人の場合,すべての年代が該当母集団だが,制服(とりわけ職業服)を着る職種の割合が限定されるため,1/20と想定した(特に医療・航空が含まれる割合として考えた)。買い替えサイクルは【B】よりもさらに長めに1/4(枚/年)として推定した。
礼服用・スーツ系
【D】 大学生以上社会人の場合,すべての年代が該当母集団である。このうち礼服・スーツを着用する人はほとんど全てと考え,スーツの買い替えサイクルは1/4(枚/年),礼服の買い替えサイクルは1/6(枚/年)として推定した。
※また,毎年就活用リクルートスーツの購入が定期的にあり,これは1年代分75万人に対して大学卒で新卒就活をする割合1/3をかけて推定して後で加算することとする。
ファッション用
【E】 小学生以下の場合,すべての年代が該当母集団であり,どの家庭もファッション用にスカートを履かせるものとした。成長の速さから買い替えサイクルは2/1(枚/年)と推定した。
【F】 中高生の場合,成長は以前として速く,ファッションへの興味関心も増してくる世代である。該当割合は【E】同様で,買い替えサイクルだけやや遅く3/2(枚/年)と推定した。
【G】 大学生・20代の場合,すべての年代が該当母集団であり,誰もがスカートの購入対象として考えた。時間的余裕・精神的欲求の側面から買い替えサイクルは非常に高く,3/1(枚/年)として推定した。
【H】 30~40代の場合,すべての年代が該当母集団ではあるものの,スカートを履かなくなる人が出てくることを見込んで2/3が対象者とした。生活の変化(仕事・結婚・出産)により買い替えサイクルも落ち着いたと考えて1/1(枚/年)と推定した。
【I】 50代の場合,すべての年代が該当母集団ではあるものの,【H】よりもさらにスカートを履かなくなる人が出てくることを見込んで1/3が対象者とした。生活の成熟により買い替えサイクルもかなり遅くなったと考えて1/2(枚/年)と推定した。
以上の考察・設定から,求めるスカートの年間売上枚数は
900×(1/40+2) + 450×(3/10+3/2) + (900+1500+750)×(1/80+5/12) + 75×1/3 + 900×3 + 1500×2/3 + 750×1/6 = 約7800(万枚/年)
と推定されました。
算出の際には,細かな数字は四捨五入したり約分を活用したり,計算方法を工夫すると良いでしょう。特にフェルミ推定においては、面接官は正確な数値を算出してほしいのではなく、思考過程を評価したいので、適宜計算しやすい数字に設定することで計算の手間を省きましょう。
~ 最低限!覚えておくべき数値の例 ~
日本
人口:12500万人
世帯:5000万戸
国土面積:38万平方キロメートル(30%平地、70%山岳地)
給与所得者:5000万人
世界
人口:78億人
地球の直径:12000km
より推定を確からしくしていくために、知識として知っている数値を増やしておくことも有効です。この記事とあわせてフェルミ推定対策で覚えるべき数値一覧もご活用ください。
さて、ここまでがフェルミ推定の基本の解き方です。これをマスターしたうえでさらに上達するには、実際に解いてみる「アウトプット」が欠かせません。フェルミ推定問題集を関連記事としてご紹介しますので、ぜひそちらもご活用ください。
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面接官が見ている評価ポイント
フェルミ推定は、特にコンサルタント職の採用選考でよく用いられます。なぜでしょうか?
それは、フェルミ推定に関する議論・考察を通して、コンサルティング業務で必要とされる4つの素養
論理的な思考力、考え続ける忍耐力、クリエイティブさ、コミュニケーション能力
が身についているかどうか総合的に判断することができるからです。一見解決が不可能に見える課題に対して、自分の独自の経験や分析から新しい軸を設定して、相手を納得させる過程を踏んだ推測を考え続ける必要があるので、コンサルタントの適性を測るのにふさわしいのです。
実際の面接では、面接官の方とのやり取りを通じて自身の思考プロセスを提示したり、面接官からのフィードバックを受けて議論を深めたりしますが、考え続ける忍耐力・コミュニケーション能力を見ているのです。出題されたフェルミ推定問題の意図を読み取り、わからないところは質問する、あるいは自分の解答に足りない部分を指摘されたら、それを受け入れて改善する必要があります。
特に、フェルミ推定を含むケース面接では、「いかに素早く穴のない完璧な回答を仕上げられるか?」という能力を判断されていると勘違いされやすいです。本来は、面接官とのやり取りの中で推論を的確に修正・改善し、より筋の良い回答に素早く練り上げられるかが評価ポイントです。面接官と対立して闘おうとしてはいけませんよ。
選考通過のために意識すべきことは?
