Q. 中小企業診断士があればコンサル就職に有利ですか?

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A. 知識を活かすことはできます。

まず注意するべきは、中小企業診断士という属性を持っているからという理由でコンサルになれる、ということはないということです。コンサルの就活において重視されるのはとにかく実際の能力です。採用において属性のみで合否を判断されうるのは、ESにおける学歴くらいでしょう。その意味で、書類選考を突破できるか微妙な学歴であるなら、属性としての中小企業診断士が役に立つでしょう。しかし、ESでの学歴足切りを突破した後は、とにかくグループディスカッションやケース面接で実際の能力をじっくり見てきます。この段階においては、そこでの成果がすべてです。もちろん、こうした実力勝負の補助として中小企業診断士の知識が活きるのは確かでしょう。たとえば、ケース問題である企業の売り上げを○倍にするにはどうしたらいいか、という問題が出たとします。こういう問題の場合はある程度経済学的知見や企業の仕組みを知っていることが活きるのは確かでしょう。しかし、実力と知識は別物です。採用担当も、知識を多く持っているから、論理が甘いけど多少基準をゆるくしてやろう、などとは思いません。そもそも、専門的な知識がなければ解けないような問題を出して来るわけではないので、知識はあくまで考えやすくするための補助と考えましょう。

さらに、彼に合格したとして、中小企業診断士のスキルが戦略系コンサルの業務上大きく役に立つかといえば、疑問が多いところです。
まず、外資系戦略コンサルの顧客は大企業に限定されます。これはなぜかというと、一流コンサル企業を雇う費用が非常に高額だからです(数千万円は最低限かかります)。すると、大企業でなければ依頼することがそもそもできません。ところで、中小企業診断士が国家資格として設立されたそもそもの理由は、人、もの、金といった経営資源が不足している中小企業のフォローをするためです。日本の企業の99%が中小企業なわけで、政策的な重要性も高く、これが大企業診断士は存在せず中小企業診断士は存在する一つの理由です。ところが、大企業はこうした経営資源は整っていて、その上で非常に解決難度の高い経営課題の相談をしてきます。もちろん企業経営理論などの知識は大企業にも活かせますが、そもそも業務内容があんまり共通していないということを認識しておくべきです。さらに、中小企業診断には資格維持要件が存在し、年間に一定量中小企業の診断を行う必要があります。もし大手コンサルに勤めながら維持を考えるなら、休日返上して中小企業を診断しなければ、資格を維持することもできません。

こうした現実を踏まえたうえで、ストレート合格の可能性が5%以下と言われる中小企業診断士の資格を取るために勉強をするかどうかは、各自の判断次第でしょう。たとえばコンサルティングが好きで、もし大手コンサルに落ちたら自分で診断実績を積むんだとか、中小企業を顧客とする中小コンサル企業に就職するんだ、ということなら、大いに役に立つでしょう。しかし、ただ大手コンサルの就職のためだけに取ることはあまり合理的ではないと筆者は考えます。

 
Q&A一覧はこちら>【Q&A集】コンサル就活の小さな疑問、お答えします。

 

 

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