“コンサルティング業界の志望動機”は何を書けば良いのか

ES・面接で困らない、”コンサルの志望動機”で伝えるべきこと【例文付き】

ここでは、コンサルティングファーム志望動機を考えるにあたって知っておくべきことをまとめました。まだ志望動機を考えている段階の人は、参考にしてみてください。

 

目次

 

エントリーシートの書き方が知りたい方は、コンサルファームのエントリーシート(ES)対策まとめを、選考日程が知りたい方は、日系・外資コンサルティングファームの選考日程一覧をご覧ください。

 

1.コンサルタントの仕事内容と魅力

コンサルタントの仕事内容と魅力をわかっていなければ、志望動機を書くことはおろか、そもそもコンサルタントを目指すモチベーションも湧いてこないでしょう。

コンサルタントの業務は簡単に言ってしまえば、「特定の業務について詳しい人々が、その知識をアドバイスという形で提供すること」になります。

「業績が思うように上がらない」
「突発的に課題が発生した」
「海外展開したいがノウハウが無い」
「新規事業を作りたいので市場動向の分析をプロにお願いしたい」

など、様々な問題意識を抱えている企業・団体に対してアドバイスを行い課題解決の支援をするのがコンサルタントの大まかな業務です。

クライアントから依頼を受ける、あるいは自ら営業を行い受注すると、案件の大きさに応じてプロジェクトチームが組まれます。そのチームで

現状分析→課題(ボトルネック)の特定→初期仮説(解決策)の構築→検証→仮説の修正…

という流れでフレームワークや泥臭い調査を駆使しながら報告書を作成していきます。

コンサル就活でグループディスカッションやケース問題が選考に含まれるのはこれらの業務をやりきる力があるかを見るためでしょう。逆に言えば、グループディスカッションやケース問題を楽しいと思える方にはコンサルタントは魅力的な職業と言えます。

コンサルティング業界全体で見た場合、クライアントは民間企業の場合もあれば公共部門の場合もあります。組織規模も大企業から中小企業まで、あるいは、中央省庁から地方公共団体やNPOまでと多岐にわたります。

また世の中には実に多様な業務が存在するため、それに合わせてコンサルティングファームも進化を遂げてきました。次章では、コンサルティングファームの種類別に解説していきます。

関連:
コンサル就活でよく聞く「フレームワーク」って何?
コンサルのグループディスカッション対策法
ケース面接で求められている能力とは

 

2.コンサルティングファームの種類

コンサルティングファームは100年を超える歴史の中で多様な進化を遂げてきました。そのため、各ファームの住み分けを理解していないと的外れな志望動機を書いてしまうことになります。本章を通してどのような種類があるのか、それぞれどんなファームがあるのか、どのような仕事を行っているのかを理解しましょう。

戦略系

戦略系は、企業全体に関わる経営課題を発見・解決したり、経営上重要な事業(全社戦略、M&A、海外進出など)が成功するための方策を立案・遂行するファームです。企業の最上流の業務に対してコンサルティングを行うことから、経営コンサルティング界のメインストリームといえます。

代表的なファームに
McKinsey&CompanyThe Boston Consulting GroupBAIN&COMPANY
Arthur D. LittleA. T. KearneyStrategy&Booz Allen HamiltonRoland Berger
ドリームインキュベータコーポレイト・ディレクション
などが挙げられます。

 

総合系

総合系は会計系と称されることもあり、大手会計事務所(監査法人)を母体としています。大手会計事務所は、監査業務(=企業の財務書類を関係法令に基いてチェックし、信憑性を付与する)をその業務としているため、財務・金融に関する専門的知識や経験を保有しています。したがって総合系ファームはそれらを武器にクライアントに対してコンサルティング業務を行っています。「提案」に重きを置く戦略系とは違い、人事戦略、M&A、ITなどの支援を一気通貫で行うのが特徴です。

代表的なファームに
PricewaterhouseCoopers(PwC)DeloitteErnst&Young(EY)KPMG
などが挙げられます。

 

IT系

IT系は、本来の業務としてハードウェアの製造やITシステムの設計・構築を行っていた企業が、ITの技術革新にともない経営コンサルティングを行うようになったという背景を持っています。