ここでは、面接官に好かれるための具体的なテクニックを4つご紹介します。
選考通過のための4つのテクニック
1. 思考の”深さ”と”幅広さ”を意識する
Step3「論点の構造化」で、一発で完璧な構造化を思いつくことはあまりないでしょう。できる限り良い解答を練り上げるには「問題の軸をつかむ」ことが重要でしたが、この軸の掴み方は様々です。
したがって、なぜ自分で設定した軸が適切なのかを”深く”考え、論理的に説明できるようにすることが重要です。また、問題を多角的に観察し、”幅広く”比較検討することで適した軸を見つけやすくなります。
構造化とはつまり、計量の数理モデルを構築することです。モデル構造をどのようにすれば最もそれらしい数値で算出できるのか、検討を重ねるのがロジカルシンキングの本質です。
2. 面接官とのコミュニケーションを大切にする
選考におけるフェルミ推定では、面接官との双方向のやり取りの中でコミュニケーション能力も見られています。自身で出した回答に対する面接官の意見を取り入れて、より質の高い解答を完成させるために共に議論しているという姿勢を忘れずに。
3. 戦略的にメモを取る
解答は文字ばかりでは伝わりづらいです。面接官との対話において、より効果的に内容を伝えるために、図や表を用いて説明しましょう。したがって解いているときも、構造図や表を書きながらメモできるように練習しておくと良いでしょう。
4. 時間配分を考える
推定にかかる時間を見積もっておきましょう。演習を通じて、自分が苦手なStepと得意なStepを把握しておくことは有効です。なるべく時間を多く配分し、一方で得意なステップは時間配分を抑えれば、自分なりのメリハリがある時間配分ができるため、時間切れを防ぐことができます。
選考通過のために意識すべき3つのNG
1. 通称「フレームワーク病」
基本解法Step3で論点を構造化する際に,過去の類似の問題と全く同じフレームワーク(=構造図)を転用して解答を進めてしまうNG例を指します。
過去の同じような課題を参照してフレームワークを応用するのは良いことですが,何も考えずに転用してはいけません。なぜ転用できそうなのか?致命的な違いがあるとしたら何か?などの理由や考察を”深く探る”ことが重要です。
パッと見で、知っている軸・切り口・フレームワークを設定してしまうと、論理性に欠ける回答につながるだけではなく、”浅く”・”狭い”思考だと判断されます。”深く”・”幅広く”を意識することで論理性を伴う解答に繋がり、思考力に富んだ人だという評価を得やすくなりますよ。
2. 面接官の意見を聞けない
自分の考えに自信を持っていたり、余裕がなく、自分で出した結論を最善のものにしようとするあまり、相手の意見を議論に取り入れることができないNG例です。
現代のコンサルティングは特に、チームで課題解決に取り組むことがほとんどです。自分が理解できない考えを無視するのではなく、理解しようとする姿勢と、その意見が良いものであれば議論に取り入れようとすることが大切です。面接官と対立しては、良いアウトプットは生まれません。
3. 枝葉の議論を意識しすぎてしまう
フェルミ推定(またはケース問題)を完璧な解答を作ろうとするあまり、発生してしまうNG例です。代表的な原因は「論点思考の欠如」です。
推定において最も影響力の大きい根幹部分は何か?=論点を捉えることを意識しましょう。
議論の枝葉の部分にフォーカスしすぎてしまい、根幹部分に十分な思考を避けなくなると、よりよい回答が出せないどころか,そもそも回答までたどり着けないことがあります。
フェルミ推定を解くために与えられる時間はかなり少なく、制限時間内に完璧な回答を作ることは極めて困難です。そのため、議論の根幹になる部分にフォーカスすることを意識しましょう。回答の推定結果は桁数がズレていないぐらいで大丈夫です。
フェルミ推定のベストな対策方法とは?
コンサル業界におけるフェルミ推定出題例
コンサルティングファームの選考では、フェルミ推定のみで出題されることは少なく、フェルミ推定とケース問題が同時に出題されることがほとんどです。
例) あるコーヒーショップの売り上げを推定し(フェルミ推定)、コーヒーショップの売り上げ向上施策を立案せよ(ケース問題)
こうして出題されるフェルミ推定の問題は、ミクロ・マクロ売上推定が多く、下記のような出題例です。
【出題例】
ミクロ売上推定
- あるコーヒーショップの売上推定
- ホームセンターの売上推定
- 豊島園の売上推定
マクロ売上推定
- マクドナルド全体の売上推定
- 日本における電子決済の取引額推定
- 国内旅行の市場規模推定
- シャーペンの市場規模推定
フェルミ推定の対策方法は?
フェルミ推定やケース問題では、アウトプット=自分で問題を解いて解答を言語化・捻出することが重要になってきます。高校受験や大学受験と同様に、ひたすらインプットを行っても、自分で解く力は養われません。演習と改善のフィードバックを繰り返し得ることが何よりも大切です。
このページで基本の解き方4ステップを理解した方は、【徹底解説付】ケース問題・解説集のフェルミ推定問題集やフェルミ推定問題を活用して、アウトプットを重ねましょう。
また、フェルミ推定と一緒に出題されることの多いケース問題に関しては、その詳細な説明や解き方をご紹介する【ケース面接対策】初心者でも選考突破に大きく近づく思考をぜひご参照ください。
まとめ
フェルミ推定とは与えられたお題の数値を知識・経験則を用いて客観的・論理的に推定するものでした。したがって、ただ一つの正解というものが(実は)存在します。もちろん計量しづらいので、推定問題になるのです。
したがって、お題となっているモノ・コトの実態を多角的に捉え、限られた時間と前提知識を駆使して、いかに知られざる唯一解に近づけたかが重要なのです。
前提知識の有無は人によって異なりますが、持ちうる情報を駆使して、いかに自分なりの解決方法を見出すかを試験官は見ています。この時に重要なのが、論点の構造化であり,計量対象を様々な視点から観察し切り崩していくロジカルシンキングなのです。
もちろん,知識が足りないことが原因で推定結果が解とずれることはあります。しかし、その推論過程において、既知の事実と秀逸な論理展開を駆使して求めた解答であれば受け入れられることが多々あります。
フェルミ推定は、コンサルタントとして求められる頭の使い方が凝縮されています。ぜひ日頃から様々な問題で訓練しておくことをオススメします。
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