A:インプットとアウトプットの両面で適切な目的意識を持ちましょう。
みなさんは、フェルミ推定力を身につけるためにどういったアプローチで学習を進めていますか?
フェルミ推定の解法に関する理論をインプットするのに時間が取られたり、たくさん問題をこなすものの、考えがスムーズにまとまらなかったり、問題によって得手不得手があるなど、なかなか思うように成長を感じられない人もいるのではないでしょうか。
この記事では、学校教育では学んでこなかったフェルミ推定を効果的に学習を進めていただくため、
(1) アウトプットの質をあげるために欠かせない効率的なインプット方法
(2) 解題の質を飛躍的にアップさせるためのアウトプット方法
について紹介していきます。
(1) フェルミ推定やケース問題(特にケース面接)で必要とされる考え方を解説している記事や本を読んだり、考え方の解説をしているセミナーを受講するなどして思考方法を頭に入れる「インプット」のステップがまず一歩目です。このステップをいかに効率的に行うかによって、(2)のアウトプットのステップでの成長率も大きく変わってくると言えるでしょう。
(2) 本やセミナーなどで思考方法をインプットしたあとは、実際にフェルミ推定、ケース面接の問題に取り組んでいき、演習を数多く行うという「アウトプット」のステップに移行します。このアウトプットをどれだけ行えるかがカギとなります。問題演習を数多く行う「千本ノック」を繰り返していくうちに問題を解けるようになっていきます。
フェルミ推定の回答の質とスピードをあげる上で直接的に貢献するのは(2)のアウトプットの練習量です。(1)の細かいところにとらわれて時間を使うより、解題の方針を自分でたてるための知識をインプットした後は、アウトプットのフェーズに移ってその中での気づきを吸収していくようにしましょう。
また、インプットとアウトプットはいわば車の両輪のようなものであり、問題演習でのアウトプットを重ねることで難しいロジカルシンキングの本の内容が深く理解できるようになることもあります。分厚いロジカルシンキングの解説書を何冊も読む時間があるのであれば、多くの問題演習をこなした方がよいでしょう。
(1)インプットにおすすめのコラムと書籍
この章では、実際にフェルミ推定やケース問題のインプットを進めていく上で役立つ「選考対策コラム」と「書籍」を紹介していきます。アウトプットを始める前にサラッと目を通し、アウトプットを何回もしていく中でつまずいたら、該当箇所に戻ってきて軌道修正していくことをおすすめします。
おすすめの記事
フェルミ推定
1.【フェルミ推定】戦略コンサル内定者直伝の解法とNGパターンとは
「フェルミ推定ってそもそも何?」
「フェルミ推定ってどうやって解けばいいの?」といった疑問にお答えします。
とにかくフェルミ推定を解けるようになりたいけど、知識不足があるという方はこの記事をご覧ください。優秀学生の陥りがちなNGパターンもご紹介しています。
同じく「フェルミ推定とは」という説明から始まり、選考通過のポイントと、戦略ファーム内定者が就活をしていた時に実際に行っていた対策法を紹介しています。
3.戦略ファーム内定者に聞いた、フェルミ推定対策で覚えるべき数値一覧
フェルミ推定であらかじめ知っておきたい数値をまとめました。
例えば「日本の人口」はほぼ全員が知っていても、「世帯数」を知っている人は少し限られるのではないでしょうか。
フェルミ推定では、知らない数値は仮定・計算できる思考力が何よりも大切です。しかし、常識的な数値を把握していることが前提になる問題もあるため、選考の前に是非目を通してください。
上の記事で覚えた数字を試験形式で確認することができます。
覚えた数字をそのまま解答する問題はもちろんですが、覚えた数字を使って推定して答えを出すような問題も掲載しているので、力試しに使ってください。
全43問です。
ケース問題
5.【ケース面接対策】初心者でも選考突破に大きく近づく思考法
外資系コンサルティングファームや投資銀行という人気業界で、もっとも難しいと言われる「ケース面接(インタビュー)」の解き方を、例題を用いた解説と、よくある失敗例を元にご紹介します。ケース問題はフェルミ推定とセットで出題されることも多いので、敵を知る上でも是非ご覧ください。
ケース面接に挑むにあたって「身につけておきたい能力はなんなのか」という疑問に対して、「そもそもなぜケース面接を選考に組み込むのか」、「コンサルタントにはどのような能力が必要なのか」という視点から解説していきます。
ケース面接の実践練習をこれから始めるという方も、バッチリという方も、この記事は一読しておくことをおすすめします。
ケース面接中に意識すべき「チェック項目」のような位置づけでご利用ください。
きっちりと時間を計って解いたケース筆記の解答を戦略・外資コンサル内定者が添削しました。
「ケースの問題を解くにあたり、実際どういう点が評価の対象になるのか」、「ケース面接本番でコンサルタントから突っ込まれそうなポイントはどこか」を学ぶことができます。
また、「同じ問題でも解答する人の数だけ異なる切り口がありうる」という面白さを感じ取っていただければ幸いです。
思考の土台
そもそもコンサル就活でよく聞く「フレームワーク」とは一体なんなのかという素朴な疑問にお答えします。フェルミ推定やケース問題を解く際にも知っていて損はない内容です。知っている方はスルーしていただいて大丈夫です。
こちらは、フェルミ推定周りの知識に限らず、コンサル就活を進めていく上で必要な知識をインプットするための記事です。フェルミ推定・ケース問題を解く上で必要となってくる思考力を磨くための書籍も数冊ご紹介していますので、それらが求める本質的な能力を向上させたい方には一読のある書籍となっております。
おすすめの書籍と使用方法
具体的にどんな本を使えばいいか分からないという人は、まずは
