A:コンサルティングとは「相手が抱えている課題を明らかにして、その課題の解決策を提案する」ことです。
上の定義によると、「経営コンサルティング」とは「クライアント(依頼者)である企業が抱えている経営上の課題を明らかにして、その課題の解決策を提案する」ということだといえます。よくある経営コンサルティングのイメージとしては以下の様なものがあるでしょう。
「ここ数年、A社が行っている事業の1つであるX事業の売上が落ちている。売上をなんとか回復させたいと考えたA社は、経営コンサルティング会社に依頼をしてX事業へのアドバイスを求めた。」
この依頼に対して、経営コンサルティング会社は調査を行い、「事業Xの売上が落ちている原因は、マーケティングのやり方が悪いからだ」とか、「競合している他社が成長しており、シェアを奪われているからだ」などといった調査結果をクライアントであるA社の経営者に示します。そして、調査結果の報告だけでは終わらず、どうやったら現状を改善してクライアントが抱える課題を解決できるかの提案も行います。たとえば、「今のマーケティングのやり方を変えて、別の年齢層に向けた広告を打ち出すべきだ」とか、「競合している他社との差別化を図り、消費者に選ばれる製品作りをすべきだ」などの提案をします。実際には、もっと具体的な調査や提案を行いますが、イメージとしては以上のようなものだと思ってよいでしょう。
また、経営コンサルティング会社は、「あなたの会社が競合他社に勝てる見込みはほぼないなので、事業Xそのものを廃止すべきです!」という提案をすることも珍しくありません。クライアントである企業は「事業Xの売上が伸びていないのが問題だ」と思っているのですが、経営コンサルティング会社は事業Xの存続にこだわりません。経営コンサルティング会社は「そもそも、事業Xを立て直すために時間とお金を使うよりも、事業Xを廃止して別の事業を行うように勧めた方がクライアントのためになる」と考えたなら、事業Xの廃止を提案します。これは、経営コンサルタントがコンサルティング業務を生業とするプロフェッショナルであり、真にクライアントの利益を考えている証拠だといえるでしょう。クライアントが思っていた問題は「事業Xをどうすれば立て直せるか」という範囲にとどまっていましたが、コンサルタントの思考は「そもそも事業Xを続けることがクライアントにとってプラスになるか?」という範囲にまで及んでおり、この思考の柔軟さこそが経営コンサルティング会社のウリだといえます。
しばしば経営コンサルティングを行うコンサルタントは、「会社のお医者さん」と呼ばれたりします。これは、患者は自分の体のことは自分が一番よくわかっていると思っていても、実際には病気にかかっているか否かや病気の治し方は医師にしか分からないという構図が、企業とコンサルタントにも当てはまるからだと考えられます。医師が私たちの健康に欠かせない存在であるのと同様に、コンサルタントも企業の経営改善には欠かせない存在なのです。
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