代表的なファームに
ABeam ConsultingAccentureIBMシンプレクスシグマクシス、総研系企業のIT部門
などが挙げられます。

 

シンクタンク系

シンクタンク系は官公庁・地方公共団体・NPOなどに対する政策提言・政策評価・調査などを主な業務としています。公募にかけられた案件を受託して初めてプロジェクトを発足できるため、各ファームはそれぞれに得意な政策分野を持っていることに注意が必要です。

代表的なファームに、
野村総合研究所三菱総合研究所日本総合研究所大和総研三菱UFJリサーチ&コンサルティング
などが挙げられます。

 

ハンズオン系

ハンズオン系はクライアント企業の中に実際にコンサルタントが常駐して支援を行うことを主な業務としています。提案を完遂させて成果を確実に出すことに重きを置いています。

代表的なファームに、
日本能率協会コンサルティングベイカレント・コンサルティング経営共創基盤
などが挙げられます。

 

3.志望動機の書き方(例文付き)

この章ではいよいよ”コンサルの志望動機”の書き方を解説していきます。

志望動機でまず重要なのが、「なぜコンサルか」ということでしょう。

「経営に関わりたい」だけなら商社やベンチャーでもよく、「理論的な観点」を求めるなら研究者でもよく、「企業を助けたい」なら銀行でもできます。他の業界と比較して「それでもコンサル」と言える理由を見つけましょう。

参考:
外資系投資銀行(外銀)vsコンサルティングファーム
コンサル志望ですが、ベンチャー企業のインターンに参加すべきですか?

それと同時に、その学生が自社にどの程度興味を持っているのかを見ています。特にコンサルティングファームは各ファーム毎の違いがわかりにくく(特に外から見ていると)、個別のファームを志望する理由を書くのは少し時間がかかるかもしれません。

そのためどの程度熱意と根気を持ってそのファームについて調べられるかが、この設問の回答に表れます。「なぜコンサルか」「なぜコンサルの中でもその会社なのか」を突き詰めていきましょう。

 

【志望動機例】

・野村総合研究所(NRI)志望動機
私は日本の地域社会活性化という目標の実現のために経営コンサルタントを志望する。現在日本では地方の過疎化・高齢化が進展しており、地方で就職する若者を増やすことが大きな課題となっている。自分の地元が緩やかに衰退していく姿を見るのは大変心苦しく、この現象が日本全体で起こっているという事実は看過できない。解決のために必要なのは、雇用の創出と労働環境の改善であろう*。貴社ならばシンクタンクとコンサルティングのノウハウを有しており、官民両方面からこの問題に対処できると考え、志望する。また、貴社の説明会に何度か参加している中で、「お客様のために」という言葉を幾度となく使っていることが印象的である。徹底した顧客目線を貫く姿勢だからこそ顧客が抱える課題を根本から解決できるのであろうと感じた。以上の理由から貴社に魅力を感じ、志望する**。(400字以内)

*コンサルを選ぶ理由+原体験
自身が取り組みたいことを体験ベースで述べた上で、解決策を提示している。「雇用の創出と労働環境の改善」がコンサルにできるかどうか、あるいはコンサルにしかできないことかどうかは議論の余地があり、面接で質問を受けるだろう。その質問に論理的に返答できれば問題無い。

**コンサルの中でも野村総合研究所を選ぶ理由+体験
「シンクタンクとコンサルティングのノウハウを有しており、官民両方面から」アプローチができるのはコンサルティングファームの中でも限られてくる。その中でも「貴社の説明会に何度か参加している中で」感じたことをベースに、なぜこのファームでなければならないのかを述べている。

 

4.よくある志望動機の要素別解説

面接・ESに使える、鉄板志望動機

成長できる

コンサルティングファームの志望動機で鉄板の1つが、「成長できること」です。コンサルティングファームは非常に業務量が多く、またそれらの一つ一つが未知の分野の情報収集や分析であったりします。そのため若手社員はそれらの業務を毎日こなしているうちに数字を見る力やさまざまな手法で情報を収集する能力が急激な速度で向上していきます。また、教育制度や語学研修などが充実しているファームが多く、希望すればさらなる成長を望めることも魅力です。成長した上で何をしたいのかを述べられればベストです。