の2冊を読んでみましょう。
これらは、コンサル就活生の面接, グループディスカッションのための入門書のように広く親しまれている書籍です。フェルミ推定とケース問題についての知識がまったくない人でも気軽に読み進めることができ、豊富な例題や練習問題への取り組みを通じて、問題に対する感覚を掴むことができる本です。
ただし、この本を読むうえで気をつけてほしいことがあります。
それは、この本の内容を「暗記」しようとしてはいけないということです。
この本に紹介されているフレームワークは確かに強力な思考ツールでありますが、あくまでフレームワークは問題に対して答えを導き出すために用いる「手段」でしかありません。フレームワークを使用することそれ自体を「目的」と考えてしまうと、使うべきでない場面でもフレームワークを使おうとしてしまい、かえって逆効果になります。
フレームワークを考え無しに濫用してしまう「フレームワーク病」にかかってしまうコンサル就活生は散見されますが、そうならないよう気をつけましょう。
こういったフレームワーク病を患っている学生に対しては、コンサルタントはかなりの低評価を与えます。重要なのは、「何のためにこのフレームワークを使うのか?」という点を強く意識することです。フレームワークは強力な武器ですが、使い方を誤れば悲惨な結果を導くということに注意しましょう。
(2)アウトプットにおすすめの方法
フェルミ推定やケース問題の軽いインプットが一通り済んだら、実践練習を積み重ねていきましょう。アウトプットの本質としては、「質に重点を置きつつも、量でまわりに差をつける」ということでしょう。ここでは、本質から導かれる、目的に応じた具体的な対策方法をご紹介するため、
1.フェルミ推定 2.ケース筆記 3.ケース面接
に分けて、アウトプットの方法を紹介していきます。
1. フェルミ推定のアウトプットは”日頃の何気ない積み重ね”から
フェルミ推定において重要なのは、「切り口のセンス」です。これは一朝一夕で身につくものではなく、”日頃の何気ない積み重ね”から次第に身についてくるものです。
例えば電車に乗っている時、スマホをいじり倒してすることがなくなり手持ち無沙汰になったその瞬間がチャンスです。
ふとホームの自販機が目に入ったから、日本にある自販機の台数を推定してみる。何気なく広告を眺めているだけだと暇だから、広告業界の市場規模を推定してみる。
その際、様々な切り口から何通りも推定方法を試してみる。
そんな些細な積み重ねが大きな力になります。ぜひ実践してみてください。
また、現時点でインプットはある程度できており、アウトプットのフェーズに移ろうという方は、
- 【難易度別】ケース問題集の初級編
- 【企業別】ケース問題集のベイン・アンド・カンパニー編vol.1
をご活用ください。
2. ケース筆記のアウトプットは”網羅性”を意識
ケース筆記において最も怖いのは「網羅性」、次に怖いのは「字数」です。
ケース筆記はケース面接とは違って、質問してもらうことによって自分の考えを深めることができません。自分の論理的思考力をやり取りを通じてわかってもらうことはできません。限られた字数の中で「自分には論理的思考力があるんだ!」ということを示さなければならないのです。
そのために必要なのは、「自分はこれだけの可能性を想定し、〇〇という理由からこれを採用した」ということを、わかりやすく、網羅的に、字数以内に示さなければならないということです。エントリーシート(ES)での出題であれば考える時間は豊富にありますが、会場で決められた時間内に回答しなければならない場合は、日頃から「書く練習」をしておく必要があるでしょう。
ケース問題の解法など、インプットはある程度できており、アウトプットに移ろうという方は、
- 【難易度別】ケース問題集の中級編、上級編
- 【企業別】ケース問題集
をご活用ください。
3. ケース面接のアウトプットは”対人練習”あるのみ
ケース面接で最も重要なのは「面接官とのやりとり」です。
たいていのケース面接は考える時間を3〜5分もらった後に、ディスカッションスタートです。このあまりにも短い時間の中で完璧な解答を作り上げることは不可能に等しいので、当然ながら面接官とのやりとりを通じて解答を完成させていくことになります。
意表を突かれた質問がきた時、どう対応するか。
議論に齟齬が生じてきたと感じた時、どう軌道修正するか。
はじめの思考時間で何を考えておくと、後の議論がやりやすくなるか。
これらは一人でシミュレーションしていてもなかなかわかりません。対人練習を通じて何度もトライアンドエラーを繰り返し、身につけていくスキルです。
身近に練習相手がいる人は、その人と練習を繰り返してください。練習相手が見つからない人・普段とは違う相手と練習したい人は、ぜひ各所で開催されているセミナーに足を運んでください。そこで同じ大学の学生や近所に住んでいる学生とつながることができれば、何回も練習を重ねることができます。
なかなか練習相手を見つけられない、もしくは、普段とは違うメンバーで練習してみたいという方は、Factlogicの姉妹サイトであるGoodfindのスキルアップセミナーに参加して、周りのレベルを知り刺激を受けるとともに、実力を磨いてください。
まとめ
本コラムではインプットとアウトプットと言う2つの観点から対策方法をまとめました。
繰り返しになりますが、インプットとアウトプットは車の両輪のようなものであり、どちらか一方のみ行っているだけでは限界がありますが、双方を織り交ぜて対策を進めると大きな効果が得られます。
ぜひ効率的に対策を進めていってください。
Q&A一覧はこちら>【Q&A集】コンサル就活の小さな疑問、お答えします。
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