仕事自体が魅力的である

コンサルティングという仕事自体も魅力の志望動機になりうる要素の1つです。クライアント企業の問題を発見し、そこで働く人々のニーズに答えて組織やその経営戦略を変えていく仕事には、他には味わえないダイナミックさとやりがいがあります。

社員の方々が魅力的である

コンサルティングファームには新卒・中途問わず優秀な人材が集まります。そういった人々と一緒にチームとして働くことができることも魅力の1つです。また、彼らが転職しても元同僚というつながりが増え、自分のネットワークをさまざまな場所に張り巡らせることになり、コンサルタントとして働くときのみならず人生のさまざまな場面で役立ちます。また、ファーム内で気が合う仲間を見つけてコンサルティングファームとして独立したり、起業したりする人々も多いようです。

グローバルな働き方ができる

特に外資系ファームは世界中に拠点を持っていて、「現地への日本企業の進出」または「現地企業の日本市場への参入」といった依頼を受けることも多くあります。こういった案件は現地拠点との協業でチームを編成することも多く、さまざまな文化的背景を持つ人々との交流や、語学力を活かす機会も存分にあります。また、外国拠点への出張や転勤もあります。

さまざまな業界を見られる

若手コンサルタントのうちは専門性を決めずに、さまざまな業界のクライアント案件にアサインさせるファームが多いようです。そのためさまざまな業界についての知識を得ることができ、飽きることなく仕事し続けることができます。また知的好奇心が旺盛な人にとっては常に新しい情報と触れ合えるため、さらに魅力的だといえます。

 

面接・ESに使えるかは微妙…な志望動機

年収

コンサルティングファームは総じて高給です。外資系と国内系、戦略と非戦略とで多少開きがあるとはいえ、初年度年俸500万円、30歳1000万円オーバーが普通の業界であり、若いうちから高年収を欲しい人にとっては十分な魅力となるのではないでしょうか。ただし、志望動機としてはあまり褒められたものではなく、これを話すと正直であると評価されたという話を聞いたことはありますが、あまりおすすめはできません。

セカンドキャリアへの発展

1つのファームに定年まで居続けるという文化がなく、またセカンドキャリアが大きく開けていることも特徴の1つであり、これを望む人からはすると大きな魅力の1つです。
ただし、いくら転職が当たり前の業界といえど、転職を前提とした志望動機は評価が分かれるところです。しっかりとしたキャリアプランを持ち志望動機を述べらられれば良いですが、よくある「やりたいことがないからとりあえずコンサルティングファームを志望する」という動機は高評価にはつながりにくい様です。

 

面接・ESには使えないような志望動機

洗練されたイメージ

コンサルティングファームの魅力の1つは、そのブランドイメージです。コンサルティングファームに対して「スマートで、知的で、カッコいい」といった良いイメージを抱いている方も多くいるのではないでしょうか。また、一流大学出で華々しいキャリアを歩んできた人や高年収の人も多いため、なんとなくハイソサエティなイメージがコンサルティングファームにはあります。この点もコンサルティングファームの魅力の1つではあります。しかしそういった志望動機が面接官の心に響くことは少なく、話すことは避けたほうが賢明です。

勤務地が良し

ほとんどのファームが、六本木や丸の内などの都心一等地にオフィスを構えています。交通の便もよく働きやすい環境で仕事に集中できるという利点があるうのではないでしょうか。しかしこれも志望度をアピールできるとは言えませんので言うのは避けましょう。

 

まとめ

コンサルティングファームは特殊な業界であるため、以上のようにさまざまな志望動機が考えられます。自分にあった志望動機を見つけ、正直に熱意を持って話せるようにして面接に臨みましょう。面接官は面接のプロですから、薄っぺらい気持ちを語ったり、ウソで塗り固めた志望動機を話しても見破られてしまいます。能力に比べると志望動機はあまり重視されていないとはいえ、足元をすくわれないようにしっかりと対策しましょう。

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※本ページに記載している情報はFactLogicが独自にリサーチ、または各種メディアから収集したものであり、企業が公表している情報ではない場合があります。

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